株式会社イーオン様 Microsoft Dynamics 365 CRMシステム構築サービスの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

Microsoft Dynamics 365 CRMシステム構築サービスの導入事例

株式会社イーオン様

「生徒中心」のCRMシステム(SMS※1)導入により、生徒の満足度向上や業務効率化に貢献。

全国主要都市251校での英会話学校運営を手がける株式会社イーオン。
学校ごとに分散していた情報を一元管理し、「生徒管理」に重点を置いたデータ活用を実現するシステムとして「 Microsoft Dynamics CRM 」を導入しました。
併せて、基幹業務システムとのデータ連携を担うインフォテリア社の「ASTERIA WARP」と、BIおよび各種帳票関連の機能拡張を担うウイングアーク1st社の「Dr.Sum EA」を導入したCRMの拡張的な活用が特徴のハイブリッドインテグレーション事例です。
※1 Student Management System

メインイメージ

この事例に関するソリューション・商品

課題
導入後
学校ごとに生徒の情報が蓄積、管理されており、学校間の情報共有が十分ではなかった。
データとシステムが一元化され、一貫したきめ細かい生徒管理を継続できるようになった。
日次の営業報告書はExcelで作成され、さまざまな帳票作成の業務負荷が大きかった。また、データの入力基準は、各学校の独自判断に任されていた。
CRMのデータをASTERIA WARPを用いて抽出し、Dr.Sum EAで必要な帳票に加工できるようになり、業務負荷が低減された。ルールが統一され、可視化されたデータに基づく商品開発等が可能になった。
生徒の学習の進捗管理やきめ細かい上達指導により、満足度の高い語学サービスを提供する必要があった。
レッスンのスケジュール変更や振替がサイト上から行えるようになり、生徒の利便性が向上した。さらに、学習状況の可視化により、きめ細かい生徒対応が期待できる。

導入の背景と課題

データ一元管理による社内の情報共有と、「生徒の上達に貢献する」システムとして

鈴木 氏新システム開発プロジェクト プロジェクトマネージャー
鈴木 正子 氏

全国250校を超える教室を有し、独自の教育メソッドや教材で語学教育を手がけるイーオン。全国約7万5千人の生徒の情報は、これまで各学校単位で個々に管理されていました。

「各学校個別に生徒様の情報が蓄積され、それを本部と5つの事業部で管理する業務ルールでした。そのため、転居や進学、就職等で生徒様の環境が変わったとき、たとえば、A校で契約した人物がB校でレッスンを受けるというときに、本当は同一人物なのに、別人物として管理されるなどの課題がありました。全国の教室が利用でき、環境が変わっても学校間の行き来が自由というのが当社の特色の一つですが、学校間の情報共有があまりできていないのが現状でした」(鈴木氏)

「従来のシステムは、自社開発で、つぎはぎで機能拡張してきたこともあり、システムの統合が課題でした。統合されたシステムで、一貫した生徒様対応を継続し、さらに、生徒様の学習の進捗管理や、きめ細かい上達指導により、生徒様の満足度を高める必要がありました」(大畠氏)

選定のプロセス

「信頼できるパートナー」として業務や課題、解決策を提案してくれた点が決め手

大畠 氏語学教育研究所 教育企画部 テレフォンレッスン・センター 課長
大畠 大輔 氏

システム選定は2013年夏頃より開始しました。人のつながりを通じて、日立ソリューションズに相談したのがきっかけです。

「前システムがスクラッチでの開発で、これだけの規模のシステムにパッケージシステムを導入した経験もなく、どのパッケージが最適かというより、信頼できるパートナーとしてのベンダーを選ぶことを第一に考えました」(大畠氏)

「日立ソリューションズには、こちらの課題を伝え、提案依頼書(RFP)作成をお手伝いいただきました。その際に、弊社の課題や業務内容を良く理解し、システムに盛り込むべき要件を的確に捉えてくれ、安心して任せられると思ったのが決め手です」(鈴木氏)

「日立ソリューションズからの提案が、「 Microsoft Dynamics CRM 」を用いたソリューションでした。また、基幹システムとのデータ連携に実績が豊富な『ASTERIA WARP』が、BIでの活用や帳票関連の機能拡張には『Dr.Sum EA』が盛り込まれており、開発工数の短縮が期待できる上、弊社の課題解決に相応しいシステムだと考えました」(大畠氏)

「開発期間や予算を総合的に判断し、パッケージ利用にはメリットがあると考え、日立ソリューションズの提案によるシステム導入を決めました」(鈴木氏)

導入時の取り組み

システム統合とデータの一元管理を実現するための「業務ルールの統一化」に注力

システム選定後、要件定義が開始されたのが2013年12月、システムの本稼働は2015年6月で、約1年半のプロジェクト期間でした。

「システム統合やデータの一元管理のためには、今まで、本部、事業部、学校ごとに異なっていた業務ルールを統一しなければなりません。このルールの統一が非常に大変でした」(大畠氏)

「業務ルールの統一は大きく『業務プロセスの標準化』『数字のカウントなど、業務の運用に関するルール』『転校など、生徒様との取り決めに関するルール』の3つのテーマがあり、システム刷新前から、足かけ3年ほど取り組んでいました。各学校や事業部ごとに細かいルールの違いがありました」(鈴木氏)

「また、各社員が日々作成、提出する営業報告書には、成約率や継続率などのデータや収支関連の帳票が必要で、これらはExcelで作成されていました。これを、CRMに入力されたデータを使い、『ASTERIA WARP』を用いてデータを抽出し、『Dr.Sum EA』を使って必要な帳票に自由に加工できる仕組みにしました。これにより、現場の社員の業務負荷を低減することに成功しました」(鈴木氏)

「日立ソリューションズには、プロジェクトメンバーとして深く関わっていただきました。複雑な業務ルールを理解してもらい、カスタマイズ部分の調整も、できること、できないことを明確に提示してくれ、できない場合は、代案を提示してくれました」(大畠氏)

「また客観的な視点から、コンプライアンス上のポイントや、業務フローに関する提案をいただきました。社内の人間だけではなかなか得られない知見や気づきにより、特定部門の要望に偏ったシステムになることを避けられました」(鈴木氏)

導入後の効果

「データ可視化」による社内の業務省力化と、スマホ活用による生徒の利便性向上に寄与

2015年6月に本稼働した今回の社内システムは「SMS(Student Management System)」と名づけられました。

「リリース後、しばらくは新システムに現場が慣れるのに苦労しました。ルールが統一され、今までより制約が多くなったことと、運用をスタートしたらルールが業務実態に合わなかったというケースもあったためです。社内への浸透や調整、システム改修に地道に取り組み、2016年に入ると、現場も新システムに習熟し、メリットを理解し始めています」(鈴木氏)

「今まで独自ルールで集計していた帳票類が、統一ルールで集計され、当初は『数字が今までと違う』という声もありました。しかし、社内のいくつかの部署で『Dr.Sum EA』を活用して数字を細かく検証したところ、『新システムの数字が正しい』ということがデータの根拠を持って示せるようになり、システムへの信頼性が徐々に得られるようになりました」(大畠氏)

「これまでは、何のデータを、どう集計するかは、各学校が独自の判断に任されていました。ルールとシステムが統一され、『本当の数字』が可視化されるようになりました。たとえば、これまで営業部門の肌感覚で売れ筋だと思っていた商品が、『Dr.Sum EA』を使って分析したところ、違ったという発見もありました。データをもとにしたインサイトの獲得により、教育カリキュラムやスケジュールといった商品構成を見直す事例も出てきています」(鈴木氏)

「『ASTERIA WARP』は、GUIにより、データの集計、抽出、加工といった高度な処理を直感的に行うことができます。また、SMS以外の社内システムでの活用も可能で、たとえば、経営層からさまざまな経営指標や資料を提出するよう指示があったとき、基幹システムとのデータ連携、抽出が容易に行えます」(大畠氏)

今回、「 Microsoft Dynamics CRM 」は、生徒管理だけでなく、データの可視化などによる社員の業務効率化に寄与する「XRM※2」プラットフォームとして導入されました。高まるスマートフォン利用に応え、生徒専用の学習ポータルから、レッスンのスケジュール変更や振替を行えるようになりました。こうした生徒の利便性向上というメリットに加え、社員の業務効率化という面でも統合型CRMの特長が遺憾なく発揮されています。

※2 X Relationship Management / Anything Relationship Management。XRMとは、「 Microsoft Dynamics CRM 」に関する新コンセプトとしてマイクロソフトにより提唱された、「企業内におけるさまざまな業務プロセスを自動化し、関連情報を一元化・管理する」利用形態の呼び名。

今後の展望

学習ポートフォーリオを取り込み、さらに使いやすい「攻めのCRM」へ

「今後、さらに使いやすい『攻めのSMS』に育てていきたいです。具体的には、生徒様がどれだけ学習して、どういう結果が出ているかを可視化し、たとえば、『TOEICの点数を100点上げるための学習時間、レッスンはこれが必要』というさらにきめ細かい指導に活用していきたいと考えています。これにより、生徒様のさらなる満足度向上に寄与したいと思います」(大畠氏)

「SMSを活用し、データを分析して営業活動や商品開発をどうするか、社内の各本部で工夫が始まっています。与えられたシステムを使うだけでなく、それを活用してさらに生徒様の満足度や利便性を向上させるアイデアにつなげるなど、社内の活性化に期待しています」(鈴木氏)

最後に、日立ソリューションズに期待することをお聞きしました。

「日立ソリューションズには、引き続き、システムを育てていくための支援をお願いしたいです。また、「 Microsoft Dynamics CRM 」については、細かいUI※3や使い勝手の部分で現場からの要望が出ているので、製品の機能改善の要望をメーカーに伝えていただく点でも、マイクロソフトのパートナーとして、日立ソリューションズの役割には大いに期待しています」(鈴木氏)

システム概要図

※3 User Interface
※4 Enterprise Application Integration

株式会社イーオン

本社所在地 東京都新宿区西新宿6-10-1 日土地西新宿ビル16階 株式会社イーオン
設立 1973(昭和48)年5月
従業員数 2300名
事業内容 法人・社会人・学生・児童を対象とする全国主要都市 251校の英会話学校運営、語学教材の制作及び販売、 留学・ホームステイの企画実施、出版事業、インター ネット・電話を使った語学教育等
URL http://www.aeonet.co.jp/

この事例に関するソリューション・商品

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本事例の内容は2016年4月22日公開当時のものです。

最終更新日:2024年4月17日