2026年10月9日
アステリア平野洋一郎の初著書『「旗」を立ててから、登り方を考えよ』出版記念パーティーを開催。出雲充氏、岡部典孝氏、丸尾浩一氏を迎え、起業家としての覚悟や挑戦、若い世代へのエールをテーマにトークセッションを実施しました。平野による新曲披露や懇親会も含め、スタートアップへの熱気に包まれた会場の様子をレポートします。
こんにちは! in.LIVE編集部です。
2026年9月23日、アステリア代表取締役社長/CEOの平野洋一郎による初の著書『「旗」を立ててから、登り方を考えよ——スタートアップが困難を乗り越えるために必要なこと』(日本実業出版社)の出版記念パーティーが開催されました!
会場となった東京都虎ノ門にあるスタートアップ拠点「CIC Tokyo」には、100数十名もの参加者が集結。ゲストには、株式会社ユーグレナの出雲充氏、株式会社Major7thの丸尾浩一氏、JPYC株式会社の岡部典孝氏という創業者社長3人をお迎えし、平野との対談およびクロストークを行いました。
本記事では、平野の著書に込めた思いと、スタートアップへの熱意に包まれた会場の様子をお届けします!
「実は、現役社長のうちはいつ失敗するかわからないから、本を出すつもりはなかった(笑)」。いつもより多めにコーポレートカラーの「グリーン」をまとった平野が、冒頭のあいさつでいきなり本音をもらしました。
今回、初となる著書に挑戦したのは、音声特化のSNSであるClubhouseを用いて毎朝放送する「経営730(ナナサンマル)」に出演したメンバーからの強い後押しがあったから。経営730はさまざまな業界からゲストを迎えて経営に役立つ実践的なトークを配信する番組で、当初はそのコンテンツを書籍に生かす狙いがありました。
経営730でディレクターを務め、本書の構成も担当するソフィア ヒューマン キャピタル株式会社代表取締役社長の室伏順子氏は「夢を持って自分の人生を歩みたいすべての人に知恵・勇気・愛・光を届ける思いで作り上げた。必要な人にみなさんの力で届けてほしい」と願いを込めてあいさつ。
編集を担当した日本実業出版社の編集長である中野淳氏は「起業関連の書籍において、社会を変えるというテイストで現役社長が書くものは他にない。ビジネス書のランキングで上位を獲得している」と太鼓判を押していました。
対談ゲストの1人めは、ミドリムシを活用した食品や化粧品を販売するユーグレナの創業者である出雲氏。平野と同じくグリーンを身にまとい登場しました。業界でグリーンのネクタイを愛用するのは、今このお二人のみだそうです!
まず、「ミドリムシで地球を救う」という巨大な旗を立てた同氏に、その発端をうかがったところ「バングラデシュで子供の栄養失調問題を目の当たりにし、覚悟が生まれた」と熱く語ります。
書籍の帯にある「ホラ吹きか。ビジョナリーか。違いは覚悟だけだ。」という文言を称賛。覚悟によって、創業時にはホラ吹きと見られ続けても、ビジョナリーと言われるようになるまでやり通せたそうです。
そして、ベンチャー企業の存在価値の1つは「困難な領域で小さな成功を作ること」だと強調します。大企業では踏み込みにくい領域にも、ベンチャーにはできる。世界一貧しい国といわれるバングラデシュで栄養失調の子供がゼロになれば、いろんな国で同様の展開が起きうると、熱弁。
同氏のあふれる思いに会場全体が引き込まれているようでした。
続いて登場したのは、国産ステーブルコインの発行が可能な資金移動業者として登録第1号となったJPYCの岡部氏。胸元には「ステーブルコイン チョットワカル」の文字が書かれたTシャツ姿です。「結果を出さなければ、やはりホラ吹きと言われる」と笑いを交えながらもリアルな現実をポロリ。金融庁の審査を突破した経緯からも、ライセンス取得に至るまでは、『ホラ吹き』と見られ続けてきたと振り返ります。
金融分野では伝統的な大企業が多い中、JPYCが第1号の登録を取れた理由を尋ねると、「先行して取り組めたことが大きかった」との答え。ステーブルコイン関連の法規制が定まる前から、他を先行して動いてきたことが功を奏したといいます。「同時に数社にライセンスが発行されると見ていたが、ふと気づいたら当社だけになっていた」と当時の状況を振り返りました。
3人めは、上場支援や企業価値向上支援などのアドバイザー業を営むMajor7thの丸尾氏。元大和証券専務でベンチャー企業の上場に造詣が深く、大企業とベンチャー双方の立場を知る人物です。社名の「Major7th」とは音楽コードの1つで、自ら音楽イベントを主催するほどの熱の入れようだそうです!
実はユーグレナの上場に際し、当初は大和証券が担当していたが、ある事情によって日興証券が主幹事になったと裏話を披露。「書籍にも書いてある通り、上場には主幹事が重要」と力説しました。
3人がステージにそろったところで、クロストークがスタート!
まず、スタートしてから大変だったことを平野から投げかけると、出雲氏は「一番困る質問だ」と返します。「あるメディアの取材は、苦しかったことをどう乗り越えたかを話さないと帰してくれなかった」と参加者の笑いを誘います。
「創業してから大変と感じたことはない。夢が強いから努力は苦行ではなく、むしろ燃料になるから」と真剣な目つき。岡部氏も「ライセンス取得まで5年かかり、創業から20年以上の間に何度も危機があったが、はたから見て苦しそうなことでも楽しめなければ続かない」とうなずきます。
丸尾氏は「大変だという話は多くの起業家から聞くが、そういう人たちは何を目指しているのかを答えられない人が多い」と問題提起。旗を立てられなければ周囲から支援のしようがなく、組織を作ることも難しいとアドバイスを送りました。
起業家に向けて普段のインタビューでは言えない話も聞きたいと平野がリクエスト。
経団連と経済同友会でスタートアップ委員会の委員長として仕事の一環で起業家支援を推進している出雲氏は「日本は世界で最もスタートアップを行いやすい国に生まれ変わりつつある」と見立てを話します。例えば、「2027年度にスタートアップへの投資額を10兆円規模に拡大する」という政府の「スタートアップ育成5か年計画」を取り上げます。
しかし「高校生の段階で起業家に会ったとか起業教育を受けたことがある人は1%しかいない」と問題を指摘。大学に入って急にスタートアップしようとしても難しいので、起業家の先輩が大学以前の教育機関で講義を行うなどの対応が必要だと強調します。
「どうやったら岡部さんのようになれるのか」という平野からの変化球に対し、岡部氏は「周囲から言われることに流されず、自身の意思を貫いてきた」と述べます。丸尾氏も「やりたかったら親に反対されても押し切るだけの気概が必要」と共感を示しました。
出雲氏は「親の世代と環境があまりにも違う」と強調します。
飛行機が発明されてから5000万人が乗るまでに68年かかったのに対し、ポケモンGOがサービスを配信してから19日で5000万ユーザーを獲得するに至った例を挙げます。親が善意のアドバイスを送ったとしても、もはや親の世代と社会規範や行動様式の正解が異なるため通用しないというわけです。
トークセッションの締めくくりとして、3人の創業社長から未来のスタートアップへのエールをいただきました。
出雲氏は「起業家は最も成功する人生だ」と明言します。
実際、大学発のスタートアップは6000社超あるなか66社が上場しているという事実を提示。ある調査によると、高校から東京大学に入る人は毎年0.6%、高校のサッカー部員が直接プロになる確率は0.06%であり、こうした数字を紹介しながら、起業への挑戦は決して非現実的ではないと訴えました。
岡部氏は「いま20代の人たちは起業におけるベストタイミング」と助言。AI(人工知能)の台頭など人類史上まれにみる変革期にいるなか、チャンスがあると感じる人は躊躇なく進むべきと提案しました。
丸尾氏は「国の支援などベンチャーに資金が投じられている。世代を問わず旗を立てられる時代だ。起業に向けた知識を得る機会を拡大することで挑戦者が増えてほしい」と結びました。
平野からは「みなさんも伝道師となってスタートアップを後押しし日本をより楽しく豊かにすることを一緒に行っていただければと思います」と締めくくり。参加者からは大きな拍手でトークセッションの幕を閉じました!
トークが終わって一息と思いきや、サングラスをかけ、グリーンのエレキギターを抱えたロックな出で立ちの平野が再登場。会場が「え、何が始まるの?」とざわつくなか、なんと平野自身が作詞・作曲した新曲を自ら弾き始めるサプライズが!
乗りの良いアップテンポのビートに合わせ、「世界を変えるならまず旗を立てろ~♪」と書籍の文言を落とし込んだ歌詞と70~80年代風のロックビートに、会場から手拍子や「イエーイ」の歓声が巻き起こります。
あたかもメインイベントだったかのようなライブが終了!
最後は懇親会に突入し、出雲氏が「だめな乾杯のあいさつは話が長い。一番いいのは話が短いもの。幸せは長く、あいさつは短く。旗を立てろ!」と素晴らしい乾杯の音頭でスタート。
テーブルに華やかに並べられた一口サイズの料理を楽しみながら、スタートアップ談議に花を咲かせている様子でした!
出版パーティーと銘打った2時間のイベントでしたが、中身はスタートアップ講演フォーラムか、はたまたロックライブかといった印象でした。とても濃い内容に参加者の方々にも充実した時間を過ごしていただけたのではないかと思います!
4人の創業者社長は、「いまがチャンス」と新たな挑戦に向かう若手にエールを送ります。インターネットやAIが実現する親世代とは異なる状況において、新たな感性を持ち自らの意思によって覚悟を決めて「旗を立てる」ことを促します。4人に共通していたのは、周囲の常識に流されず、自らの意思で旗を立ててきた姿勢でした。
イベントに参加された方々の多くは、若手の親世代ともいえるミドルやシニアの世代です。そうした世代の人たちも、挑戦する若手を支援するマインドを持とうというメッセージが込められていたのではないでしょうか。
「旗を立てる」のは、若手の特権ではなくどんな世代でも可能性を秘めるもの。スタートアップだけではなく、生き方そのものにもつながるのかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
アステリア社長 平野洋一郎、初の著書『「旗」を立ててから、登り方を考えよ』出版記念インタビュー https://www.asteria.com/jp/inlive/startup/8590/
『「旗」を立ててから、登り方を考えよ スタートアップが困難を乗り越えるために必要なこと』
著者:平野 洋一郎
構成:室伏 順子
発売日:2026年9月1日
発行:株式会社日本実業出版社
定価:2,200円(税込)
四六判・304ページ
ISBN:9784534062956
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in.LIVE【note版】では、発売を記念して、本書の「はじめに」を全文公開しています。平野がなぜこの本を書いたのか。そして、いま挑戦する人たちに何を伝えようとしているのか。ぜひ「はじめに」から、本書の世界に触れてみてください。