2018年12月6日

体内にマイクロチップを埋め込んだ社長に聞いてみた!「人間のバージョンアップ」におけるビジネスチャンスは?

体内のマイクロチップなんて映画の中の話?なんて思ってしまいますが、日本でも少しずつケースは出始めているのだとか。体内に埋め込んだマイクロチップでできることや、”バイオハック” に先陣を切ってチャレンジされた背景などを伺いました。


こんにちは!編集長の田中です。 ”体内にマイクロチップを埋め込んで、IoT機器とつながる体に…” 。そう聞くとなんだか映画の中の話か、海外の最先端の事例?なんて思ってしまいますが、これはごく身近な日本でのお話。

体内に埋め込んだマイクロチップのおかげで、手をかざすだけで社員食堂で決済ができる、入退室の管理ができるといった事例は海外でも出始めています。特に北欧のスウェーデンでは、世界で初めて乗客の体内に埋め込まれたマイクロチップを乗車券の代わりに利用できる検札システムを2017年5月から導入したりと、国を挙げてマイクロチップの活用に取り組んでいるのだとか。

”人体に害はないのか?” ”将来的なリスクは?” なんて、ネガティブな質問ばかりつい頭に浮かんでしまいますが(IT業界に身をおいている私でさえも!)、そんなバイオハックに先陣を切ってチャレンジされている人が国内・大阪にいるというニュースを耳にし、早速お話を聞いてきました。

株式会社 お多福ラボ
代表取締役 浜道崇(はまみち・たかし)さん

2016年よりお多福ラボの代表。「福を招き、福を増やし、福を振りまく」をミッションに、「マーケティング」「ファイナンス」「エンターテイメント」の3つの領域でAI事業に取り組んでいる。AIトレードシステム、画像解析AIを得意とする。

体内のマイクロチップは「人間のバージョンアップ」

今日はよろしくお願いいたします!
早速なんですが… 体のどこにマイクロチップが埋め込まれているのか、見せていただけますか?

よろしくおねがいします。
えーとですね、僕は左手の親指の付け根あたりに入っているのですが… 写真で見てもらっても、もう見た目からは分からないですよね。チップを埋め込んだばかりの頃はちょっと腫れていたこともあったのですが、気付けば体内に馴染んできたような気がします。
人の体ってスゴい!
そもそもなんでマイクロチップを入れようと思ったのでしょうか?
僕らはAI技術を扱っている会社でもあるので、最先端のテクノロジーには常に興味がありますし、チップを埋め込むことで「人間と機械が融合」するのは、純粋に面白いなと思ったんです
興味はあっても身近にやっている人もいないし、なかなか実行には踏み切れない気が…。
実際に僕自身が体験して、体に対する害やデメリットが今のところはないというのもわかったので、今では僕だけじゃなく社員にも何人かやっている人がいますよ。僕らの会社は楽しくアホなことができるメンバーが揃っているので、僕からすると、興味があるならやればいいじゃんっていう軽いノリですかね…
楽しくアホなことができる会社!さらりとおっしゃいますね…!(笑)
でもそういう「まだよくわからないけどとりあえず飛び込んでみる」という感覚は新しい技術をいち早く知る意味でも必要な気がしますね。具体的に今このマイクロチップでは何ができるんでしょうか?
現状はスマートロックの「Akerun」を連携させているので、会社の鍵を持たなくても手をかざすだけで解錠・施錠ができます。
Akerunと連携ですか!以前 in.LIVE でAkerunの河瀬社長にインタビューをさせてもらったのですが、Apple WatchやPASMOと連携させて、それぞれをかざすだけで解錠できるようにしたりできるんですよね。

まさか体内のマイクロチップとの連携もできるとは…!
僕らが埋め込んだ「TypeA」と呼ばれるマイクロチップで対応できるかどうか、事前にAkerunに問い合わせしました。
担当者の方もびっくりされてたんではないですか?前例もないでしょうし…
そうですね、「たぶんできますけど…」という反応でした(笑)。 実際に設置して初めて自分の手だけで鍵が開いたときは、結構感動しましたね!

現在は「Akerun」の入退室管理システムを使って入退社の管理もしているので、タイムカード的な役割もあります。実際に僕だけじゃなく、マイクロチップを埋め込んでいる社員の皆はこの方法で毎日出社してるんですよ。

実際に体内に埋め込まれたマイクロチップで、Akerunを解錠する様子

手をかざしてシャリーン!って鍵が開いて… なんだか魔法みたいですよね。”鍵を忘れる” という概念がそもそもなくなるのも羨ましいです!

他にもまだまだ色々なことができそうですよね?海外の事例でよく見かける電子決済とか…
それがですね、僕らが入れている「TypeA」のマイクロチップは、日本の鉄道の改札や電子決済システムで多く使われている「Felica(フェリカ)」の規格ではないので、現状は決済には使えないんですよ。

「Felica」に対応した規格のマイクロチップを自ら開発するという手段もありますが、かなりコストもかかってしまうので、現状は一旦様子見という感じですね…。
え…!そうなんですか!使えるシーンが規格の問題で限られているというのは、そりゃ普及しないはずだ…。でも時間の問題のような気がします。

逆に、今の規格でも使えるサービスやアプリを作るということはできるんですか?
実は今僕らの会社内では、TypeAのマイクロチップで使える仮想通貨のウォレット機能を開発しています。社内でのみ使える仮想通貨ですが、スマホで決済をする際にこのマイクロチップを通じて本人認証が出来るというものです。
使い道がないなら自分で作る!なんてハングリー精神のある会社なんだ…

マイクロチップを体内に埋め込むには?日常生活への影響

やっぱり気になるのが、そもそもどうやってチップを入れてるの?という具体的なところなのですが… 病院で手術が行われるのでしょうか?
実はその点はまだ日本の病院の学会などでも臨床実験段階で、あくまで「自己責任で」とされているところなんです。マイクロチップ自体はとても小さいので、太めの注射針を通して簡単に入るんですよ。
ひ〜!いざ聞いてみるとちょっとコワイ… 人体への影響はないとはいえ、長期的なことを考えると不安でもありますね。埋め込んだあとの日常生活も気になるのですが、特に支障はないんですか?

例えば飛行機に乗るときの金属探知機に毎回引っかかるとか…
特に問題なかったですね。表向きはガラス製なので、金属として探知されないのかもしれません。あとよく聞かれるのがMRIとか医療行為に関わるところ。これも特に問題なかったです。

今のところデメリットのようなものは無いので、そのうち、今はマイクロチップが入っていないもう片方の手にも、別のマイクロチップを入れてみようかと思っています
!!! 浜道社長の近くで毎日仕事していたら、私も軽いノリでマイクロチップ埋め込んでしまいそうです…。

体内に埋め込んだマイクロチップから発展する未来

今後この技術を通じてできるようになることや、事業として考えられている可能性などあれば教えてください。
大きくは二段階あると思っています。
まずは現在のように「鍵」や「本人確認のツール」としてスムーズに使えるものになること。現状はAkerunだけですが、例えばセコムのようなセキュリティサービスや、仮想通貨のウォレット機能など、個人認証が必要な場面において自由に使えるようになったらなと。

またこうした個人認証を繰り返し色々な場でするということは、マイクロチップ上にたくさんの情報が集まってくるということでもあります。なので、マイクロチップ上に溜まったデータを活用するというのも一つありますね。
溜まったデータを活用?具体的にはどんな風に活かされるのでしょうか?
例えば、当社では「企業向けの受付サービス」や「AIコンシェルジュ」を開発しているので、マイクロチップに溜まったデータをAIに学習させて、よりコンシェルジュのサービスの精度を高めていくというのも可能だと思います。
なるほど、確かに利用すればするほど、その人の生活の傾向などもデータとして溜まっていくんですもんね。
そうですね。ただそのためにはやはりマイクロチップを利用できるシーンが増えなければいけないので、そのための取り組みとしては、やはりFelicaの規格との連携です。

Felicaでも使えるマイクロチップが自社で開発できれば、電子決済など出来ることの幅が広がり、同時に収集できる情報も増えることになります。とはいえ、自社でマイクロチップを開発するとなると大きな投資が必要になってきますが…。
確かに。でも体内のマイクロチップに貯めたデータを活用して別のサービスに活かすという発想はありませんでした!マイクロチップを通じて直接的にできること以上に可能性があるんですね。
海外では様々な事例が出ています。
医療機関でスムーズにマイクロチップの埋め込みをしてくれる安全な体制が整えば、利用者も増えて、もっと普及に繋がると思います。とりあえず、田中さんもチップ埋め込んでみませんか?
ちょ、ちょっと考えてみます…!

編集後記

以上、今回は体内にマイクロチップを埋め込んだ、株式会社お多福ラボの浜道社長にお話を伺いました。非常に尖ったメンバーが勢揃いしているお多福ラボさん。

「AIやマイクロチップなどのIT技術以外に、最近興味を持たれていることは?」という質問から、最近社内で行われているふんどし姿での座禅(!)について熱いお話を聞かせていただいたりと、気になったものはどんどんチャレンジして良いところを見つけていく好奇心と、やるからにはとことん!という探究心をビシバシ感じました。

浜道社長が話されていたような「人間と機械の融合」は、マイクロチップに限らず、様々なテクノロジーにおいて見られるトレンド。近い将来は今以上に多様な切り口で、その融合が進んでいくのかもしれません。最後まで読んでいただき、有難うございました!

関連リンク

株式会社お多福ラボ https://otafuku-lab.co/

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この記事を書いた人
田中 伶
田中 伶 アステリア株式会社 広報・IR室。メディアプランナー。 大学在学中に人材育成会社を立ち上げ、その後はスタートアップでPRや法人向けの新規事業立ち上げなどを経験。話題のビジネス書や経営学書の解説をするオンラインサロンを約5年間運営。難しいことをやわらかく、平たく解説するのが得意。