2018年10月11日
手で持たなくてよい傘、『free Parasol』。プロダクトを知った誰もが、関心を抑えられない理由は、構造も機能も普遍的なものだと捉えられていた傘の概念が、大きく変わろうとしているからなのかもしれません。
両手いっぱいの荷物を持っているとき、自転車に乗っているとき、電話をしながらメモを取っているとき。そんなときに雨に降られ、途方に暮れたことはありませんか?自分の腕がもう一本あったら……なんて、突飛なことは思わないにしろ、雨が降っているのに満足に傘を差せないのは何とも不便なことですよね。
けれども、自分で傘を差さなくてもよくなる未来がやってくるかもしれません。そんな期待を抱いてしまう画期的なプロダクトが、いま生まれようとしています。
機械設計やシステム開発などを手掛けるアサヒパワーサービス株式会社が、目下開発中の“手で持たなくてよい傘” 『free Parasol(フリーパラソル)』は、複数のプロペラが付いた傘。電源を入れると傘が浮上し、使用者の進行方向に向かって一緒に移動するというものです。
実用化に向けて開発を進める、同社代表取締役 鈴木健治さんに、開発の背景や今後の展開について伺いました。
アサヒパワーサービス株式会社 代表取締役 鈴木健治(すずき・けんじ)さん
東海大短大部卒。OA機器販売会社で勤務した後、平成13年、アサヒパワーサービス入社。平成27年2月から社長。茨城県結城市出身。41歳。
プロペラが傘の露先に搭載されている「free parasol」3号機
鈴木さんのお話を伺うなか、わたしたちは、日々、常識や固定概念に支配されて生きているのかもしれないと感じました。そして、変わらないと思い込んでいる“何か”が、思いもかけない方向に変わろうとしていることへの期待と関心が果てしないことも。
傘は「差す」から「飛ぶ」へ。常識を打破し、その先のワクワクをも形にしていくfree Parasolは、新たな概念を持つ傘という存在以上に、人の心を躍らせる力を持っているようです。