2019年5月30日

”来週から2週間、シンガポールで働きます” アステリア社が実践する「国際テレワーク」の舞台裏

これまでに「ふるさとテレワーク」や「猛暑テレワーク」など、ユニークな働き方を提案してきたアステリア社が、新たにスタートした「国際テレワーク」なる取り組み。実際に本制度を利用してシンガポール滞在を行った社員にインタビューを行いました。


こんにちは!in.LIVE編集部です。
2019年4月に ”働き方改革” がスタートし、現場での就労規則や環境が整えられる今。本メディアを運営するアステリア株式会社では、これまでも「猛暑テレワーク」や「ふるさとテレワーク」など、どこにいても仕事ができるということを前提に様々な働き方を実施してきました。

レジャーや帰省タイミングを活用した「ふるさとテレワーク」では、企業版ふるさと納税での協業を長年行っている秋田県仙北市の自然豊かな環境の中で働くという働き方を推奨していましたが、今回その制度をさらに発展させ、個人のキャリアを支援する新たな制度として実施したのが、シンガポールを拠点に2週間ほどの就労を行う「国際テレワーク」。5月にはその制度についてのプレスリリースも公開し、各メディアなどでも話題にしていただきました。

制度の実施から早1ヶ月。今回は実際にこの制度を利用し、シンガポールに2週間滞在していた広報・IR室長の長沼氏に、実際の現地での生活や「国際テレワーク」の意義について感じたことをインタビューしました。


インタビューに答えたのは…

長沼 史宏(ながぬま ふみひろ) アステリア株式会社 広報・IR室長

一般社団法人ブロックチェーン推進協会、広報部会長 兼 事務局長も務める。大手製造メーカーで10年以上の広報・IR担当としてのキャリアを積んだ後にIT業界へ転身。テレワーク、LGBT、FinTechなど旬の話題に絡めたPRを通じて業界特有の難解なテーマでも“お茶の間”にリーチする話題づくりを展開。
2017年1月から立ち上げた自身が主催する勉強会「広報勉強会@イフラボ」には900名以上がフォロー中。他社主催勉強会での講演や社員研修の講師なども精力的にこなしている。


ー まずはアステリアの「国際テレワーク」の概要について教えてください。
社内でそういった取り組みをしようという話が出たのはいつ頃なのでしょうか?

2018年末の経営会議で方向性が決まりました。当社でも海外の企業との仕事も増えてきている中で、副社長の北原も、現地の空気の中で仕事をするという体験を社員にさせるのも良いのではないかという考えでした。社長の意見は、社員の人生を豊かにするという上でもそういった体験が会社の制度を通じてできるのは良いのではと。

当社はもともとテレワークを推進していた会社でもありますし、もともと社長の平野がシンガポールに住んでいたことや、当社の研究開発拠点が現地にあることもあり、スムーズに制度の詳細が決まりましたね。

ー シンガポールのビジネス環境などもよく知っていたからこそ、安心して制度に取り入れられたわけですね。

そうですね。これまで当社ではシンガポール法人との事業提携なども行ってきましたし、IT技術やサービスが急成長する市場としてシンガポールの存在感は大きかったです。



ー 「国際テレワーク」制度を使うのは長沼さんが2人目だと聞きましたが、現地へ行く人はどのように決めているのでしょうか?立候補制ですか?

基本的にはそうです。とはいえ、新しい働き方を会社全体にしっかり浸透させるためにも基本的には管理職のメンバーが先駆けて参加するのが良いのでは、という話がありました。テレワークって一見ラクに思われるかもしれませんが、目の前にいるメンバーを管理するのではなく離れた場所にあるメンバーを遠隔で管理するほうが難しいんです

そうした点でも本人のマネジメントスキルの向上にも繋がりますし、会社全体への新しい働き方の浸透を図る上でも合理的なのではと。その考えに私自身も納得感があったので「じゃあ自分はどのタイミングで行こうかな」とすぐに考えていましたね。



ー 日本での仕事やアポイントもある中で海外滞在のスケジュールを組むのは大変かと思いますが、長沼さんがシンガポールへ行くことが決まったのはいつ頃ですか?

私の場合は広報として、決算や記者会見などがなかった時期を選びました。特に最近は会社の意思決定が早いために急なプレス発表案件が出てきたりするので、万が一の事態を考えて直前まで渡航できるか様子を見ていたこともあり、実際に飛行機のチケットを取ったのは出発の2日前です。



ー2日前!ずいぶんギリギリのタイミングで確定したんですね。チームのメンバーへの情報共有や事前の準備などはどうされたのでしょうか?

まずチームのメンバーに関しては、普段からテレワークをごく普通に実施していたこともあったので、特別に何かを準備したということはありませんでした。あえて言えば、シンガポールは常夏なので、真夏の衣類を週末に買いにいったぐらいですかね。

広報メンバーとは「来週(といっても2日後)から2週間はシンガポールで通常業務や現地法人とのアポイントなどに対応する」ということを共有し、予定していたミーティングなどはテレビ会議システムを利用することを確認したぐらいです。当社では2011年の東日本大震災をきっかけに、いつどんなときでもテレワークをスムーズに行えるような体制づくりを進めてきたので、チーム内のメンバーも特に困ることはなかったですね。シンガポールは日本との時差が1時間ほどなので、業務時間の調整などの負担も少なかったです。



ー もしものときに、時間や場所を問わず仕事ができる環境づくりを行ってきたことが活きているのですね。一方で、現地での活動についての準備はいかがでしたか?

過去に当社と提携を発表したシンガポールの法人やブロックチェーンの業界団体がいくつかあったので、出発の2日前から「現地へ行くので是非会ってもらえないか」とメールなどで片っ端から連絡をしてアポを取りました。飛行機に乗るギリギリまでメールを送っていましたね(笑)。

そこから現地のPRエージェンシーを紹介してもらえることになったりと、数珠つなぎでアポイントが増えていきました。2週間の滞在時間を有効活用するために、業務時間外のビジネスイベントなどにも足を運びました。

ー そうした情報はどこから?

現地で再会したビジネスパートナーから「Meetup」という現地の様々なビジネスイベントを紹介するプラットフォームがあることを教えてもらいました。そのサイトで、当社が展開するIoTやブロックチェーンなどのビジネスキーワードを検索して、親和性の高そうなイベントを探してエントリーしました。

中にはかなり前に申し込みを終了していた人気のイベントもあって悔しい想いをしたのですが、最初に参加したイベントで出会った人にまた別のイベントで出会うといったこともあったり、現地のコミュニティに少しだけですが参加できたのは嬉しかったですね。もっと長く滞在できたら!と思うことも多くありました。



ー 現地では、会社が契約していたコンドミニアムに滞在していたとのことですが、一般的にホテルに滞在する海外出張とは過ごし方に違いはありましたか?

そうですね。何よりも現地のリアルな普通の生活を体験できた点がとても良かったです。
コンドミニアムはホテルと違って、洗濯も自分でしますし、朝ご飯のビュッフェがあるわけでもない。帰ってきたら「食事はどうしようかな?」と考えたり。移動は、現地で主流の配車アプリ「Grab」をよく使っていました。

街中から少し離れた住宅街にあったこともあり、オフィスや商業ビルの多いシティだけではなく、現地の人々の暮らしが感じられるエリアを堪能できました。拠点として使っていた現地法人のオフィスまでは30分弱だったのですが、毎朝地下鉄に乗って、駅のフードコートで朝ごはんをテイクアウトして出社したりと生活のイメージも湧きました。やはりホテル暮らしとは少し違う感覚ですね。



ー 一日の基本的なスケジュールについて教えてください。

毎朝6時頃に起きて、近所をランニングしていました。街をランニングしていると、地元の人々の暮らしを観察したりできます。早朝から行列のできるバスターミナルでは、無料で配布されるフリーペーパーが地元の人たちの朝の情報収集の主要なツールになっていたりと、広報視点でも学びになるようなこともありましたね。

朝から太極拳をしている人たちの姿や、24時間営業のコンビニタイプのスーパーなど、走っていると色々な景色が見えました。

9時前には、ローカルな朝食やコーヒーをテイクアウトして、現地オフィスに出社していました。シンガポール名物のカヤトーストが美味しくて、ハマっていました(笑)。朝から営業している朝食屋台みたいなものも沢山あって、毎朝テンションが高まりました。こういうお店、そして活気あふれる雰囲気、日本にもあってほしいなあとつくづく思いましたね。

出社してからは、日本オフィスとのテレビ会議をしたり通常業務をしたり。現地法人とのアポイントに出かけたり、という感じですね。現地法人のオフィスには日本人メンバーや現地採用したメンバーやエンジニアもいるので、ランチなどは一緒に屋台村のような場所で食事をしたりしていました。高級なレストランよりも、こうしたローカルな店が面白かったです。

18時に退社したあとは、Meetupでエントリーしたイベントなどに参加していました。いきなりピザが出てきて食べながらイベントの開始を待ったり、ざっくばらんな雰囲気や海外のイベントらしい展開が面白かったですね(笑)。そこでは20人ぐらいの方と名刺交換をしたり、ビジネスに繋がりそうな方と後日のアポを取ったりしていました。



ー 現地の方との交流の中で感じたことがあれば教えてください。

第一印象として、皆、とてもコミュニケーションが取りやすかったですね。
変に探り合ったりすることもなく純粋にこちらの仕事に興味を持ってくれたり、「こういう人いたら紹介してくれない?」と遠慮なく尋ねてきてくれたり。よそ者である自分に遠慮することもなく、良い意味での厚かましさみたいなものが心地よくて。

自分自身もいつも以上に臆することなく会話ができました。国境による壁を感じなかったのは、あらゆる人種が混在するシンガポールの地域性などにも関係していると思います。



ー 実際に2週間の「国際テレワーク」を経て、改めて感じたこの制度の意義について教えてください。

様々な先進国の良いところをうまく取り込んでいるシンガポールですから、全体的にとても快適に過ごせて、そして積極的に仕事に取り組むことができました。一方で、多くのビジネスが急成長している現場では、日本の遅れている考え方や国境を意識しないマーケット規模の違い、人種の違う人が集まっていることによるメリットもリアルに感じ、日本の出遅れ感に悔しい思いをすることもあったのが正直なところです。

理想だけ言うと「もっと長く滞在できたら…」と思うこともありましたが、自分だけではなく、今後この制度を活用する若手メンバーにも多くのチャンスが訪れれば嬉しいなと思います。現地の空気感を体感してきたメンバーと、新たなプロジェクトに取り組むこともあるかもしれません。

会社の具体的な目標としては、今期だけで10名を派遣することを目標として掲げています。ただ現地に滞在するだけではなく、現地のコミュニティにとことん入り込み、与えられた環境で何ができるか?ということを貪欲に考えることで、より実りのある「国際テレワーク」になるのではないかと考えていますね。

アステリアの「国際テレワーク」舞台裏 まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。今回は、当社で新たに始まった働き方制度「国際テレワーク」を体験した広報・IR室長の長沼氏にお話をお伺いしました。

海外の生活や、現地のIT技術との関わりを体験してみて初めて分かること。今後もアステリアでは、既存の慣習や常識にとらわれない、社員の生産性を最大限に引き出す働き方を提案してまいります!どうぞお楽しみに。

最後まで読んでいただき、有難うございました!

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この記事を書いた人
in.LIVE 編集部
in.LIVE 編集部 インフォテリア株式会社が運営するオウンドメディア「in.LIVE(インライブ)」の編集部です。”人を感じるテクノロジー”をテーマに、最新の技術の裏側を様々な切り口でご紹介します。