2026年4月10日

スタートアップワールドカップ2026がいよいよ開幕! 初の名古屋予選、その見どころは?

スタートアップワールドカップ2026が今年も開幕! 今回は初の名古屋予選開催が開催されることとなり、業界から注目が集まっています。ものづくりの中心地として知られる名古屋が、スタートアップとグローバルをつなぐ新たな拠点となるのか? 記者会見では、大会の見どころや名古屋開催の意義、豪華ゲストによるリアルな声が語られました。その全貌をダイジェストでお届けします。


アステリアの社外取締役でもあるアニス・ウッザマン氏が創業者兼CEOを務める 米 ペガサス・テック・ベンチャーズ が主催する、スタートアップ・ワールドカップ。2017年より開催されている本大会は ”世界最大級のグローバルピッチコンテスト・カンファレンス” として知られています。

2017年の初年度開催以来、その様子を毎年追ってきた in.LIVE。アステリア社長の平野も大会の審査員長として、グローバルに活躍するスタートアップ企業の成長を見守ってきました。

2025年の東京予選で登壇する平野

そして 2026年 ーー。今年もシリコンバレーで行われる世界決勝戦の出場権を競って、世界中の地域・国での予選が行われます。今年はなんと、名古屋予選も新たに開催されることになりました!

トヨタをはじめとする大企業が集まり、ものづくりのポテンシャルを秘めた名古屋は、スタートアップとの連携が大きく広がる可能性を持つエリアとして期待されています。そんな名古屋予選の開催を前に、スタートアップワールドカップを主催するペガサステックベンチャーズパートナーは事前記者発表会を開催。

本記事では、記者発表会で語られた大会の見どころや、名古屋予選の全貌とトレンド、豪華なゲストによるコメントをダイジェストでご紹介していきます!

「スタートアップワールドカップ」とは?

シリコンバレーを拠点とするベンチャーキャピタル「ペガサステックベンチャーズ」が主催する、世界最大級のスタートアップ向けピッチコンテスト。現在は130以上の国と地域で予選が開催されており、各地を勝ち抜いたスタートアップがアメリカ・シリコンバレーに集まり、世界一を競います。優勝企業には100万ドル(約1億5000万円)の投資賞金が提供されることもあり、世界を目指す起業家にとって大きなチャンスの場となっています。

2023年の東京予選の様子

2017年の開始以来、数千社規模のスタートアップが参加しており、単なるコンテストにとどまらず、世界中の投資家や企業とつながる「グローバルな接点」としての役割も強まっています。実際に、参加企業はピッチを通じた評価だけでなく、海外投資家との対話やネットワーキングを通じて、資金調達や事業連携の機会を得るケースも少なくありません。

2023年の東京予選の様子

日本からの参加も活発で、初回大会(2017年)では、日本予選を勝ち抜いたユニファ株式会社が世界チャンピオンに輝いたほか、2023年にも日本企業が優勝するなど、グローバルでの存在感を示しています。近年の日本予選は東京のほか、九州や東北などの複数地域でも開催されており、延べ8,000人以上を動員する国内最大級のピッチイベントへと成長しているところです。

ものづくりとスタートアップの融合。初の名古屋開催の見どころは? オンライン記者会見では、ペガサステックベンチャーズ創業者兼CEOでスタートアップワールドカップ創業者兼会長のアニス・ウッザマンから、大会の主旨や、初の名古屋予選の開催に向けた想いが語られました。

名古屋開催の背景にあったのは、日本のスタートアップエコシステムを次のステージへ押し上げたいという強い意図です。これまで東京や九州、東北で予選が行われてきましたが、名古屋が加わることで、地域の多様なポテンシャルに改めて光を当てていきたいと考えています。

名古屋は、トヨタをはじめとする製造業が集積する “ものづくりの中心地”として知られており、ロボティクスや素材、精密加工などの分野において世界トップクラスの技術力を持つ一方で、スタートアップの文脈ではこれまで ”やや保守的” な地域と見られてきました。しかし近年では、STATION AIの開設や産学連携拠点の整備が進み、スタートアップを取り巻く環境は大きく変わりつつあります。そうした変化のタイミングを存分に活かして、世界と直結するピッチイベントを開催したいと強く希望していました。

2023年大会の様子(アニス氏と小池百合子東京都知事)

日本のスタートアップがグローバルで戦う上での重要な領域とされるディープテックにおいて、名古屋は高いポテンシャルを有しています。これまで眠っていた技術や人材が、グローバルな舞台と接続されることで、新たなイノベーションを生むのではなるはずーー。

なお、今回の名古屋予選では、これまで実施されてきたスタートアップ企業によるピッチに加え、ユース世代(小中高生)によるピッチコンテストも実施されることに! 次世代の起業家育成という観点でも、非常に大きな取り組みになりそうです。

◆スタートアップワールドカップ2026【名古屋予選】チケット情報はこちら

2026年4月23日(木)に STATION Ai/岡谷鋼機名古屋公会堂 にて開催される名古屋予選には、愛知県知事の大村秀章氏や、名古屋市長の広沢 一郎氏も登壇予定。さらに、株式会社ユーグレナ 代表取締役社長 出雲 充氏や、C Channel株式会社 代表取締役社長(元LINE代表) 森川 亮 氏など、業界でも著名な経営者たちが一同に介します。行政関係者、大企業の経営層、投資家など、多様なプレイヤーが集まることで、スタートアップと大企業の連携や新たな投資機会の創出も期待されています。

今年の名古屋予選の出場企業はすでに決定しており、120社以上からの応募の中から選ばれた10社が登壇予定。宇宙開発、バイオテック、自動運転マップ作成など、幅広い分野の企業が参加します。名古屋予選ファイナリスト10社はこちらです。

豪華なゲストが語る ”スタートアップワールドカップ”

さてここからは、本記者会見に登壇した豪華なゲストによるコメントをご紹介します。スタートアップワールドカップを長年見守ってきた、一橋大学の名誉教授 米倉 誠一郎 氏、株式会社ミダスキャピタル 取締役 大櫃 直人 氏、SBIインベストメント株式会社 取締役執行役員 / CVC事業部長 加藤 由紀子 氏、また2017年の大会初年度、世界決勝戦で見事優勝したユニファ株式会社 代表取締役の土岐 泰之氏も会見に駆けつけ、応援メッセージを寄せていました。

本大会への想いについて聞かれた米倉誠一郎氏は、スタートアップワールドカップや名古屋予選の可能性について、以下のようにコメントしました。

2023年の東京予選で登壇する米倉誠一郎氏

「1946年にアメリカでベンチャーキャピタルが誕生した際、経済成長には大企業だけでなく、小さな企業が常に育っていることが重要だと言われていましたが、これは今も変わらない本質です。日本はこの20年停滞が続く中で、特にテクノロジー領域の新しい企業を育てる機会や場を十分に提供してこなかったのではないかと思います。

その意味で、世界120カ国以上からスタートアップが集まるスタートアップワールドカップのような場は非常に重要です。日本にはポテンシャルがあるからこそ注目されており、今回名古屋で開催されることにも大きな意味があると感じています。

日本の産業構造はこの20年、自動車に依存する“一本足打法”になってしまいました。しかし、こういう時こそ新しいものを無理に求めるのではなく、今ある強みに目を向けることが重要です。名古屋には多くのポテンシャルある企業があり、そこに新しいアイデアやスタートアップの動きが加わることで、大きな可能性が生まれるはずです。

例えば、日本が強みを持ってきたロボティクスとAIを掛け合わせた“フィジカルAI”の領域では、本来もっと世界で戦えるはずですが、まだ十分に力を発揮しきれていません。一方で、AIを活用した医療系スタートアップが世界で成果を出すなど、可能性は確実に見えています。

これからは、こうしたディープテック分野で日本発の企業が次々と生まれていくことが重要です。その際には、ものづくりの知見を持つ名古屋の強みが大きく活きてくるでしょう。そうした意味でも、今回スタートアップワールドカップが名古屋で開催されることを非常に楽しみにしています。」

また2017年の大会で、東京予選を勝ち抜き、シリコンバレーで行われた世界決勝戦でも優勝を果たした土岐氏は、実際に世界決勝戦に出場したときのことを懐かしく振り返り、以下のように話しました。

2017年、帰国後に行われたスタートアップワールドカップ優勝記者会見での土岐 泰之氏

「私自身、スタートアップワールドカップの初回大会に参加しましたが、日本予選の時点でマネーフォワードのような、今ではメガスタートアップとなっている企業も出場しており、非常にレベルの高い戦いでした。さらにシリコンバレーの本戦では、世界中のスタートアップのピッチを目の当たりにして、正直に言えば気後れする部分もありました。

ただ、当時私たちはロボティクスやIoTを活用した“スマート保育”という領域で挑戦しており、そのプレゼンに対してApple創業者のスティーブ・ウォズニアック氏から『このロボットは面白い』と声をかけていただいたことが、大きな自信につながりました。まだ実績は十分ではありませんでしたが、“自分たちでもできるかもしれない”と思えた瞬間だったと記憶しています。

結果的に優勝後は、海外投資家からの資金調達やグローバルでの組織づくりが進み、現在ではエンジニアの約3割が海外人材になるなど、会社としての成長が大きく加速しました。この大会は、スタートアップにとって大きな転機になり得る場だと実感しています。

今回、名古屋で予選が開催されることも非常に嬉しく思っています。ものづくりのイメージが強い地域ですが、スタートアップでも世界に挑戦できる時代はすでに来ています。実績がなくても、自分たちの志を信じて一歩踏み出すことが重要です。今回選ばれた皆さんの挑戦を心から楽しみにしています。」

その他、メディアからは「名古屋発のスタートアップのトレンド」などについても質問が寄せられました。

大櫃 直人 氏は「ディープテック × 製造業が日本のスタートアップの勝ち筋。Station AI など新しい取り組みにより、名古屋のマインドが変わってきており、工作機械、ロボティクス、材料、精密加工、航空宇宙、パワー半導体などの領域での活躍を期待している」とコメント。また加藤由紀子氏は「スタートアップのエコシステムには強い大学と強い産業が重要であり、名古屋は地の利がいい。これまで保守的だったが、今新しいスタートアップが生まれている状況に期待している」と回答しました。

さらに、日本のアントレプレナーシップ(起業家精神)の育成について質問された米倉誠一郎氏が「日本のオリンピックでのメダル数増加は若い時からの育成システムの整備によるもの。スポーツと同様に、スタートアップの領域でも若い時からチャレンジの機会を与え、失敗を許容する土壌を作ることが大事。こうした土壌が日本に作られ始めているのは良いこと。国内のピッチと比べ、世界に出るというのは重要な機会だ」と話していたのも印象的でした。

スタートアップワールドカップ2026、今年も要チェック!

2026年4月23日(木)の名古屋予選では、午前中にペガサス主催の次世代テックトレンドセミナーも開催され、夕方にはSTATION AIでネットワーキングパーティーも予定されています。愛知県知事や名古屋市長をはじめとする多くの著名人の参加も予定されており、中部地方のスタートアップエコシステム発展の大きな契機となりそうです。

学生限定の無料チケットなどもありますので、興味のある方はぜひ! チケット情報などをチェックしてみてくださいね! https://swc2026-nagoya.peatix.com/

今年も in. LIVE では本大会の行方を追っていきます。名古屋や東京予選から世界へ羽ばたき、決勝の舞台で輝くのはどの企業なのかーー。挑戦が未来を変えるその瞬間を、ぜひ一緒に見届けていきましょう!

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この記事を書いた人
in.LIVE 編集部 アステリア株式会社が運営するオウンドメディア「in.LIVE(インライブ)」の編集部です。”人を感じるテクノロジー”をテーマに、最新の技術の裏側を様々な切り口でご紹介します。