2019年2月4日

【イベントレポート】約270社が加盟しているブロックチェーン推進協会の「第3回 BCCC Collaborative Day」に参加しました!

”あらゆるビジネスにブロックチェーンの力を” というコンセプトとのもと発足したブロックチェーン推進協会(BCCC)。年に一度主催されるイベント「第3回 BCCC Collaborative Day」に参加してきたので、その様子をお届けします。


「あらゆるビジネスにブロックチェーンの力を」というコンセプトのもと、ブロックチェーン技術の幅広い普及推進をおこなうブロックチェーン推進協会、通称BCCC。BCCCは、アステリア株式会社社長の平野氏が代表理事を務めており、年に一度「Collaborative Day」を開催しています。

今回は、2019年1月15日(火)に開催された「第3回 BCCC Collaborative Day」の様子をお届けしていきます。

「第3回 BCCC Collaborative Day」は、記者会見からはじまり、BCCCアドバイザー増島雅和氏とBCCC副代表理事を務める杉井靖典氏による新春対談、各部会からの活動報告や今後の方針、昨年末に発表のあった連携協定についてのご説明など、盛りだくさんのプログラム。今回は先日、連携協定をした日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)の会員企業も参加され、ブロックチェーンに関わる約250名の協会関係者が懇親を深めることのできる会となりました。

加盟企業は270社を突破!2019年は新たにゲーム部会を設立

まず記者会見ではBCCCの沿革を振り返りながら、「加盟企業数が270社を突破」(2019年1月15日時点)したことについての発表があり、新規加盟企業36社中8社の代表挨拶がおこなわれました。

株式会社イードの土本氏、AOSリーガルテック株式会社の佐々木氏、NCS&A株式会社の木下氏、株式会社グラコネ藤本氏、株式会社シーズの後藤氏、株式会社ビットポイントジャパンの小田氏、株式会社Freewillの谷口氏、株式会社LIFULLの山田氏の計8社にご挨拶いただきました。

このように8社の顔ぶれからも、BCCCの加盟企業が上場企業からスタートアップの企業まで幅広いこと、そして業界も様々であることがわかります。加盟法人の上場企業の割合は約4分の1、海外企業はイスラエルの企業が加わり、5カ国に及ぶとの発表もありました。

(新規加盟企業の株式会社グラコネ 代表取締役社長 藤本真衣氏よりご挨拶)

続いて平野理事より、2019年の3つの活動予定についての発表。まず、仮想通貨「Zen」の社会実験がフェーズ2に入ること、そして「ゲーム部会」が新設されること、最後に海外(シンガポール)視察を予定していることについてのお話がされました。

現在BCCCでは、8つの部会活動が行われていますが、3月からはさらに「ゲーム部会」が新設予定。今回は、ゲーム部会参画予定企業3社の代表者から、今後の活動について発表があり部会への参加を促しました。

ブロックチェーンを使用したゲームは、法律などのルールが複雑なことからも参入障壁が高いとされています。だからこそ、この部会では積極的に情報共有をしながら、安心・安全に楽しむことのできる環境を構築し、健全な業界の育成をしていきたい」と、これからの部会への意気込みを話されていました。

いよいよ「第3回 BCCC Collaborative Day」開幕!

今回はじめての試みとして、会場内にBCCC加盟企業の紹介ブースが設置されていました。

(企業紹介ブース)

このようなブースがあることで、企業同士のニーズがマッチングしやすく、ブロックチェーンを使った新たな領域での活動や技術の進化に繋がるきっかけになりそうです。開幕前からそれぞれのブース前では熱心に話を伺う姿も見られました。

記者会見が終わると、いよいよ「第3回目のCollaborative Day」のスタートです。

まずは、平野代表理事よる開会宣言・主催者挨拶からはじまりました。会場は、年始にもか関わらず、BCCC加盟企業の皆さまで満席です。

記者会見時に発表のあった加盟企業の増加や2019年の活動予定に加え、今年の活動方針である「Proactive(プロアクティブ)」について報告。「昨年はいろいろと不安が多い中、ブロックチェーンの未来を信じ、そこを価値に変えていこうと取り組みをしてきた皆さんと引き続き”前向き”に、そして”積極的”に、”先見的”な活動をしていきたいと思っています。2019年は晴れわたる年にしていきましょう!」と力強い言葉で締めくくりました。

特別対談:法律面から考えるブロックチェーンの今後とは?

続いて、ブロックチェーンに関わる有識者として著名な森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士の増島雅和氏と、カレンシーポート株式会社・代表取締役・CEOの杉井靖典氏を招いて、「法律面から考えるブロックチェーンの今後」をテーマに対談が行われました。増島氏はBCCCアドバイザー、杉井氏はBCCC副代表理事を務められています。

今回の新春対談では、杉井氏が聞き手となり、「ブロックチェーンを資産管理に活用するにあたっての課題」を解決していく方法を増島氏へ伺いながら進行していきます。

まずはじめの話題は「資産のトークン化」について。なにかと最近よく耳にする「トークン」ですが、一体どのようなものなのか、正しく理解することがまずは大切であると具体例をあげながら増島氏は語ります。

また増島氏は、ブロックチェーンに取引データが記録されていても、その通りに取引が行われていない場合を例に出し、法律面での指摘をされていました。現在の法律だと、データ通りに取引が行われていることが前提になってしまうため、法的な権利者がずれてしまう場合があるのだそう。話題は物債、債権、知的財産権などのより具体的な話へと進んでいきます。

杉井氏がわかりやすく質問を投げかけながら、話題はメインの資産管理へと。ブロックチェーンを資産管理に活用するにあたって、それぞれのアセットの性質により法律が異なると、増島氏は語ります。しかし、まだ法律面においては未確定なことも多いそう。ブロックチェーンによる資産管理(トークン化)のレイヤー構造から、法律における解釈やトークン化可能な資産について、さらに紐解いていきます。

対談の最後には活発に質問も飛び交い、参加者の満足度も非常に高く感じられました。
今回の対談では、ブロックチェーン技術の進歩に伴い、法律面の改善も必要であること、「資産のトークン化」にも様々なパターンがあるため、それぞれに関する法律をきちんと把握すべきであることが語られました。技術の進歩ばかりが注目されがちですが、よりブロックチェーンが発展していく社会になるためには法律面にも注目する必要がありそうです。

対談内容については、仮想通貨Watchにも取り上げられました。

日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)との協会連携について

現在、BCCCには新設されるゲーム部会を加え、活動的に動いている部会が8つあります。
今回は、代表して5つの部会の部会長(ゲーム部会・井上和久氏、金融部会・野口香織氏、リスク管理部会・山本敬介氏、技術応用部会・森一弥氏、トークンエコノミー部会・福原智氏)より昨年の報告と今後の活動方針について発表がありました。

技術応用部会 部会長の森一弥氏からは、2018年の活動報告に加え、月に一度開催予定の「ハンズオン」や、年に数回開催予定の「ハッカソン」についてのお知らせも。

続いて、昨年末に発表のあった日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)との協会連携について、会長の奥山泰全氏からのご案内。JCBAの沿革と2018年までの取り組みについて述べた後、BCCCとの連携により、より一層の業界全体の健全な育成と技術の普及、啓発を促進していきたいと協会連携の概要と意気込みをお話されました。

「ブロックチェーンが社会に根付き、社会に浸透する年にしていきましょう!」と、世界をリードする日本の仮想通貨ビジネスを牽引していきたいという力強いメッセージと共に、この会を締めくくりました。

官民一体、親交を深めさらなる業界の発展へ

Collaborative Day終了後は、同会場で華やかな雰囲気の中、懇親会が開催されました。乾杯の音頭を務めていただいたのは、先ほど登壇いただいた日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)会長の奥山泰全氏。

乾杯後も関連省庁のご来賓の方によるご挨拶が続きます。

森 拡光氏(金融庁 総合政策局 フィンテック監理官)

寺村 行生氏(総務省 情報流通行政局 情報通信制作課 企画官)

八山 幸司氏(内閣官房 情報通信技術総合戦略室 内閣参事官)

副島 豊氏(日本銀行 決済機構局 FinTech センター長 審議役) 以上、関連省庁の皆さまより来賓のご挨拶をいただき、官民一体となった業界全体の発展を祈願しました。

真剣な面持ちで話を聞いていた参加者の皆さんも、お酒を片手にリラックスした表情で、今後のブロックチェーンの適用について意見交換をしていました。新春にぴったりな豪華な料理に会話も弾み、登壇者への質問など、熱心に情報交換や交流の機会を楽しまれていたように感じられました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 BCCCの今後の活動はBCCCの公式サイトからもご覧いただけます。ぜひ今後ともご注目ください。

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この記事を書いた人
石川妙子 アステリア株式会社 広報・IR室。in.Live編集部。 大学卒業後、大手銀行にて勤務。その後、自由大学の運営を経て、2015年より世界一周の新婚旅行へ。帰国後は、編集者として活動。インバウンドや農業メディアにも所属。2018年より長野を拠点に移し、東京との二拠点生活中。