2025年12月25日

GPT-5の登場で何が変わった? 2025年の生成AIニュース総まとめ

アステリア株式会社、および生成AI協会(GAIS)にてエバンジェリストをしている森一弥です。 生成AIの関連ニュースが目白押しだった2025年もいよいよ終わり。ひと昔前のSFなら、2025年といえば車が空を飛んでいたり、人類 …


アステリア株式会社、および生成AI協会(GAIS)にてエバンジェリストをしている森一弥です。

生成AIの関連ニュースが目白押しだった2025年もいよいよ終わり。ひと昔前のSFなら、2025年といえば車が空を飛んでいたり、人類がサイボーグ化していたり、光学迷彩が開発されたりする未来のイメージですが、現実にはなかなかそこまで至っていません。とはいいつつも、生成AI関しては数年前からは考えられないぐらいに未来感あふれる展開になっています。

そんな2025年を振り返り、この一年間でリリースされて日本でも話題になっているツールをまとめてみたいと思います。

1. OpenAI「GPT-5」を正式リリース — “考えるAI”がついに完成へ(2025年8月)

日付:2025年8月7日
ソース:https://openai.com/index/introducing-gpt-5/

GPT-5は、人間と並ぶような、むしろ人間を超えるような AGI(Artificial General Intelligence:人口汎用知能)として実現されるのではないかと前々から噂されていたわけですが、ChatGPTの誕生から3年を待たずに出ましたね。単に質問に答えるだけでなく、”考えてから答える” というプロセスを設けた GPT-5。

これまでの検索エンジンの延長にあった調査の支援や文章の作成といった利用者のツールから、仕事を依頼できるような秘書や部下に進化した感じさえしています。記事執筆時点では5.1となり、その進化はますます続いていきそうです。

2. ChatGPT Atlas(AIブラウザ)一般提供 — ブラウザそのものがAI化(2025年10月)

日付:2025年10月21日
ソース:https://openai.com/index/introducing-chatgpt-atlas/

@DIMEに連載しているコラムでも取り上げましたが、「AIブラウザ」とも呼べるツールが出てきたことも話題となりました。執筆時点ではまだMac版しか無いようですが、メモリーの機能で自分好みに育てていくことができるAIブラウザの登場は、今後の私たちのネットの利用方法も少しずつ変えていくかもしれません。

3. NotebookLM 大型アップデート — 動画、音声での要約で更に便利に

日付: 2025年8月26日
https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/notebooklm-80/

こちらも、@DIMEのコラムにて紹介した「NotebookLM」がさらに機能拡張されて、使いやすくなっています。

この拡張機能は、取り込んだ資料の概要を、動画や音声でまとめてくれるものなのですが、私のおすすめは音声機能。資料の概要を、2人の音声のやり取りで教えてくれますよ。面倒な大量の資料チェックを、通勤電車でラジオ番組を聴くような感覚でできます!

4. Google「Gemini 3」 — Googleサービスとの完全連携(2025年11月)

日付: 2025年11月18日
ソース:https://blog.google/products/gemini/gemini-3/

直近の「Google Gemini」のバージョンアップは、体感できるレベルで性能が向上しました。各種スコアの話題はよくあがりますが、そのほとんどは有料版だけが先行されるケースが多いですし、一般的な使い方ではあまり体感しにくいものだったりします。一方のGeminiは、無料版でも実際に使って体験できるバージョンアップでした。「高速モード」と「思考モード」の2つがあり、高速モードは実際に速くなった感覚があります。しかし特に話題なのは「思考モード」です。こちらは回数制限があるものの、熟考の上で回答してくれます。

OpenAIに危機感を抱かせるほどの性能であったことから、「Code Red(コードレッド ※非常事態)」を発動させた性能を、ぜひ体験してみてください。

5. プログラム支援AI「Cursor」「Antigravity」など台頭 — コーディングの民主化(2025年11月)

日付: 2025年11月19日(Antigravity)
ソース:https://antigravity.google/blog/introducing-google-antigravity

プログラミングを専門に学ばなくても「こんなゲームを作りたい」「こんなアプリを動かしたい」と日本語で書くだけで AI がコードを書いてくれて、エラーも直してくれるツールが続々と出てきています。

「Claude Code」や「Gemini CLI」など、コマンドラインで利用できるツールが登場したり、「Visual Studio Code」や「Cursor」など、AIでサポートしてくれる環境がソフトウェア開発の現場では標準になっています。

さらに2025年11月リリースされた「Google Antigravity」は自動化の精度がさらに向上しています。簡単な依頼でTODOリストを作成し、実際に動くアプリを完成させる様子は圧巻ですよ。

6. AI検索革命「ChatGPT Search / Perplexity / Genspark /Felo」(2025年2月)

日付: 2025年2月5日( ChatGPT Search 未ログインユーザーでも利用可になった日付 )
ソース:https://openai.com/ja-JP/index/introducing-chatgpt-search/

検索ワードを入力してリンクを探す、というこれまで当たり前にやってきたネット検索が大きく変わりつつあります。検索窓に「〇〇への旅行プラン」「〇〇案件の資料作成」と書くと、AIが複数のサイトを読み解き、最適解を提示してくれるようになっているのです。「Genspark」や「Felo」といった日本語対応のAI検索も話題になっています。さらに検索だけでなく様々なツールを利用し自動化する方向に進化した「AIエージェント」も話題です。

ChatGPTやGeminiにも機能として取り込まれつつありますが、「Manus」というサービスも話題になりました。

【生成AIやってみた!Manus編】中国発の汎用AIエージェント「Manus」はどこまで使えるか? https://dime.jp/genre/1954424/

7. 画像生成AIの大衆化「Nano Banana / Firefly / Midjourney」他(2025年8月)

日付: Nano Banana:2025年8月26日 / Nano Banana Pro:2025年11月20日
ソース:https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/nano-banana-pro/

Nano Bananaの登場で、画像生成のクオリティはこれまでより一段と向上しました。手持ちの写真からオリジナルフィギュアのような画像を生成するのも流行りましたよね。ビジネス利用を考慮し、著作権にも配慮されたされた「Adobe Firefly」でも、内部のモデルとして「Nano Banana」を選択できるようになったりもしました。

8. 動画生成AIの一般公開とモバイル普及「Sora / Runway」(2025年9月)

日付: Sora2公開:2025年9月30日
ソース:https://openai.com/ja-JP/index/sora-2/

生成動画の世界でも、クオリティの向上は目覚ましいものがあります。
OpenAIから発表された「Sora2」は、クオリティの高さはもとより、モバイルアプリも提供されたことで多くの人が手軽に動画作成を体験し、SNSで生成動画を見かけることも多くなりました。

さらに「Runway」もGen-4.5 を発表し、画像生成と同様、動画生成においてもクオリティ競争に拍車がかかっています。

9. 日本語対応・初心者でも高品質デザイン「Canva」が日本で大ブレイク(2025年9月)

日付: 2025年9月18日(多言語対応発表)
ソース:https://www.canva.com/newsroom/news/canva-ai-languages

2025年、「Canva」で作ったスライドやポスターを使っている人をあちこちで見ることが多くなったのではないでしょうか。私が行くのが生成AI系のイベントという偏りもあるかもしれませんが、スタートアップ企業や学生など非確定若い登壇者で使っている人を多く見かける気がしています。

Canvaの生成AI機能を使ってスライドの文言を生成、吟味したり、画像の素材を作ったりといった部品を作っていくこともできますし、作品自体の大枠を作ってもらうという使い方などいろいろと使い道も多いですよね。

10. 音楽生成AIの普及「Suno」

日付: 2025年11月26日
ソース:https://suno.com/blog/wmg-partnership

生成AIで音楽をつくる。そんなサービスも徐々に普及してきています。もともと音楽系は著作権に問題を抱えている場合が多く、やや停滞気味に見えていましたが、ワーナーミュージックと「Suno」の提携など、業界がAIを活用する方針へと徐々に変わっているようです。

かつての初音ミクのような新時代のクリエーターが、音楽生成AIの技術を活用して生まれてくるのかもしれません。

「2025年の生成AIニュース」 まとめ

生成AIツールを中心に2025年の生成AIトピックをみてきましたがいかがでしたでしょうか?

技術の進歩がとても早いので、2025年の前半に話題になったツールはもうすでに昔のことのようなイメージもあるかもしれません。一方で、新しいサービスも続々と登場しているので、現在使っているものにあまり固執せず、新しいものをどんどん試してみる姿勢のほうが、より生成AIの進歩の恩恵を受けられるのではないかと思います。

来年もアステリアのオウンドメディア「in.LIVE」や 本note、@DIME などでの連載を通じて、専門知識がなくても無料から試すことができるツールを中心にご紹介していこうと考えています。

▼ @DIMEでのコラム一覧はこちら
https://note.com/inlive/n/nad7e48d5ec79

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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この記事を書いた人
森 一弥 アステリア株式会社 ノーコード変革推進室 エバンジェリスト。 2012年よりインフォテリア(現アステリア)勤務。2017年3月までは主力製品「ASTERIA WARP」のシニアプロダクトマネージャーとしてデータ連携製品の普及に務め、特に新技術との連携に力を入れる。 ブロックチェーン技術推進の一環として実証実験やコンサルティングなどを実施。ブロックチェーンを活用した株主投票では特許を取得。またブロックチェーン推進協会(BCCC)では技術応用部会を立ち上げ、技術者へブロックチェーンアプリケーションの作り方を啓発している。現在はAIやIoTなど先端技術の調査、普及啓発に努めている。