なぜモダナイゼーションは進まないのか|2つの足かせと「連携型」という現実解

なぜモダナイゼーションは進まないのか|2つの足かせと「連携型」という現実解

「モダナイゼーションが必要なのは分かっている。それでも、なかなか進まない」——多くの企業が抱える悩みです。老朽化した基幹システムを刷新できれば成果が上がると分かっていても、現実には業務やシステムを変えたくても変えられない状況に陥りがちです。本記事では、モダナイゼーションが進まない原因を「2つの足かせ」から整理し、理想論だけでは越えられない現場のジレンマ、そして基幹システムを止めずに段階的に進める「連携型モダナイゼーション」という現実的な解決策を解説します。大掛かりな刷新に踏み切れずにいる情報システム部門やDX推進担当の方が、無理のない一歩を描けるようになることを目指します。モダナイゼーションの全体像はモダナイゼーションとはもあわせてご覧ください。

モダナイゼーションは「進めた企業」ほど成果が出ている

まず前提として、モダナイゼーションに取り組む価値ははっきりしています。PwC Japanの調査(2024年DX意識調査)では、DXに取り組む国内企業のうち約6割が「期待通りの成果を出せていない」と報告される一方、ITモダナイゼーションの成熟度が「先進」とされる企業では、9割超が「成果は期待通り以上」と回答したとされています。つまり、モダナイゼーションを着実に進められた企業ほど、DXの成果を手にしているということです。にもかかわらず、多くの企業で取り組みが進まないのはなぜか。問題は「やる価値があるか」ではなく、「どうすれば現実に進められるか」にあります。ここを分けて考えることが、停滞から抜け出す出発点になります。成果が出ないのは意欲や能力の問題ではなく、進め方の設計に原因があることがほとんどです。

なぜモダナイゼーションは進まないのか──2つの足かせ

モダナイゼーションが進まない企業には、共通する2つの足かせがあります。この2つが絡み合い、「変えたくても変えられない」状態を生みます。多くの現場では、ツールや予算の問題以前に、この足かせによって最初の一歩が踏み出せずにいます。裏を返せば、この2つにどう対処するかが、停滞を抜け出す鍵になります。

足かせ1:老朽化した基幹システム

長年使い続けてきた基幹システムには、その時々の要望に応えるためのアドオンやカスタマイズが積み重なっています。結果として、内部構造は複雑化し、どこを触れば何に影響するのか誰も全体を把握できない状態に陥ります。こうなると、少し手を入れるだけでも影響範囲が読めず、「怖くて触れない」システムになってしまいます。刷新の必要性を感じていても、この複雑さそのものが着手の障壁になるのです。

足かせ2:属人化した業務フロー

もう一つの足かせが、業務フローの属人化です。システム間の連携や、日々の処理の中には、「担当者しか分からない」手順やルールが随所に潜んでいます。長年の慣習で成り立っている独自の処理は、ドキュメントにも残っておらず、担当者が異動・退職すれば再現できなくなります。こうした属人化した業務は、システムを変えようとした瞬間に「これは何のための処理か分からない」という壁となって立ちはだかり、刷新を止めてしまいます。

「Fit to Standard」の理想と現場のジレンマ

近年のERP刷新では、業務をシステムに合わせてカスタマイズする「Fit & Gap」から、業務を標準機能に合わせる「Fit to Standard」への転換が主流になっています。アドオンをなるべく排除し、標準に寄せる「クリーンコア」の考え方です。これは保守負担を抑える理想的な方針ですが、現場との間にジレンマが生じます。現場業務は長年の慣習や例外処理、独自のデータフローで成り立っており、標準機能だけでは対応できない処理が随所にあるからです。かといって、すべてを一括で切り替える「ビッグバン型」は、リスクが大きすぎて着手できません。理想の方針と現場の実態のあいだで、多くの企業が身動きが取れなくなっているのです。この溝をどう埋めるかが、モダナイゼーションの成否を分けます。

現実解は「連携型モダナイゼーション」

このジレンマを解く現実的なアプローチが、「連携型モダナイゼーション」です。基幹システムはクリーンコアのまま維持し、標準機能で対応しきれない部分は、周辺システムとデータ連携基盤を経由してつなぐ、という考え方です。これにより、基幹を無理に作り替えることなく、現場に必要な機能や処理を周辺で実現できます。レガシーシステムも含めて、一気にではなく段階的にモダナイゼーションを進められる点が最大の利点です。

基幹はクリーンコアのまま、周辺は連携でつなぐ

EC、EDI、倉庫(WMS)、店舗(POS)、分析(BI/DWH)といった周辺システムを、基幹に直接作り込むのではなく、データ連携基盤を介してつなぎます。こうすれば、基幹は標準的な状態を保ったまま、現場の個別要件は周辺側で吸収できます。標準化と現場対応を両立させ、リスクの高い一括刷新を避けながら前へ進められます。レガシーシステムと新環境を並行運用しながら、機能ごとに少しずつ移していけるため、業務を止めずに刷新を進められます。

保守負債を積み上げない

ただし、周辺システムを個別に開発してつなぐ(Side-by-Side開発)だけでは、接続先が増え、変更が日常的に発生し、担当者の引き継ぎで再び属人化する——という「保守負債」が新たに生まれます。ここで重要なのが、連携を個別のスクラッチ開発ではなく、連携の定義が見える形で一元管理することです。連携がどうなっているかが可視化されていれば、引き継ぎやすく、障害箇所も特定・修正しやすくなります。保守負債を積み上げない構造にしておくことが、段階的モダナイゼーションを続けるための条件になります。

モダナイゼーションを支える2つの柱

連携型モダナイゼーションを成立させる柱は、次の2つです。一つは「データ連携基盤」で、基幹・クラウド・オンプレを一元的に接続し、システムごとに異なるデータ形式の違いを吸収・変換し、鮮度の高いデータを継続的に供給します。もう一つは「運用を止めない設計」で、連携の定義が見えるため引き継ぎやすく、障害箇所を特定・修正しやすく、保守負債を積み上げない構造を保ちます。この2つがそろって初めて、「基幹を止めずに、段階的に、属人化させずに」モダナイゼーションを進め続けられます。逆に言えば、どちらか一方が欠けると、刷新は途中で止まるか、新たな負債を生むことになります。近年はここにAI活用の土台という価値も加わり、整えた連携基盤がそのままレガシーシステム連携やAIへのデータ供給にも生きてきます。

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連携型モダナイゼーションを支える「ASTERIA Warp」

基幹を止めずに周辺システムを段階的につなぐ「連携型モダナイゼーション」を、プログラミングなしで実現したい場合に有力なのが、データ連携基盤「ASTERIA Warp」です。ASTERIA Warpは、累計10,000社を超える企業・団体に導入されているデータ連携基盤で、レガシー刷新・モダナイゼーションの土台づくりで多くの実績があります。

  • 一元接続:基幹・クラウド・オンプレミスなど100種類以上をノーコードでつなぐ。
  • 違いを吸収:システムごとに異なるデータ形式を変換し、そのままつなげる。
  • 定義が見える:連携をアイコンで組むため処理が可視化され、引き継ぎ・保守がしやすい。
  • 運用を止めない:スケジュール実行で鮮度を保ちつつ、段階的な移行を支える。

連携を「個別スクラッチ」から「見える一元管理」へ変えることで、Side-by-Side開発で生じがちな保守負債を抑えられます。基幹はクリーンコアのまま、周辺の現場要件を柔軟に吸収できるため、リスクの高い一括刷新に頼らず、着実にモダナイゼーションを前に進められます。

モダナイゼーションの活用事例

ASTERIA Warpは、レガシー刷新・モダナイゼーションのデータ連携で多くの実績があります。

  • 株式会社dinos(小売業):IBM i(AS/400)の資産を活かしつつフロントエンドをMendixで刷新し、連携基盤を集約して開発の標準化と属人化解消を実現しました。
  • 株式会社日清製粉グループ本社(製造業):COBOLで作り込んでいたSAP連携をモダナイゼーションし、SaaSやマイクロソフト製品との連携を柔軟・スピーディに実現しました。
  • 鴻池運輸株式会社(運輸業):3種類のETLツールをWarpへ統合し、運用コストの削減と連携処理の属人化解消を実現しました。

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業種・用途別の連携事例を公開しています。

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段階的にモダナイゼーションを進めるステップ

最後に、連携型モダナイゼーションを無理なく進めるためのステップを整理します。

  • 現状を可視化する:基幹に積み上がったアドオンと、属人化している連携・処理を洗い出す。
  • 周辺から切り出す:標準機能で対応しきれない要件を、基幹ではなく周辺システム+連携基盤で実現する。
  • 一元管理で回す:連携を見える形で一元管理し、鮮度を保ちながら段階的に移行する。まずは影響の小さい領域から着手し、効果を確かめて広げると、リスクを抑えて前に進めます。無料体験版で、自社システム間の連携を試してみるのがおすすめです。

よくある質問(FAQ)

Q. 基幹システムを全面刷新しないと、モダナイゼーションにならないのでしょうか?

A. いいえ。基幹はクリーンコアのまま維持し、周辺システムをデータ連携基盤でつないで段階的に刷新する「連携型モダナイゼーション」が現実的です。一括刷新(ビッグバン型)のリスクを避けながら前に進められます。

Q. 周辺システムを個別に開発してつなげば十分ではないですか?

A. 個別開発(Side-by-Side開発)だけでは、接続先の増加や変更、担当者の引き継ぎで再び属人化し、保守負債が積み上がります。連携を見える形で一元管理し、保守負債を抑える構造にすることが重要です。

Q. IT人材が限られていても進められますか?

A. はい。ノーコードでデータ連携を作成・修正できる体制を整えれば、限られた人材でも変化に追従しやすくなります。連携が可視化されるため、引き継ぎや保守の負担も軽くなります。

Q. まず何から着手すればよいですか?

A. いきなり基幹の刷新に踏み込むのではなく、基幹に積み上がったアドオンと、属人化した連携・処理の可視化から始めます。そのうえで、影響の小さい周辺領域から連携基盤で切り出していくと、リスクを抑えて着手できます。

まとめ

モダナイゼーションが進まない背景には、「老朽化した基幹システム」と「属人化した業務フロー」という2つの足かせがあります。Fit to Standardの理想と現場のジレンマの間で止まってしまう企業は少なくありません。その現実解が、基幹をクリーンコアのまま維持し、周辺をデータ連携基盤でつないで段階的に進める「連携型モダナイゼーション」です。鍵は「データ連携基盤」と「運用を止めない設計」の2本柱。基幹を止めず、属人化させずに刷新を進めたいなら、データ連携基盤「ASTERIA Warp」を検討してみてください。

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執筆者:ASTERIA Warp チーム

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