マスターデータ管理(MDM)とは?メリットや進め方、導入事例をご紹介!MDMコラム[入門編] 第1回

MDMコラム入門編 第1回

マスターデータ管理(MDM)とは?

マスターデータ(Master Data)とは、業務で扱う基本データを指し、例えば「顧客マスター」、「従業員マスター」、「製品マスター」など様々な種類があります。

マスターデータ管理(MDM)とは、マスターデータを全社の観点で統合させ、データの統一を図るなど、品質を維持する活動です。MDMとはデータを管理するための活動であり、システムを指すわけではありません。マスターデータ管理(MDM)によって、企業データの一貫性や品質が確保されます。

マスターデータ管理(MDM)はなぜ重要なのか

ほとんどの企業では、顧客データなどを活用していますが、部署によってシステムが異なるため、システム同士の顧客マスターデータがサイロ化し、一致していないといったケースはよくあります。企業の中には、重複するデータや不完全なデータが多数あることによって、全貌を正しく判断できないなどの問題を抱えていることもあるでしょう。しかし、マスターデータ管理(MDM)を行うことによって、マスターデータの一貫性や品質を保持し、意思決定に必要なデータの信頼性が高まります。

マスターデータ管理(MDM)システムの種類

マスターデータ管理(MDM)システムは適用範囲に応じて、大きく3つのタイプに分類されます。一般的に採用されるのはハイブリッド型ですが、自社の状況に合わせて選定するためにすべてのタイプを把握することをおすすめします。

集約型

集約型MDMは、周辺システムで生成されたマスターデータをMDMシステムが収集し、蓄積する形式です。このタイプはデータ分析と活用に適しています。
メリットは、既存のシステムに手を加える必要がなく、導入の障壁が比較的低い点です。ただし、データの一元管理は行わないため、標準化や統制は期待できません。

集権型

集権型MDMでは、MDMシステムがマスタデータの唯一の発生源となります。主にデータの整合性を重視する場合に採用されます。
このタイプではデータの一元管理は実現しますが、周辺システムを含めたシステム設計や業務フローの見直しが伴うため、全タイプの中で最も導入の難易度が高いと言えます。

ハイブリッド型

ハイブリッド型MDMは、集約型と集権型の利点を組み合わせたタイプです。
MDMシステムが重要なデータを統一的に管理しつつ、同時に周辺システムは個別業務で発生したデータ(ローカルマスタ)を管理します。ローカルマスタからMDMへ連携を行うことで、データの整合性と柔軟性を両立させることが可能になります。

MDMシステムと周辺システムの役割分担を明確にする必要はあるものの、既存システムを引き続き活用するため、比較的スムーズに導入することができます。

マスターデータ管理(MDM)の市場

海外では、早い段階からマスターデータ管理(MDM)の重要性が注目されており、2006年時点でMDM関連ソフトウェアの売上高は約340億円、2010〜2012年には2,000億円前後の市場となっています。しかし、国内市場では、企業はかなり高い重要度を示しているものの、本格的な取り組みには至っていないケースが多いようです。

MDM市場につきましては、下記の記事でもご紹介しております。

マスターデータ管理(MDM)のメリット

マスターデータ管理(MDM)を実施することによって得られる3つのメリットをご紹介します。

顧客情報の管理

企業では、業務効率化のため、それぞれの部署で業務に最適なシステムを導入していることが多い傾向があります。マスターデータ管理(MDM)を実施することで、各システムに個別で管理していたデータが統合されます。それぞれの顧客情報を横串連携させることで、精度の高い分析が可能になり、より顧客にマッチしたマーケティング活動や営業活動を行えるようになる点がメリットです。

業務の効率化と生産性の改善

信頼性があり整合性の取れた高い品質のマスターデータ(MDM)を使用することで、ビジネスプロセスにおいて各部署で蓄積されたデータを共有し迅速に活用することで効率的なビジネス活動を行うことや、部署ごとに行っていた確認作業の時間を削減することで生産性を高めることが出来ます。

組織横断的なデータ分析が可能

マスターデータ管理(MDM)を採用すると、企業内で分散していたデータを一つのシステムで統合管理できるようになり、部門や拠点が異なっても同じデータを共有可能です。
経営層にとっては、より正確で信頼性の高いデータに基づく戦略的な判断がしやすくなるため、全体の運営効率と効果が向上します。

例えば、顧客データを一元管理することで、顧客の嗜好や行動パターンを網羅的に分析することが容易になります。その結果、顧客満足度を向上させる具体的な改善策を素早く打ち出すことが可能となります。

データガバナンスにつながる

データガバナンスとは、企業の保有するデータをビジネスに活用できるように、安全かつ効果的にサポートすることを指します。全社的に統制されたルールや方針を定めリスクを低減させるとともに、データを安心、安全に活用するためにも、データの統一化を図り信頼性を高めることは重要です。

データガバナンスについての詳細は、下記の記事をご確認ください。

マスターデータ管理(MDM)の課題

現在、多くの企業では、システムが分散化されています。例えば、ひとりの従業員マスタで考えた場合、入退館情報は総務部、給与情報は人事部、出張情報は経理部など、それぞれの部署のシステムで管理されていることが多いでしょう。多くの社内システムでは、各部署で業務に必要な情報のみを管理しているだけで、正確なマスターデータは何なのか、どこが管理しているのかなどが把握しづらい状況になっています。

顧客情報においても、広報部、営業部、カスタマサポート部などで情報がバラバラに管理されているため、統一性が図れていないケースが多いのが実状です。そこで、全社の観点でマスターデータを統合させて統一化を図り、情報の信頼性を高めるマスターデータ管理(MDM)が必要になってきます。

マスターデータ管理(MDM)の課題については、下記の記事でもご紹介しています。

マスターデータ管理(MDM)の進め方

マスターデータ管理(MDM)の進め方は、企業の規模・業種・ケースによって異なります。一般的な方法として、以下の3つの段階で進めるのがおすすめです。

マスターデータ管理(MDM)を行う目的を決める

まずは、マスターデータ管理(MDM)を行う目的の決定から始めます。例えば、散財しているデータを探すための時間を短縮したいなどの「業務効率化」、顧客情報の整理・統合による「データを活用した売上拡大」「様々な視点でのデータ分析によるスピーディな経営判断」、情報漏洩などの危険性を防ぐ「セキュリティ面の強化」など、企業によって行うべき目的が異なるからです。

要件を整理する

目的を定めたあとは、目的を達成するために必要な機能や達成したい目標などを明確にし、開発者へ伝えられるようにすることが大切です。

マスターデータ管理(MDM)を導入する際、目標達成に必要な機能を明確に定義することが重要です。この段階を丁寧に行うことで、MDMシステムの設計と実装が効率的に進行します。
主要な機能は以下の通りです。

  • 名寄せ、クレンジング:データの正確性と一貫性の維持
  • ワークフロー管理:実施する人やルールの適切な管理
  • データ連携機能:リアルタイムでのデータ参照や配信を可能にする

すべての機能開発作業を内製するには時間と労力が必要です。特にIT人材が不足している場合は、市場に流通している出回っているMDMツールやシステムを検討したほうがよいでしょう。
専門ツールは基本的な機能をすでに備えているため、迅速に業務フローに組み込むことが可能です。

社内にあるデータを整理する+集めるデータを決める

後に正確なデータ分析を行うためにも、目的に合ったデータを集めることから始めます。しかし、データを集めることを優先させると、データの中身が整理されていないといった問題が見過ごされてしまいがちです。古いデータや既に使えないような不要なデータを多く集めても意味がありません。不要なデータは統合した際に、混乱を招くこともあります。集めるデータは整理されていること、最新かつ正確な情報にしておくことが大切です。さらに、データの粒度やフォーマットなども揃えておくとスムーズに進めやすいでしょう。

運用プロセス

データ収集や登録プロセスの際に抜け落ちるマスタレコードに対処するために、バックエンドの運用プロセスを定義・改善する必要があります。データの品質をキープするためにも、必要な情報を運用担当者に伝えておくことが重要です。さらに、マスターデータ管理(MDM)の運用が始まった際に、各部署や業務において登録や更新といった業務の手順を統一する必要もあります。データの登録や更新方法が異なると、表記ゆれなどを起こし、複数のデータが作成されてしまうことがあるからです。マスターデータを使うための適切なルール設定やガバナンスポリシーなども忘れないように設定しましょう。運用開始後は、信頼性の高いデータを維持していくためにも定期的に見直しを図り、改善していくことも大切です。

データマネジメントについては下記を参照ください。

マスターデータ管理(MDM)を効率化して行った事例

こちらでは、実際にマスターデータ管理(MDM)を行い、効率化に成功した2つの事例をご紹介します。

三協立山株式会社様

三協アルミと立山アルミが合併して誕生した建材メーカーである三協立山株式会社様は、合併した各社が異なるメーカーのメインフレームや複数の業務システムを使用していました。個々の業務システムからデータを集計、分析しなければならなかったため、手間がかかっていたそうです。

そこで、各業務システムに分散していたデータを一元化・標準化し、データ連携ツールの「ASTERIA Warp」を使い、そこを経由しアクセスすることで、データ分析が容易になり、開発コストの削減につながったそうです。さらに、ASTERIA Warpでシステム全体が可視化できるようになり、メンテナンス性や可用性も向上しました。今後は、関連工場への生産指示や納期連絡等の情報連携にも活用されていく予定とのことです。

事例の詳細はこちらから!

日立ソリューションズ様

日立ソリューションズ様は、日立グループのシステム構築を幅広く手がけている企業です。約800社に及ぶ日立グループ企業からの顧客情報を共有化するために、情報共有基盤上で日立グループ全社が利用できるマスターとASTERIA Warpを通じて連携する仕組みを構築しました。

日立ソリューションズ様内の約3万件の顧客企業コードをキーとして、日立製作所のグループ情報共有基盤システム側のグループマスターにアクセスし、グループマスターが持つ付加情報を一体化させることが可能になりました。今後は、社内システム間の連携を強め、業務主体で利用可能な統合システムを構築していく予定とのことです。

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まとめ

情報の増加や複雑化によって、社内では複数のシステムによって情報が管理されるようになりました。しかし、全社の観点で統合させ、一貫性のあるデータとして活用することは困難です。企業の資産でもあるデータをビジネスで上手く活用していくためにも、データの一貫性や品質を確保する必要があります。

今回は、マスターデータ管理(MDM)の内容や進め方、導入事例についてご紹介しました。国内企業では、マスターデータ管理(MDM)に関して、かなり高い重要度を示しているものの、専門的な知識やコストの問題から本格的な取り組みには至っていないケースが多いようです。

ASTERIA Warpは、専門的な技術がなくても利用できるデータ連携の基盤製品で、企業内の新旧さまざまなシステムやクラウド上のデータをスムーズに連携することができます。業種や規模、用途を問わずさまざまなシーンでお使いいただけるので、ぜひご検討ください。

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