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「台帳」とは、企業における取引を記録した帳簿、あるいは基礎的な事実を記録するためのデータベースのことを指します。たとえば、取引の中の売上を集計、記録したものが「売上台帳」であり、また、顧客管理のための基礎となる属性情報や購買履歴などを記録したものは「顧客台帳」と呼ばれます。
そして、ITを利用して帳簿を管理することを総称して「台帳管理」といいます。この台帳管理を支援するツールが台帳管理システムです。
たとえば、ビジネスマンに利用率が高い業務ソフトとして、表計算ソフトの「Microsoft Excel」があります。表計算ソフトながら機能が豊富で、業種や企業規模を問わず誰でも簡単に使える手軽さから、帳票作成や台帳管理、プロセス管理など、その活用方法は多岐にわたります。Excelは、多くの企業で台帳管理ソフトとしても活用されているのです。
Excelを活用した台帳管理のメリットは次のとおりです。
ご存知のとおり、Microsoft Officeは多くの企業で広く使われているため、Excelはビジネスマンにとって使い慣れた業務ソフトということが言えます。そのため、誰でも容易に、追加費用なしで台帳管理を開始することができます。
多くのビジネスマンにとって使い慣れているため、習熟のためのコストを低減することができます。また、操作方法についての情報も豊富で、作業者が自分で調べて習熟していくことができるのもメリットといえます。
マクロや関数・数式を使いこなすことにより、分析やレポートなどの複雑な処理を組み込むこともできます。台帳管理だけでなく、業務内容に応じた処理や分析を拡張することも追加費用なしにできます。
表計算ソフトとしてのExcelの強み、得意分野は次のような業務です。
一方で、Excelはその特性上、大容量データを扱うことや複数人で同時に管理するような業務には不向きです。また、後述するExcelによる台帳管理の問題点にもあるとおり、関数などが作り込まれたExcelシートは属人性が高くなり、他の人がメンテナンスできないといったケースもあります。
Excelを活用した台帳管理には次のような問題点が指摘されています。
たとえば、「入力間違いが含まれている」ことや「情報が更新されていない」「関数が複雑で何をしているかわからない」「関数の変更や修正、機能追加が簡単にできない」などの問題です。
また、手作業での転記作業が発生するため扱うデータが増えると作業負荷が高まる点や転記ミスが生じるといった問題もあります。Excelを業務全般で使用することはかえって効率を落とす原因にもなることを理解しておきましょう。
こうしたExcelを活用した業務のメリット、デメリットを踏まえた上で、最近、「脱Excel」「活Excel」というキーワードが注目されるようになりました。
脱Excelとは、Excelで行っていた苦手分野やできないことを解決するため、Excelの利用をやめて、専門性の高い別のツールへ移行することを意味します。
これにより、データの更新や共有がリアルタイムかつ簡単に行えるようになる「情報共有の効率化」や、「データの更新・管理がしやすくなる」といったメリットが期待できます。
しかし、脱Excelを実現するためには、別のツールを導入する必要があり相当の時間とコストが必要です。また、新しいツールの習熟コストや新たな業務フローの構築といった点も考慮が必要です。
活Excelとは、Excelの良さを活かしつつも、Excelの苦手な部分を他のツールを使用することでカバーし、併用して管理していくことです。
今まで行ってきた作業を大きく変える必要がなく、脱Excelよりもコストが低減できるメリットがあります。Excelが苦手とする大容量のデータ処理、複数人による同時編集、情報のリアルタイム更新といった部分を他ツールに移行し、Excelが得意とする部分を残すことで、より効率的な運用が可能となります。
脱Excel・活Excelについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参照してください。
台帳管理業務の改善について、いきなり使い慣れたExcelを完全にやめてしまうこと(脱Excel)は困難です。そこで、Excelが得意な入力・編集はそのままに、Excelが苦手とする部分だけシステム側で自動化する「活Excel」が有効な選択肢となります。
そして、既存の業務システムとExcelをシームレスに連携し、台帳管理業務のさらなる自動化、効率化を実現するにはデータ連携ツールの活用が効果的です。
データ連携ツールは異なるシステムやサービス間のデータをリアルタイムで連携し一元管理できるツールです。既存システムを変更することなく、開発や教育コストを削減しつつ業務効率を向上させることが可能になります。
例えば、社内の各部署で使用しているシステムとExcelをデータ連携ツールを使用して連携させることで、Excelが苦手とする異なるフォーマットのデータ抽出・加工・集計といった処理をシームレスに自動化することができます。また、入力や編集機能はそのまま活用できるため、Excelの特長を活かしつつ、ファイル収集やレポート作成などの定型業務にかかる作業工数を大幅に削減することが可能です。週次や月次でExcelにデータを入力するような定期的な作業を、データ連携ツールを使用して自動化するといった活用方法が考えられます。手入力によるミスの対策になるだけでなく、複数ファイルへのデータ更新も行われるため作業工数を大幅に削減することが可能です。
市場にはさまざまな種類のデータ連携ツールが存在しますが、特におすすめなのが「ASTERIA Warp」です。ここからは、ASTERIA Warpが活Excelに役立つ理由をご紹介します。
また以下の記事では、ASTERIA WarpによるExcel業務改善事例も紹介していますので、合わせてご覧ください。
ASTERIA Warpは、アイコンをドラッグ&ドロップするだけでデータ連携の設定が可能です。プログラミングの専門的な知識が不要なノーコード開発により、業務部門の担当者が直接、迅速かつ柔軟にデータ連携を設計・実行できます。時間的な節約はもちろん、コスト削減にもつながります。
ASTERIA Warpは、Excelはもちろんのこと、100種類以上のシステムやデータベース・クラウドサービスとのデータ連携に対応しています。
上記でご紹介したツールやサービス以外にも豊富な連携先があり、自社が使用しているシステムから、データの抽出・加工・集計、そしてシステムへの再登録までの一連の流れを簡単に自動化することが可能です。
ASTERIA Warpでは、処理(機能)内容がフローで分かりやすく表示されており、システムを構築した担当者以外でも業務の流れを簡単に把握することが可能です。
例えば、システム部門に依頼しなくても、業務を把握している現場の担当者自身が自動化フローを構築し、修正を行うことができます。プログラミング知識がない業務部門の担当者でも扱いやすく、個人のスキルに依存しないため、業務フローの属人化やブラックボックス化の回避につながるでしょう。
既存のデータやノウハウを活用しながら、新たなシステムへの移行や操作教育などを必要としない「活Excel」により、台帳管理業務を効率化する方法について紹介しました。
自社の業務内容と現在の課題を照らし合わせながら、ノーコードのデータ連携ツールを活用してさらなる業務改善、改革を実現してみてはいかがでしょうか。
PM・SE・マーケティングなど多彩なバックグラウンドを持つ「データ連携」のプロフェッショナルが、専門領域を超えたチームワークで「データ活用」や「業務の自動化・効率化」をテーマにノウハウやWarp活用法などのお役立ち情報を発信していきます。
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