ハイパーオートメーションはRPAとどう違う?違いから活用されるツール・技術と事例を紹介

ハイパーオートメーションについてRPAとの違い

業務自動化を実現する概念としてRPAやハイパーオートメーションがありますが、RPAはPCで人が行っていた定型的な業務を自動化するツールであり、ハイパーオートメーションを構成する技術の1つという位置付けです。本記事では、ハイパーオートメーションとRPAの違いについて触れたうえで、ハイパーオートメーションに活用されるツールや技術などをご紹介します。

ハイパーオートメーションとRPAの違いとは

 
ハイパーオートメーションは、複数の高度なテクノロジーを組み合わせて、幅広い業務の自動化を実現する概念のことです。同じように業務の自動化を進める技術の1つにRPAがあります。RPAは、PC上でこれまで手作業で行っていた定型的な業務をロボットが自動で行うソフトウェア技術・ツールのことです。

ハイパーオートメーションやRPAについては、以下の記事で詳しく解説しています。

RPAは、後述するようにハイパーオートメーションを構成する技術の1つであり、ハイパーオートメーションとRPAには以下の違いがあります。

違い①:ハイパーオートメーションはRPAと比べ、自動化できる業務範囲が広い

RPAが自動化できるのは、基本的にはコンピュータ上で行う定型的・反復的な事務作業のみです。データの更新やリストの作成、紙からPCへの転記などが具体例ですが、RPAではこうした業務フローの一部しか自動化できません。定型的な一部業務の自動化でも業務効率化は可能であるものの、個人レベルの効率化にとどまってしまうのが現状です。

一方、ハイパーオートメーションはデータの収集から分析、レポーティングといった業務フロー全体を部門横断的に自動化します
つまり、ハイパーオートメーションは業務フロー全体の自動化RPAは局所的なプロセスの自動化という点が大きな違いです。

RPA・データ連携による業務自動化の方法については、以下の資料をご覧ください。

違い②:ハイパーオートメーションはRPAと比べ、より複雑な業務の自動化が可能

AIによる音声認識や画像認識技術などをハイパーオートメーションに組み込むことで、画像データやメール・SNSの文章、動画といった従来は人間の判断が必要だった非構造化データの処理など、より複雑な業務の自動化が可能となります。RPAではこうした非構造化データの処理は不可能であり、この点も違いの1つです。

違い③:複数の技術・システムを組み合わせて用いる

ハイパーオートメーションに活用されるツールの一部にRPAがあることからもわかるように、ハイパーオートメーションは複数の技術(サーバやセンサー、カメラなどのIoTデバイス)やアプリ・システムを組み合わせて利用します。複数のものを活用できるからこそ、業務フローの全体や個々の複雑な業務に対応できるともいえます。

近年はRPAでもローコード開発機能を搭載したものが登場していますが、ハイパーオートメーションに比べるとカバーできる技術には限りがあることは否めません。

なお、RPA単体では自動化できる業務に限界があるものの、「データ連携」(各システムのデータを直接連携すること)を行うことでシステム間の業務プロセスを連携し、数千件レベルの⼤量のデータ処理や複雑なデータ加工にも対応できるようになります。

データ連携については以下の記事で解説しています。

また、RPAやデータ連携を包含する概念を「業務自動化」と呼びます。業務自動化はハイパーオートメーションの土台となる基礎知識であり、以下の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

ハイパーオートメーションで活用されるツール・技術

では、ハイパーオートメーションで活用されるツールや技術にはどのようなものがあるのでしょうか。以下で代表的なものを6つ紹介します。

RPA

先述の通り、ソフトウェアロボットを活用した業務自動化技術のことです。画⾯操作の手順を記録して、再⽣することでこれまで人が行っていたPCの操作を⾃動化します。定型的な反復業務、ルーティンワークの自動化を得意としています。

以下のコンテンツでは、RPAツールとデータ連携ツールを併用し業務効率化を実現した事例について解説しています。

AI(人工知能)

artificial intelligenceの略であり、人間の脳の働きをコンピュータによって人工的に模倣・再現する技術のことです。膨大なパターンやデータを学習し、新たなパターンに対しても人間のように推論し解決策・解答を導きます。

AIを活用することで定量的なデータだけでなく、音声や画像データ、話し言葉や書き言葉(SNSやメールなど)といった定性的な「非構造データ」を正確に分析、認識できます。

機械学習

AIを実現する技術の1つです。大量のデータを学習することでその背後にある法則やパターンを見つけ出し、高精度でタスクをこなせるようになります。

ノーコード/ローコード開発ツール

ノーコードは、ソースコードを全く書かずに開発することであり、ローコードはソースコードの記述量を最小限に抑えて開発を行うことを指します。

双方とも、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)という視覚的な操作で開発できます。ローコード開発の場合はプログラミング言語を理解している必要がありますが、ノーコードであればプログラミング言語を習得していない人でもGUIで開発を行うことができます。

ノーコード開発については、以下の記事で詳しく解説しています。

iPaaS

integration Platform as a Serviceの略で、クラウド上で複数のアプリケーションや業務システムを統合するためのクラウドサービスです。複数のクラウドサービス間でのデータのスムーズなやり取りを可能とします。また、iPaaS自体もクラウドサービスとして提供されていますので、インフラ運用を自社で実施しなくてよいというクラウドサービスとしてのメリットも得られます。

iPaaSについては、以下の記事で詳しく解説しています。

BPM

Business Process Managementの略であり、業務プロセス全体の流れを可視化し、課題を洗い出したうえで最適化・効率化するための管理手法のことです。BPMを実行するツールのことをBPMシステム(BPMS)といいます。

OCR

Optical Character Recognitionの略で、書類や画像を読み込み、記載されている情報・データを抽出するツールです。データの読み込み・入力の工程を自動化できる特徴があります。

EAI/ETL

複数のシステムやアプリケーションをまたいでデータを連携させるために必要なツールです。EAIは複数のシステムを連携させ、データやプロセスの効率的な統合を実現する仕組みであり、ETLは組織内外のデータを抽出し、用途に応じて変換したうえで格納先にデータを送出するプロセスのことです。データの連携をスピーディーかつ効率的に実現できます。

ETLやEAIについては、以下の記事で詳しく解説しています。

ハイパーオートメーションを導入した事例

本章では、ハイパーオートメーションで活用される技術を導入し、業務効率化を実現した事例をご紹介します。

情報通信や自動車関連、環境・エネルギー、医療ヘルスケアなどの分野でグローバルにビジネスを展開している京セラ株式会社では、従来、ExcelやAccessを活用した各拠点独自のシステムで設計・製造データを管理・運用しており、拠点間での情報管理やデータ統合がスムーズにできないことが課題でした。

そこで、ハイパーオートメーションの土台であるデータ連携の基盤を構築する必要性を感じ、ノーコードでのシステム連携基盤の構築やデータ統合が可能なデータ連携ツールを導入。これにより、全社基幹システムと拠点横断情報集約データベースを統合した「統合データベース」やスケジュール実行機能、RPAツールと連携したデータ自動連携基盤を、プログラミング経験のない社員でもノーコードで開発できるようになり、年間約1,400時間相当の業務工数の削減に成功しました。

この事例におけるデータ連携で活用されているツールが「ASTERIA Warp」です。ASTERIA Warp は、ノーコードで設計開発を行うことで様々なシステムやサービスと連携でき、業務の⾃動化・効率化やデータの活⽤を実現します。

以下の資料では、ASTERIA Warpを活用した代表的な事例をまとめていますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。



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