Microsoft Accessはバージョンごとにサポート期限が設定されており、最新のAccess 2024も2029年10月にはサポートが終了します。
サポートが切れたまま使用を続けると、情報漏洩やデータの改ざんといった深刻なトラブルに発展するかもしれません。
本記事では、Accessのサポート終了スケジュールや、使い続けることで生じるリスクをご紹介します。
また、Accessから移行して業務効率を向上させた成功事例も取り上げています。「どうやって移行すればいいのかわからない」とお悩みの方は、是非最後までご覧ください。
Microsoft Accessでは、2種類のサポートを設けています。
「メインストリームサポート」は新機能の追加や仕様変更、更新プログラムが提供される期間、「延長サポート」はセキュリティアップデートのみが無償提供される期間です。
以下に、Microsoft Accessの主なバージョンとサポート期間をまとめました。
バージョン | メインストリームサポート終了日 | 延長サポート終了日 |
---|---|---|
Access 2013 | 2018年4月10日 | 2023年4月11日 |
Access 2016 | 2020年10月13日 | 2025年10月14日 |
Access 2019 | 2023年10月10日 | 2025年10月14日 |
Access 2021 | 2026年10月13日 | なし |
Access 2024 | 2029年10月9日 | なし |
Access 2019よりも古いバージョンは既にメインストリームサポートが終了しており、最新バージョンであるAccess 2024も2029年10月9日に終了する予定です。また、現状Access 2021とAccess 2024には延長サポートが設けられていないため、特に注意が必要です。
Microsoft Accessはサポートが終了した後も利用可能ですが、動作するからといって安心は禁物です。
ここからは、サポートが切れたバージョンを使い続けることのデメリットをご紹介します。
サポート中のAccessでは、定期的にセキュリティアップデートやパッチが提供され、システムやデータの安全性が確保されています。
しかし、サポート終了後のバージョンではこうした保護が一切なくなり、マルウェア感染や不正アクセスのリスクが大幅に高まります。万が一システム停止やデータの改ざん、機密情報の漏えいなどが発生してしまえば、自社だけでなく顧客や取引先にまで重大な被害を及ぼす可能性も十分考えられるでしょう。
サポート期間中のAccessでは、拡張機能や操作性の改善、パフォーマンス向上が随時行われており、効率的で使いやすいアプリケーションの開発が可能です。
しかし、メインストリームサポートが終了したバージョンでは新機能の提供が停止し、最新技術の恩恵を受けられなくなります。
サポート中のAccessでは、新しいOSやほかのMicrosoft製品との互換性が保証されているため、システム間の連携がスムーズに行えます。
しかし、サポート終了後は互換性が保証されません。新しいOSやハードウェアに対応できず、システムの導入やアップグレードが困難になるでしょう。
さらに、既存システムとの連携が崩れ、業務効率の低下やトラブル発生の原因になる可能性が高まります。
サポート終了後は、Microsoftからの公式サポートを受けることができなくなります。
問題が発生した際には自力で解決しなければならず、トラブル対応に多くの時間やコストを費やすことになるでしょう。ほかの業務に悪影響を与え、全体の業務効率が低下し、スケジュールの遅延を引き起こす恐れがあります。
ここからは、Microsoft Accessからの移行を成功させた4つの事例をご紹介します。
今回ご紹介する事例では、いずれも18年連続国内シェアNo.1を獲得しているデータ連携ツール「ASTERIA Warp(アステリア ワープ)」を活用しています。
ASTERIA Warpは、プログラミング不要でシステムやクラウドサービスを連携できる「データ連携ツール」です。各企業が抱えていた課題の解決方法や、どのように脱Accessを実現したのかをご紹介していきます。
ASTERIA Warpはデータ連携を簡単に構築できるツールで、Excel、kintone、Salesforce、Tableau、Office 365をはじめとする各種Microsoft製品など、対応データソースは100種類以上にのぼります。
直感的に操作ができるため、プログラミングの知識やスキルを必要とせず、誰でも簡単に連携設定が可能です。さらに、多彩なテンプレートが用意されているため、導入後すぐにAccessからの切り替えや業務の自動化を実現できます。
使いやすさで多くのユーザーから高く評価されており、ITreview Grid Award 2024 Fallの「データ連携ツール」部門で5年連続Leaderを受賞しています。
スターティアホールディングス株式会社様は、オフィス機器の販売やWebアプリケーションの開発を行い、15社のグループ企業を統括する企業です。
同社の情報システム部門では、売上データの抽出やCRM上の営業行動データ集計、さらにグループ全体から寄せられるデータの抽出・加工・集計業務をAccessを使って対応していました。
しかし、これらの業務に担当者は1日の約半分を費やしており、業務負担が大きな課題となっていました。
そこで、Accessで行っていた定型業務をASTERIA Warpに移行。具体的には「BI分析用データをERP(販売・会計システム)から抽出する日次処理」や「CRMの営業行動データを抽出・集計する月次処理」などを自動化しました。処理時間が約1/5に短縮され、大幅な業務効率向上を実現しました。
株式会社ナジコ様は、鉄道車両部品の販売や、熱交換器の設計・販売を手がける企業です。
同社では、顧客ごとに個別のシステムをAccess上で構築しており、Accessプログラムを介して基幹システムにODBC(*)接続しデータを転送する方式を採用していました。
しかし、個別プログラムの作成やAccessのバージョンアップに伴うシステム改変に多くの工数がかかるという課題を抱えていました。
*ODBC:ODBC (Open Database Connectivity) は、Microsoft Access データベースを Microsoft SQL Server などの外部データソースに接続するために使用できるプロトコルです。(Microsoft公式サイトより引用)
そこで、AccessからASTERIA Warpへのリプレースを実施します。
新たに構築した仕組みでは、顧客のサイトからダウンロードした受注データをASTERIA Warpが読み込み、基幹システムの確認用ファイルに登録。その後、目視確認を経て受注データを確定するというフローに整備することで、作業効率を大幅に向上させました。
さらに、ASTERIA Warpを活用した開発は従来のシステム開発に比べて工数が約1/3に削減され、修正作業も容易になったことで、開発・運用の負担を大幅に軽減しました。
ファイテン株式会社様は、スポーツ関連商品や健康グッズの製造・販売を行う企業です。
同社では突合参照業務をAccessで行っていましたが、Accessの実装が属人化し、処理ロジックがブラックボックス化していました。
そこでASTERIA Warpを導入し、基幹システムやkintoneとデータを連携させることにしました。データ収集から突合参照処理、さらに処理結果のExcel出力までを自動化する仕組みを構築したのです。
その結果、従来は2日間を要していた作業がわずか1時間程度で完了するようになり、大幅な工数削減と業務スピードの向上を実現しました。また、システム間のデータ連携が可視化され、運用の透明性も向上しました。
京セラ株式会社様は、ファインセラミック部品や電子部品、携帯電話、太陽光発電システムなど、多岐にわたる製品分野で事業を展開しています。
同社の機械工具事業本部では、世界9カ国に19の製造拠点を展開していますが、各拠点でExcelやAccessを使用した属人的な管理が行われていました。このため、設計・製造に関わる情報が一元化されず、不整合が頻発していました。
この問題を解決するため、まずkintoneを活用し、各現場の情報を統合データベースへ集約する仕組みを構築しました。さらに、コーポレート側で運用する基幹システムの情報も統合データベースに取り込むためにASTERIA Warp Coreを採用。これにより、拠点を横断した情報の統合を実現しました。
結果として、ExcelやAccessによるローカル管理から脱却し、すべてのデータをkintone上で一元管理する仕組みを確立しました。
Microsoft Accessのサポート期間はバージョンごとに決められており、最新バージョンのAccess 2024も2029年10月9日に終了する予定です。そのまま使い続けると、情報セキュリティリスクの増加や業務効率の低下など様々なデメリットが生じてしまいます。
ASTERIA Warpはノーコードでデータ連携を実現できるため、移行に時間をかけられない状況でも迅速にAccessからの移行が可能です。さらに、作業の自動化や属人化の解消にもつながります。
脱Accessを検討している方は、是非ASTERIA Warpの無料体験をお試しください。
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