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MDMコラム[入門編] 第1回:マスターデータとは、いったい何か

情報システム関係者にとって永遠のテーマの一つである「Master Data Management [以下、MDM] 」。それについて触れる前に、まずはマスターデータとはいったい何であるか、改めて整理してみたいと思います。

早速ですが、マスターデータと聞いて何をイメージされるでしょうか。コンピュータの奥深くにあって見えにくいもの?それは事実かもしれませんが、もう少し具体的に見てみましょう。

幅広く共有されているだろう認識を把握するため、Wikipediaで探したところ、「マスターデータ」は出てきません。そこで「マスター」で調べ直してみると出てきました。次のように定義されています。

「コンピュータでデータ処理を行なうときに、処理の基本となるデータが入っているファイルやデータベース中のデータのこと。たとえば、商品マスター(商品の基本情報)、給与マスター(給与計算のための基本情報)などがあげられる。」

平易に解釈すれば、データ処理の中枢と言えそうです。事実、昨今マスターデータと言った際に多くのIT関係者の共通認識は、この通りでしょう。

ところで、マスターデータはコンピュータでデータ処理を行う際に、新たに必要となったものでしょうか?当然ながら、そんなことはありません。(Wikipediaの上げ足を取るつもりはありません。念のため…)

マスターデータは元々、コンピュータが登場する以前から存在していました。かつて台帳で管理していた商品の基本情報は商品マスターであり、給与計算の基本情報は給与マスターそのものです。また、前述の定義で「処理の基本となるデータ」とされている部分の”処理”とは、実は業務(ビジネス)そのもの。日々の業務(ビジネス)活動は全て、マスターデータに基づいて行われてきたといっても過言ではありません。

つまり、マスターデータは「企業活動を継続する上で欠かせないもの」、「企業活動を通じて多大なコストをかけて積み重ねてきた最も重要な資産の一つ」なのです。この点は今も昔も皆さんが認識されているとおりでしょう。

今では「コンピュータの奥深くにあって見えにくい」状況にあるかもしれませんが、皆さんの会社にも商品マスターや給与マスターなど、色々なマスターデータが存在します。そして、それらのマスターデータは各社がそれぞれのビジネスに合わせて最適化して積み重ねてきたものなので、その内容(種類、内容)は各社各様に定義されています。

呼び方だけを見ても、顧客の基本情報をA社では「顧客マスター」と呼び、B社では「得意先マスター」と呼びます。さらに中身にまで踏み込むと、「顧客マスター」あるいは「得意先マスター」で管理している情報の内容が全く異なります。例えば、A社では個人顧客がビジネス対象であるため、名前や住所だけでなく「生年月日」「年齢」「性別」などがマスターデータで管理されるのに対し、B社は法人顧客がビジネス対象であるため「資本金」「売上高」「社員数」といった項目が管理されるようにデータ自体の質が異なることが見てとれます。

種類や内容こそ違うが、昔から基本情報の管理を当たり前のようにやってきている。どうして今になってMDMに改めて注目しなければならないのか。そのことを簡単に理解するには、情報システムの発展の経緯を知ることが欠かせません。第2回では、その点を踏まえながら、現状を詳しく探っていきます。

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