2026年4月29日
設立10周年を迎えたBCCCのカンファレンス「BCCC Collaborative Day」に編集部が潜入! 「Web3の社会実装」をテーマに開催された各セッションの様子をレポートしました。新しい時代を支えるインフラへと進化しようとする、ブロックチェーンの現在地とは?
こんにちは、in.LIVE 編集部です。2026年4月21日、日本橋・室町三井ホールにて開催された「第9回 BCCC Collaborative Day」に参加してきました!
アステリアが設立から深く関わっている一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)も、今年でついに発足10周年。会場は、これからのWeb3社会実装への期待感で、熱気に包まれていました。
基調講演やパネルディスカッションなど、当日のハイライトをレポートします!
冒頭、BCCC代表理事でありアステリアの代表でもある平野 洋一郎がステージに立ちました。
2016年、わずか34社でスタートしたBCCC。平野は、10年前の設立時に掲げた「ニュートラルであること」「グローバル連携」「反社会的勢力の排除」という理念を改めて強調しました。
「10年かけて技術が揃い、法律・会計・税制も整ってきました。そして世界有数の金融機関や市場からブロックチェーン分野に資金が流入する状況になっています。いよいよ新しい時代の入り口に立っています」という力強い開会宣言。会場の期待感を一気に高めました。
各セッションでは、政策・税制・実務の各視点から、今の日本に欠かせない議論が展開されました。
2024年3月31日に成立した税制改正により、特定暗号資産の国内取引について申告分離課税が導入されることが話題となっています。
この分離課税導入の背景やメリット、課題やデメリットなどについて、衆議院議員である井林 たつのり氏、八木橋 泰仁 氏(税理士法人ファシオ・コンサルティング 代表/税理士)、村上 裕一 氏(村上裕一公認会計士事務所 所長/税理士)、荒澤 文寛(BCCC DeFi部会長/エックスウィン株式会社 代表取締役)の4人でのパネルディスカッションが行われました。
会場からも多くの質問が寄せられており、注目度の高さが感じられたディスカッション。自民党税制調査会のインナーを務める井林氏は、今回の改正が実現した最大の要因として「業界がきちんとまとまったこと」を挙げました。「大きく変わる時には必ず反対意見が出るが、そうしたさざ波をきちんとコントロールできたことが成功の鍵だった」とのこと。
「暗号資産も金商法になったので金融商品です。実体経済を良くするという金融の大きな機能を果たしてほしい。新しい技術だからトライするという世界から、実体経済にどう働きかけるかを示していただきたい」と、業界への期待も示しました。
続いて登壇されたのは、金融庁の清水 茂氏。 当局の視点から、暗号資産が金融商品取引法(金商法)へ移行する案や、3つの「支払い高度化プロジェクト(PIP)」の進捗が明かされました。
ステーブルコインとトークン化預金の国際的な動向についても、日本/米国/欧州と比較しながら紹介していただき、当局の具体的な動きに、多くの参加者が熱心に耳を傾けていました。
BCCCの理事陣(平野 洋一郎 代表理事、岡部 典孝 副代表理事、神本 侑季理事)によるセッションでは、ブロックチェーン技術がもたらす「経済圏の変革」について、踏み込んだ議論が交わされました。
2035年にはステーブルコインの取引量が27.9京円(兆を遥かに超える規模)に達するという驚くべき市場予測が提示されました。もはやWeb3は一部の流行ではなく、基幹経済インフラへと進化しつつあります。
「企業のスピードが加速する中で、銀行振込などの「お金の動き」だけが月単位で遅い現状は、日本のDXにおける最大のボトルネックです」と語る平野。20〜30年前から変わらない決済インフラを、ブロックチェーンで圧倒的に高速化することで、社会全体の生産性を劇的に変えていく――。そんな力強いビジョンが共有されました。
株式会社ネットスターズ 取締役 CFOの安達 源氏より、決済の最前線から見たステーブルコインの可能性についての講演も行われました。
QRコード決済を日本で初めて手がけ、マルチ決済ゲートウェイ「StarPay」を展開するネットスターズ社。まさに「決済のWeb2.0」を牽引してきた同社が、なぜ今クリプト(暗号資産)業界へ参入したのか。その背景と具体的な実証実験の結果が語られました。
2025年に、日本初となる、羽田空港でのUSDC決済の実証実験を実施したネットスターズ社。店舗決済におけるマルチチェーン・マルチウォレット・マルチコイン化を目指す「StarPay-X」構想 を披露し、既存の決済インフラとブロックチェーンがいかに融合し、新たなビジネスチャンスを生むのか? という具体的な社会実装の道筋が示されました。
BCCC Collaborative Day、最後のセッションを務めたのは、BCCC副代表理事/株式会社マネーパートナーズソリューションズ 代表取締役社長の小西 啓太氏と、BCCC/アステリアのエバンジェリストで、トークンエコノミー部会長の奥 達男。
Drift ProtocolやResolv Labsで起きたハッキング事件など、現在進行形で起きている業界のさまざまなニュースを「小学生でも分かる例え話」を用いて、テンポよく解説しました。
一時期の熱狂が落ち着いたNFT市場や、ブロックチェーンゲーム(Play to Earn)の現状についても言及。 「ただ流行っているから買う・遊ぶ」というフェーズは終わり、現在は「その技術にどんな本当の価値があるのか?」が問われる、健全な転換期に来ているWeb3市場。最新動向をただ追うのではなく、その裏にある構造を正しく理解することの大切さを再認識するセッションとなりました。
セッション終了後には会場内で懇親会も開催され、設立10周年を祝うとともに、業種を超えた会員企業同士の交流や登壇者への熱心な質問など、まさに「Collaborative(協調的)」な繋がりが生まれる場となりました。
一日を通して感じたのは、ブロックチェーンがもはや「未知の不思議な技術」ではなく、私たちの生活を支える「当たり前のインフラ」であり、企業にとって現実的な「業務」の選択肢になろうとしていることです。
アステリアが長年提供してきた「つなぐ」技術も、このWeb3の世界と既存のWeb2社会をスムーズに結びつけるために、今後ますます重要になっていくはず……!
今回得られた知見やネットワークを活かし、当社では今後もブロックチェーン技術の健全な普及と、企業の枠を超えた共創を支援していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!