2022年5月10日

今話題の「メタバース」ってなに? 超初心者のための徹底解説!

連日メディアで取り沙汰される「メタバース」というキーワード。その基本や市場規模予測、国内外での現状について、アステリアのブロックチェーンエバンジェリストの奥達男が初心者にも分かりやすく解説します。


in.LIVE 読者の皆さんこんにちは! アステリア株式会社で、エバンジェリストとして活動している奥です。最近、IT業界では「メタバース」という言葉が話題になっていますよね。

もともとは ”仮想世界” といった意味合いで使われることが多かったのですが、最近はメタバースを対象としたサービスが登場したり、一般企業がメタバース上で商品を販売したりと、一般の人々にとっても一度は耳にしたことのある、身近なワードになってきたように感じます。

この記事では「そもそもメタバースとは何を指すのか?」という点から、なぜここまで話題になっているのか? 国内外のメタバース関連サービスや事例、将来の可能性まで含めて、初心者にもわかりやすくご紹介していきます。

奥達男のプロフィール写真

奥 達男(おく・たつお)
アステリア株式会社ブロックチェーンエバンジェリスト・コンサルタント

ブロックチェーン技術の啓蒙及び技術適用された事業モデルの創生・推進、コンサルティング、提案、POC、技術の講義、サービス構築や他社主催セミナーへの登壇などを担う。一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)にて、トークンエコノミー部会 部会長、ブロックチェーンエバンジェリストを務める。

そもそも「メタバース」とは?

「メタバース」とは、「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語で、SF作家のニール・スティーヴンスンが1992年に発表した作品「スノウ・クラッシュ」に登場する仮想空間の名前に使われたのが、最初だと言われています。

みなさんが考えるメタバースは、下記のような3D空間を自分の分身であるアバターが自由に行き来できるようなイメージではないでしょうか?

今のところ、大方のイメージはそれで大丈夫です。

メタバースの定義としては、さまざまに定義づけされていますが、シンプルに表現すると「同時に複数人が参加可能なデジタルな3D仮想空間」。さらにそれに加えて「その3D仮想空間は、誰でも自由に作ることができる」 という特徴を持つのが「メタバース」とされています。 (他にも条件は色々とありますが、シンプルに理解するため、あえてここでは割愛します)

メタバースが注目される理由は大きく3つ

では、なぜ今「メタバース」がこれほど騒がれているのでしょうか?
ここ最近で急激に注目されるようになった要因については、大きく3つあると考えています。

①米フェイスブックが社名を「メタ(Meta)」に変更

メタバース業界は、今後10年は収益を生まないと予測しつつも、1兆ドルのビジネスチャンスがあることから、メタバース構築に注力すると、FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏が発言。社名を「Facebook」から「Meta」に変更!

この一連の動きが、ここ最近の「メタバース」というキーワードに注目が集まるきっかけとなり、メタバース関連企業の株価にも影響を与えることになりました。

②メタバースと人をつなげるVRデバイスが進化

Meta社(元Facebook)が開発し発売されているVRデバイス「Oculus Quest2」は、価格がそれまでのVRデバイスの平均価格からぐんと下がり、またデバイス自体の重量も軽く、バッテリーも長持ちするようになったことで、誰もが気軽にメタバースを体験できるようになりました。

「Oculus Quest2」は現在、VRデバイス市場のシェア7〜8割を占め、VR市場の活性化に繋がっています。

③メタバースがもたらす大きなビジネスチャンス

メタバースの技術層は下記のように多様な階層となっており、さまざまな企業に壮大な市場とビジネスチャンスをもたらすと考えられています。

引用元:https://www.cbinsights.com/research/metaverse-market-map/

わかりやすいところだと、人間とメタバースを繋ぐVRデバイスや身体の動きを感知するセンサーなどのようなハードウェアの市場、さらにメタバースの世界のデザインやデザインしたものを形にする開発、また開発するためのソフトなどプラットフォーム開発の市場、そのプラットフォームを動かすインフラの市場、メタバース上で販売されるアバター、アバターが身につけるデジタルアパレル、車や家などの売買市場、売買を決済する仕組みやサービスの市場などなど…

メタバース関連では挙げ出すとキリがないくらい多くの市場があります。大まかな市場規模予測として、大手コンサルティング会社のPwCは「2030年に1.5兆ドル規模」、暗号資産運用会社のグレースケールは「今後数年間で1兆ドル規模」、金融大手のシティ・グループは「2030年に最大13兆ドル規模」になるとの予測をそれぞれ発表している状態です。

”メタバース” にも色々ある。人気のプラットフォームは?

今、”メタバース” と呼ばれるプラットフォームが急増しています。
いわゆるメタバースとしての世界を楽しむのに多く利用されているのは「Cluster(クラスター)」、「VRChat(ブイアールチャット)」、「VketCloud(ブイケットクラウド)」、「ZEPETO(ゼペット)」、メタ社が提供する「HorizonWorlds(ホライズンワールド)」 などがあります。

現在、日本国内の日本の各携帯会社ではそれぞれ違うメタバースを推していて、例えばdocomoは「VketCloud」、auは「cluster」、ソフトバンクは「Zepeto」、「HorizonWorlds」をそれぞれ推奨しています。

さらにゲーム系のメタバースでは、「Roblox(ロブロックス)」「フォートナイト」などが有名です。これらは厳密にはメタバースとは言えないかもしれませんが、将来的にはメタバースとなり得ると業界では言われています。

またブロックチェーン技術が使われているメタバースとしては 「Decentraland(ディセントラランド)」「TheSandbox(ザ サンドボックス)」「NeosVR(ネオス ブイアール)」「Cryptvoxels(クリプトボクセル)」「SOMNIUM SPACE VR(ソムニウムスペース ブイアール)」などがあります

これらのサービスでは、土地のNFTが高値で売買されているものも複数存在しています。なおブロックチェーン系のメタバースには、土地のNFTとは別に、独自の暗号資産が流通していることが多くなっています。

まずは気軽にメタバースを体験してみよう!

百聞は一見に如かず。もしメタバースに興味を持ったら、まずは体験してみましょう!
以下の表に、各メタバースを利用するにあたって対応しているデバイスを簡単にまとめてみました。

気軽にメタバースを体験するには、スマートフォンで誰でも利用できる「cluster」がおすすめです。
「cluster」はスマホアプリなので、アプリをダウンロードすれば、自分の分身であるアバターとしてさまざまなワールド(各ユーザーが作った3D仮想空間)を歩くことができ、イベントにも参加できます。

私自身も、最初のメタバース経験として「Oculus Quest2」を購入し、Horizon Worktroomsでミーティングをしてみました。

HorizonWorkroomsを使った社内ミーティングの様子

会議室に入室する没入感と、ミーティング参加者がすぐ目の前で話している感覚がとてもよく出来ています。単なるミーティングツールなので、いわゆるメタバースとは少し違いますが、これならわざわざ出社して人が集まる必要が無いのでは? と思ってしまうほどです。

実は現在、アステリア社の一部のメンバーは「Oculus Quest2」を所有しており、社内ミーティングをHorizon Workroomsの仮想会議室で行っています。

続いてメタバースを楽しむために、「Horizon Venues」にチャレンジしてみました。
こちらはソーシャル系アプリと呼ばれていますが、自分の興味のあるさまざまなイベントに参加し、そこに参加している人々と交流ができるものです。

私は博物館に行ってみたのですが、頻繁に世界中のアバターから話しかけられます。見知らぬ海外の人との交流をアバターを通して、容易にするところにちょっとした衝撃を受けました。海外の方との交流といえば、従来のSNSでも実現はされていましたが、目の前で出会った人に声をかけられているような感覚はやはりとっても新鮮です。

引用元:https://www.oculus.com/experiences/quest/3002729676463989/?locale=ja_JP

メタバースは浸透する? 今後の可能性は?

ここ最近「メタバース」というキーワードが先行して盛り上がっているように思えますが、よく言われる映画の「レディプレイヤー1」のような世界や、マジョリティーが気軽に利用できるようになるまでは、まだまだ時間がかかるかなという予測です。

ガートナー社のハイプ・サイクル(※)風に言えば、「メタバース」という言葉が一旦このあと幻滅期を迎え、人々の間では忘れ去られたキーワードになり、そして少し時間を空けて、マジョリティーにも使いやすい形でメタバース関連のコンテンツやデバイスなどが次々とリリースされていく。そうやって時間をかけて、ようやく浸透していくのではないでしょうか。

※ガートナーのハイプ・サイクル
リサーチ企業のガートナー社が発表する図のこと。特定の技術の成熟度、採用度、社会への適用度を示す。

その未来を見据えて、メタバース市場が拡大しやすい法整備がされていくことも重要です。

メタバースが当たり前となった未来で、皆さんはどんな体験をしてみたいですか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人
奥 達男 アステリア株式会社 ブロックチェーンエバンジェリスト、コンサルタント。ブロックチェーン技術の啓蒙及び技術適用された事業モデルの創生・推進、コンサルティング、提案、POC、技術の講義、サービス構築や他社主催セミナーへの登壇などを担う。一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)にて、トークンエコノミー部会 部会長、ブロックチェーンエバンジェリストを務める。