2017年9月11日

おもちゃから見守りサービスまでアイデアは無限! 乾電池型ならではのメリットを活かしたIoT製品「MaBeee」が目指す未来とは?

乾電池型のIoT製品「MaBeee」を開発しているノバルス株式会社。子供が遊べるおもちゃの枠を超えて、教育やモニタリングなど様々な分野に技術が活かされています。どんな未来を見据えているのか?COOにお話を伺ってきました。


こんにちは!in.Live編集部の石川です。
「IoT」という言葉も浸透しはじめ、モノとインターネットが繋がることで、なんとなく便利になりそう…と、漠然と未来を思い描いている人も多いのではないでしょうか。in.Liveでも人気のテーマですが、最近では、新しいIoT製品が続々と登場し、ますます注目を集めています。

今回はそんな数あるIoT製品の中でも、ちょっと変わった形をした製品を開発されているノバルス株式会社にお話を聞きに行ってきました。

ノバルス株式会社が開発しているのは、こちら。見た目はただの乾電池ですが、実はこれ「乾電池型IoT製品」なんです。一体、どんなことができると思いますか?

その驚きの使いみちや技術の可能性について、ノバルス株式会社のCOOである立山さんにお話を伺いました。

立山 聡瑠(たてやま・さとる)さん
ノバルス株式会社COO/事業開発責任者

大学卒業後、IT系企業にて営業、マーケティング、事業企画を経験したのち2011年 ガマニアデジタルエンターテインメント(株) に入社。マネージャーとしてプラットフォーム管理、運営・アライアンス開拓を推進。2014年、 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株) に入社、ネット関連の事業開発プロデューサーとしてゲームプラットフォームやVR領域の事業企画を担当。2017年よりノバルス(株)参画。

乾電池型のIoT製品「MaBeee」でできること

本日はどうぞ、宜しくお願いいたします。
早速ですが、「乾電池型のIoT製品」ってはじめて聞きました!この製品ではどんなことができるのでしょうか。
簡単に言うと、このMaBeee(マビー)を乾電池で動く製品にセットすることで、その製品をスマホでコントロールできるようになるんです。MaBeeeは乾電池のカバーになっていて、ここに単四電池を装着することで、乾電池の形をしたIoT製品に変わるんですよ。

言葉で説明するよりも見てもらった方がイメージが湧くと思います。こちらの動画を見てください。乾電池を装着した「MaBeee」をおもちゃにセットすると、こんなふうに遊ぶことができるんです!

おお!いつものおもちゃがスマホでコントロールできるようになって子どもたちも楽しそう!既存のおもちゃにMaBeeeを入れるだけで全く異なる遊び方ができるんですね。
そうなんです。まずは、専用のアプリをダウンロードし、おもちゃに「MaBeee」を設置します。おもちゃのスイッチをオンにしてBluetoothに接続することで、スマホを振ったり、傾けたり、声で合図を出したりといった様々なアクションによって、電車のおもちゃを速く走らせたり、工作ロボットを動かしたり、おもちゃをライトアップをしたり…。子どもでも気軽に楽しめるIoT製品に変身するんですよ。
どんなおもちゃにMaBeeeを設置するか、アイデア次第で遊び方も無限に広がりますね!子供のうちからこうしたIoT製品に触れられるなんてなんだか新鮮です。
そうですね。こんな風におもちゃとIoTを掛け合わせることで、子どもたちにとってMaBeeeが人生で初めて触れるIoT製品になるのではないでしょうか。

今後、子どもたちが大人になってIoT製品が当たり前の世界になったとき「そういえば、初めて触ったIoTはMaBeeeだった!」と思い出してくれるといいですよね。

それから、このMaBeeeの特徴として、モジュールの小ささや薄さ、省電力設計があります。
今、IoTで課題とされているのが、電源をどこからとるのか?ということなんです。IoT製品を使いたいけど屋外だとそもそも電源確保が難しい…などの問題も起きているのですが、MaBeeeの場合は乾電池さえ装着できれば良いので、汎用性が高いんですよね。
なるほど!
たしかに乾電池を入れるだけであれば、電源を確保するよりも簡単で手軽ですね。
そうなんですよ。一般的にIoT製品を作る場合、新規でセンサーを組み込んだ製品を開発をして、そこにIoTの技術を組み合わせる方法が一般的なんです。ただこの場合、ユーザーの方は製品やデバイスなど一からを買い換える必要があって、初期投資も結構かかってしまうんですよね。MaBeeeのように既存の乾電池と置き換えるだけで良いとなると、コストもかからないんです。

よかったら、実際にこちらの製品で遊んでみてください!

「MaBeee」を搭載したおもちゃで実際に遊んでみた!

まずは、乾電池で動く車のおもちゃにMaBeee を1本設置し、専用アプリ「MaBeee コントロール」をお持ちのスマホにダウンロードしてみてください!
お!スマホがコントローラーになりました!
画面のボタンでこの車を動かす速さを調整ができるんですね。なんだか急にハイテクなおもちゃになった感じ…
子どもたちはこの画面だけでもうテンション上がりますよ。
スマホの画面は、子どもでも簡単に操作できるようにわかりやすさを心がけました。こちらのアプリではボタンをON/OFFしたり、ボタンをスライドさせることで、車の速さを調整できるんです。
これはすごい!子どもたちと一緒に、親も色々なアイデアを出してみたくなりますね。他にどんなおもちゃと繋げられますか?
例えば、このかぼちゃの電球だとどうでしょうか?

スマホの画面に数字が出てきて、先ほどとは違った画面になりました。
スマホを傾けてみると…
おおお!
傾きを急にすると、画面の数字が増え、ライトが明るくなりました!
そうなんです。こちらはスマホの傾きで、ライトの明るさが調整できる仕様になっています。操作も簡単なので、小さなお子様でも楽しめますよね。
ほかにもこの恐竜はスマホを傾けるだけで動くスピードを調整することができたり… スマホの操作でこんな風に2人で対戦もできるようになるんですよ!
へええ、面白い!
スマホでコントロールができるというだけで、こんなに遊び方が広がるとは思いませんでした。まだまだたくさんの遊び方や活用方法がありそうですね。

未来のものづくりに必要なのは、スピード感と相手の意図を読み取る能力

そもそもなのですが、ノバルス株式会社では、なぜ乾電池型のIoT製品を開発しようというアイデアにたどり着いたのでしょうか。
実はもともと、「電車のおもちゃを遠隔で操作したい!」というアイデアから生まれたんです。そこで、電池をワイヤレスでコントロールできないか?という想いを具現化するために、開発を重ねていきました。
当初は、弊社代表の岡部や他のメンバーが一緒になり、趣味のものづくりとしてはじまったプロジェクトなんですよ。

はじめは社内での事業化も検討したのですが、このプロジェクトを進めていくうちにだんだんと「自分たちの手で売り出したい」という想いが強くなり、自分たちで会社にしよう!と決断し立ち上げたのが今のノバルス株式会社なんです。
趣味のものづくりがきっかけで、ノバルス社が生まれたということなんですね!
御社のみなさんは、製品に対して強い情熱を持った方が多い印象ですが、なにか働き方に特徴などあるのでしょうか。
まず第一に、技術者と営業などのビジネスサイドに壁がなく、フラットな関係で仕事ができるということ。エンジニアたちの意見を積極的にビジネスに反映し、自由な発想で発案してもらったり、自主的に開発を進めてもらっています。

そしてもう一つはスピード感ですね。
試作品の依頼や、お客様の要望に合わせて開発をすることも多いので、なるべくスピード感をもって提案できるようにメンバーも意識しています。 こうしてみるのはどうかと自分の意見を言い合える環境が、こうしたスピード感につながっているのかもしれないですね。
御社の成長の背景として、このスピード感というのはやはり重要な要素なのでしょうか?
そうですね。しかし、ただ早ければいいのではなく、いかにお客様の意図を読み取れるかということを意識しています。

営業側がお客様の要求を汲み取って、”〇〇をつくってください”とエンジニアに依頼するのではなく、エンジニア自身がお客様の要求を汲み取って、仕様に落とし込む方がスピード感を持って開発ができますよね。これからのものづくりの現場では、開発側も一緒にお客様の話を聞きながら、提案できるディレクション能力が求められるのではないかと思います。

教育から見守りサービスまで、「MaBeee」の見つめる未来とは

今回はおもちゃを使用してMaBeeeを体験しましたが、今後おもちゃ以外の領域にも御社が進出される予定はあるのでしょうか。
今は事業の中心におもちゃがありますが、これからはtoB向けにも注力していこうと思っています。
例えば、2020年からはじまるプログラミング教育に向けた分野にも力を入れていく予定です。実は総務省の統計では、「デジタル上でキャラクターを動かすプログラミングよりも、リアルでモノが動く教材をつかったほうが方が学習効果が高い」と言われているんです。
そうなのですね!一口にプログラミング教育といっても、具体的な方法によって学習効果も変わるということまでは考えていませんでした。
ただリアルなものを導入すると初期投資が高く、使い方も複雑なものが多いので、教える先生に負担がかかってしまうんですよ。でも、例えばMaBeeeを理科の授業で使用している磁石や電池モーター、電球などの実験道具に装着することによって、プログラミングの授業にも使うことができたり、実はこの課題を解決するための方法はあるんです。

今後IoTの分野はますます進化し、より複雑化してくると思うんですよね。だからこそ、「IoTってこういうもので、こういうことができるよ!」ということを体感してもらう導入として、MaBeeeはとても分かりやすい製品ではないかと思っています。

あとは、教育分野の他にも「モニタリング」にも今後力を入れていこうと思っているんです。
モニタリング…?あまり想像ができないです。
具体的にどういったことができるのでしょうか。
例えば、1人暮らしの高齢者の生存確認などの「見守りサービス」です。
具体的にはMaBeeeを普段お使いのテレビのリモコンや湯沸かし器、ガスコンロなどに設置し、その電池の電圧変化を読み取って、お知らせしてくれる通知機能を考えています。

今も数多くの見守りサービスがありますが、専門機器が必要で初期投資がかかる製品が多いんですよね。あとは、見守られている側も監視カメラなどの大掛かりな装置があると、嫌がる方も結構いるんです。
たしかに!
見守りたい気持ちはわかりますが、見守られる側だとちょっと嫌かも…。
ですよね。実は、ここが見守りサービスが普及しない大きな理由なんです。
そこで弊社では、普段使用している家電製品の電池をMaBeeeに置き換えるだけで、見守られている側も普段通りの生活ができ、見守る側にも履歴が通知されるサービスを企業や自治体に提案をしているんですよ。

最終的にはこのデータが、クラウドに蓄積され、例えば生活リズムの分析なども可能にもなります。いずれ、ここで得られたデータを蓄積してビックデータ化し、提供できるようになるのではないかと開発を予定しているんです。
IoTのものづくりからクラウドまでを全てひとつの企業がおこなえるというのも、弊社の特徴です。今後はすべて一貫して提供できるような仕組みを作ろうと考えています。
乾電池型ならではのメリットはこんなところにもあるのですね!幅広い分野で活躍しそうなMaBeeeの今後が、ますます楽しみになりました!

ありがとうございます! 「IoTで革命を巻き起こす」を会社の目標に掲げているので、今後、IoTが一般化するときに業界をリードしていけるような企業に成長し、今までにない製品を作っていきたいですね。

ただの電池で終わらせず、今後は独自の視点でのものづくりや海外進出など、MaBeeeというブランドで様々に形を変えながら、IoTの分野で勝負していきたいと思っています。

乾電池型IoT製品MaBeeeが目指す未来を聞いてきた!まとめ

以上、いかがでしたでしょうか? 今回は乾電池型IoT製品MaBeeeを通じて、様々なIoTの分野へ挑戦をし続けているノバルス株式会社の立山さんにお話をお伺いしました。

今後、おもちゃの分野を超え、乾電池ならではのメリットを活かした活躍が期待されるMaBeee。製品の魅力はもちろん、社員のみなさんが情熱や自由な発想を持って、働くことのできるノバルス株式会社の働きやすい環境もとても魅力的に感じました。

ノバルス株式会社がIoT業界をリードする日も近いのではないでしょうか。今後の活躍から目が離せません。最後まで読んでいただき、有難うございました!

◎関連リンク

ノバルス株式会社 コーポレートサイト http://novars.jp/

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この記事を書いた人
石川妙子 アステリア株式会社 広報・IR室。in.Live編集部。 大学卒業後、大手銀行にて勤務。その後、自由大学の運営を経て、2015年より世界一周の新婚旅行へ。帰国後は、編集者として活動。インバウンドや農業メディアにも所属。2018年より長野を拠点に移し、東京との二拠点生活中。