2020年8月28日

話題のDXを現場主導ではじめよう! ノーコードで作成できるモバイルアプリ活用のすゝめ

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、企業が新しいデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革すること。自社内で推進する際のポイントや、ノーコードで作成できるモバイルアプリの活用でDX化に成功した事例をご紹介します。

DXをはじめよう

こんにちは! in.LIVE編集部です。最近あちこちで耳にする機会が増えた ”DX” というワード。デジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、「企業が新しいデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革すること」を指します。

自社でいかにDXを推進するか? というのはIT企業だけではなく、製造業や医療の現場など、業界や業種を問わず抱えている課題であり、その実現方法にも注目が集まっています。今回の記事では、アステリア株式会社にてエバンジェリストとして活動する著者が、”現場主導のDX” というテーマに着目して、DXに必要な要素や、現場のDX実現にあたりぜひ検討いただきたい「モバイルアプリ作成ツール」についてご紹介します。

著者プロフィール:松浦 真弓(まつうら・まゆみ)

アステリア株式会社 松浦真弓

アステリア株式会社 コミュニケーション本部 エバンジェリスト
松浦 真弓(まつうら・まゆみ)

大学卒業後、商社にて半導体のフィールドエンジニアとして勤務。3DCAD関連ソフトウェアの開発会社に転職し、製品企画、マーケティング、営業などの職務を経験。その後、IT企業にて、IoTのビジネスコミュニティ創立およびマネジメントに従事、IoTビジネスの支援やソリューション構築に携わった。2018年9月よりアステリア株式会社にて、事業開発と地域創生を推進する一方で、モバイルやクラウド、SalesTechなどの分野でエバンジェリストとして活動している。

DXとは? デジタル化との違いは? キーワードは業務プロセスの変革

DXとは、第3のプラットフォームを利用して、競争上の優位性を確立すること。“企業が生き残るための鍵はITを協力に活かせるかどうかにかかっている” ということは、経済産業省が発行するDXレポートにも定義されています。

そのためにまず必要となるのがアナログの作業にツールを導入すること、つまり「デジタイゼーション(デジタル化)」です。既存の業務の効率化や付加価値の向上を目的としたデジタル化は多くの企業が実践しているのではないでしょうか? 一方で、最近話題となっている「DX」の目的は、新規事業を創出したり、新しい価値を創造すること。

そんなDXに必要とされるのが「デジタライゼーション」です。
先ほどの「デジタイゼーション(デジタル化)」とはたったひと文字の違いですが、デジタライゼーションは、デジタル化に加えて、全体の業務プロセスを変革すること。たとえば、業務向けアプリなどを活用することで、データを活用しやすい形で集積し、企業のノウハウとしていくなどして競争力を高め、さらにビジネスプロセスを変革させることを指します。

DXの推進には「第3のプラットフォーム」がキーになります。これは、具体的には、クラウド(IaaS、PaaS、SaaS)、モバイル(スマートフォンやタブレット)、ビッグデータ(BI、MA)、さらにソーシャル(SMS)などが挙げられます。

その中でも、モバイル(スマートフォンやタブレット)の活用は、すでに自社内で導入している業務用のスマートフォンやタブレットをそのまま利用できることや、すでに操作に慣れていることから、現場の人材にとっても比較的導入しやすいツールです。

昨今の感染症対策のように、世の中の急な変化でITツールが必要になった際、会社からの支給・貸与品がない場合でも、BYOD(Bring Your Own Device)で対応できるといった点からも、モバイルの活用は、DXの第一歩として検討する価値があるのではないでしょうか。

脱・外注! ノーコードで作成できるモバイルツールで現場のDXを

DXの推進においては、日々刻々と変化する環境に対して、柔軟に、そして迅速に対応することが求められます。そのためには、ゼロから自社向けシステムを開発するために外部の開発会社に発注するのではなく、すでにある製品やサービスを上手に活用するのがおすすめです。これが「脱・外注」という考え方。

マクロな話になりますが、現在の日本におけるDX化を阻む要因として、自社のIT人材不足が挙げられます。日本では、ITエンジニアの約7割がベンダー企業に所属していて、一般的なユーザ企業のIT部門で働くケースが少ないということが要因の一つです。結果として、ユーザ企業のIT部門には担当者が一人または少数(=ひとり情シス)というような状況を招くことになり、大量の仕事をこなさなければなりません。さらに、そのIT担当者が「2025年の崖」として語られる、既存システムの運用・保守や刷新などの業務に追われてしまうと、DXのようなドラスティックな変革に取り組めないといった問題につながってしまうのです。

そこで、DXを推進する手段のひとつとして、私は ”ノーコード” (※)で作成できるモバイルアプリを自社の現場に導入することを強くおすすめしています。

※ノーコード:コードを書かずに(プログラミングなしで)アプリケーションやシステムを作成すること

たとえば製造業や医療の現場などにおいては、人が主戦力。現場の業務のことは、現場のスタッフの方々がプロフェッショナルです。今の現場で何が求められているのか、どうすれば現場の業務を改善できるのかを握っているとも言えます。

ノーコードで作成できるモバイルアプリ作成ツールなら、ITの専門知識を持つエンジニアでなくても、その現場のスタッフたち主導で、自分の担当する業務にぴったりと合ったアプリを簡単に作ることができます。自分たちで作成したアプリを積極的に業務に活用していくことができれば、現場発のDXがスタートするのです。

現場のDXに必要とされる3要素

現場は、DXのラストワンマイル。だからこそ、現場主導のDXを実現する方法を模索してみてはいかがでしょうか。

DXを成功させるために必要な「OODAループ」とは?

新型コロナウイルスの影響もあったことで、どの企業でもDXへの取り組みや検討は想像以上のスピードで進んでいます。その裏で求められるのは、経営方針の転換、市場の変化などにタイムリーに対応していくこと。試行錯誤を繰り返しながら進めていくDXでは、クイックに状況を判断し、方向づけを行い、意思決定を下して実行に移す必要があります。そのために最適なアプローチ手法「OODA(ウーダ)ループ」を紹介しましょう。

OODAループとは、アメリカ陸軍に所属するジョン・ボイド氏が提唱した意思決定と行動に関する理論です。状況を観察(Observe)し、状況を判断(Orient)、意思決定を下し(Decide)、実行に移す(Act)というプロセスで構成されます

DXには、スピーディーで柔軟なOODAループのアプローチが有効、と説明している図

よく比較されるのが、日本でもおなじみのPDCA(Plan,Do,Check,Action)ですが、こちらはもともと工場の生産性向上を目的に確立されたサイクルということもあり、計画ありき、そしてステップごとに完了する必要があるため時間がかかり、変化への対応も得意ではありません。

そこで重宝されるのが、クイックに決め、試し、改善を行う「OODA(ウーダ)ループ」です。柔軟で速く、変化に強いことや、「みる、わかる、うごく、きめる」を一方向ではなく、臨機応変に前後しながらプロジェクトを進行するため、機動力の高いシステム構築が可能になります。つまり、DX推進には最適なスキームと言えるでしょう。

ノーコードでアプリが作れたらどうなる? 京セラの場合

ここからは、実際の企業の現場に「モバイルアプリ」が導入されるとどうなるのか? という事例を簡単にご紹介します。アステリアもノーコードで開発できるモバイルアプリを提供する企業のひとつ。アステリアが提供するモバイルアプリ作成ツールの「Platio(プラティオ)」は、すでに多くの企業や団体、公共機関などに導入されています。

素材・部品から、機器・サービスまで幅広い事業をグローバルに展開するエレクトロニクスメーカー 京セラ株式会社の事例をご紹介しましょう。京セラ株式会社のある倉庫では、サッカーコート2面分以上の面積の中で、約40万点の物品を管理しています。

物品の管理に必須となるのは棚卸しです。紙の棚卸表を受け取り、物品の個数を倉庫で確認し、記入した紙を事務所に届ける従来の手法では、事務所と倉庫の移動が頻繁に発生していました。さらに、事務所では紙に記入された数値を見ながら目視でチェックを行うため、ミスが発生することも避けられなかったそう。

そんな中、新入社員がモバイルアプリの活用を提案。ノーコードでモバイルアプリが作成できる Platio(プラティオ)を導入し、現場で使える「棚卸しアプリ」を現場で作成、運用を開始しました。

京セラ様のモバイルアプリを使った棚卸し報告、を説明した図

その日の棚卸しのタスクを管理者がPlatioに登録すると、そのタスクは、倉庫にいる作業スタッフが持つスマートフォンのアプリでいつでもどこでも参照できるので、棚卸しの用紙を取りに事務所に移動する必要もなくなります。棚卸しを完了して、アプリ上で数値を報告すれば、即座に事務所でも参照できる上、在庫照合が自動化できることでミスもゼロに! こうして、これまで紙や目視といったアナログ作業で行っていた棚卸し業務は、手元のアプリで、しかもたったの3ステップで報告できるようになったそうです。

棚卸しアプリなら。3ステップで棚卸し結果を報告できる、と説明している図

京セラでの棚卸しアプリの活用は、社内でも「物流テックの第一歩」として好評を得て、この倉庫での成功例を起点にモバイルアプリ活用が各拠点にも波及したそう。さらに部門を超え、たとえば資材部門での入荷異常報告などにも適用が予定されています。

この現場での業務プロセスの改革が、DXの「はじめの一歩」と言えるでしょう。最初はひとつの倉庫での業務プロセスの効率化から。それが社内の業務プロセスを変革する動きに発展、社内の業務の効率化やコスト削減が実現されることで、リソースをDXに向けることができるようになります。こうして、積極的にDX推進に舵を切ることができるようになるのです。

100種類以上のテンプレートだから簡単! 新しい生活様式にマッチした新たなテンプレートも

これまでの話に通じますが、現場のDXにおいて大事なのは「今すぐ」改善できる仕組み。自社の業務に合った専用のアプリを作るというと、やや難しそうなイメージですが、Platioでは現場の業務に合わせた100種類以上のテンプレートが用意されています。業務報告やチェック/安全点検、アンケートなどの意見収集など、さまざまなシーンで使えるテンプレートを活用することで、より簡単に自社アプリが開発できるようになっています。

Platioのテンプレートは100種類以上

さらにPlatioでは、ウィズコロナで企業に求められる「新しい生活様式」対応で必要とされるポイントをおさえたテンプレートも新規に公開されました。毎日の検温結果などの健康管理や、テレワークやオフピーク出勤などの届け出を行う勤怠連絡、感染防止対策のチェックやメンタル面のサポートを実現する働き方相談など、新しい生活様式に対応できる機能を用意しています。それぞれに 離れた場所で働く社員が、プライバシーの問題などを気にせず利用できるため、活用する企業や団体が続々と増えています。

Platioの事例、秋田県仙北市

新型コロナウイルスの影響もあり、企業のさまざまな活動が物凄いスピードでオンラインに移行している今。これまで現場の人材頼りだったシーンにおいても、「現場のDX」からはじめの一歩を踏み出す企業が増えています。DXを推進することは、企業力を高め、競争力を強化するチャンスとも言えるのではないでしょうか。

こちらの記事でご紹介したPlatioは、こちらから詳細をご覧いただけます。https://plat.io/ja/
各社での導入事例や導入後の効果などについて、ぜひチェックしてみてくださいね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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この記事を書いた人
松浦真弓
松浦真弓 アステリア株式会社 コミュニケーション本部 エバンジェリスト。 大学卒業後、商社にて半導体のフィールドエンジニアとして勤務。3DCAD関連ソフトウェアの開発会社に転職し、製品企画、マーケティング、営業などの職務を経験。その後、IT企業にて、IoTのビジネスコミュニティ創立およびマネジメントに従事、IoTビジネスの支援やソリューション構築に携わった。2018年9月よりアステリア株式会社にて、事業開発と地域創生を推進する一方で、モバイルやクラウド、SalesTechなどの分野でエバンジェリストとして活動している。