2017年4月27日

他業種出身だからこそ、その経験がフィンテック業界で活きるかも。職歴の”空白期間”に価値を見つけるキャリアの築き方

最近、メディアでもよく耳にする「働き方」について、プロフェッショナル人材サービスを提供するみらいワークスの岡本社長に聞いてみました!日々キャリアと向き合う人事のプロが考える、これからの”日本の働き方”とは…!?


「今は、大企業でさえも潰れてしまう時代。実力のある優秀な人ほど、個人で独立をしたり、起業をしたり”新しい働き方”を選ぶ人が増えていると思います。」

そう語るのは、株式会社みらいワークス 代表取締役の岡本祥治さん。

30歳以降の自身のキャリアや人生について考えながら、日本全国47都道府県を周っていた時に、日本の地方を元気にしたい!と起業を決意したそうです。

”プロフェッショナル人材が活躍できるプラットフォーム”

を創りを始めて、今年で5年目。
そこで今回は、昨年夏にサービスを開始した、フィンテックに特化した人材サービス
Fintech Consultant. jp】のことや、個人で活躍できるプレイヤーになるためにはどんなキャリアを築いたらいいの?

といった疑問を、in.Live編集部の石川が聞いてみました!


岡本祥治(おかもと・ながはる)さん
株式会社みらいワークス代表取締役

2000年に慶応義塾大学理工学部を卒業し、グローバルで最大級のコンサルティング会社であるアクセンチュア株式会社に入社。IT、業務、戦略領域のコンサルタントとして、プロジェクトを推進。ベンチャー企業へ転職し経営企画室の責任者としてグループ会社の事業管理や新規事業立上げなどに携わった後に、2007年に起業。独立コンサルタントとして活動しつつ、多くの新規事業に挑戦・失敗を繰り返した後に、コンサルタント派遣事業を立ち上げ、年商10億円以上のビジネスへ成長させる。人事の専門家として、BS JAPAN 7chの人事バラエティ番組「人生が変わる人事の話」に出演(2017年3月で終了)。

 

“新しい働き方”をしている人たちが活躍できるプラットフォーム

 

早速ですが、「Fintech Consultant.jp」を立ち上げられた経緯をお伺いしてもよろしいでしょうか。
今から10年前、起業を決意して会社を辞めるのと同時期に日本全国を回ったんですけど、その時に「日本を元気にしたい」と思い、地方の企業向けにコンサルタントの仕事を始めました。
でも、ちょうどサブプライムが弾けて、さらに翌年はリーマンショックが起きて、コンサルティング業も世界の経済もドン底… 案の定仕事が全然なかったんですよね…。
それは、タイミングが悪いですね…。
当時30歳前後で独立したり、起業する友人や知人が周りにいる一方、時代の流れもあって、自分の力でやりたい事をなかなか実現できない人もたくさんいました。起業ってこんなに大変だったんだと思いましたね。

ただ、昔は大企業にいれば一生安泰だったかもしれないですが、今は大企業ですら潰れてしまう時代。実力がある人ほど、新しいことを始めたり、独立したり、起業したりする流れが間違いなくやって来ると思っていました。
たしかに、その流れは感じます。
今はPCひとつで仕事ができるし、一円あれば株式会社が作れちゃう時代なので、個人で戦う人が確実に増えてきているのですが、とはいえ、そのような実力のある人たちがまだ思うように活躍できていないリーマンショック後の現状がありました。

個人で戦う人たちが増えて行く流れはきっと止められないはずだと思い、この「新しい働き方」をしている人たちがもっと活躍できるようなプラットフォームを作ろうということに辿り着きました。そうすれば、もっと日本の経済が良くなるのではないかという方向性が見えましたね。

独立後になかなか事業が定まらなかった、というご自身の原体験もきっかけとなったのですね。
そうですね。あとは、コンサルタントとして依頼されていた案件の中で、自分ができない案件を友人や知人に紹介することが何度かありました。クライアントから喜んでもらえるのはもちろん嬉しいのですが、仕事を紹介した人から、「ありがとう!」と感謝されるのがすごく嬉しかったですね。

それと、あるプロジェクトで自分より優秀なコンサルタントに出会ったのも大きいです。自分が仕事をするのもいいけれど、自分より優秀なコンサルタントに、仕事を提供するのも面白いと思い、そこにやりがいや面白さ、意味を感じることができると思いました。そこで今度は、機会提供をできる側になろうと思い、サービスを始めました。

なぜ「フィンテック業界」に特化したのか?

 

そこでフィンテック業界に特化したサービスを始めようと思った理由をお伺いしてもよろしいでしょうか。
今の人材サービスを始めてから5年経つのですが、フィンテックに特化したサービスを始めたのは、昨年の夏です。

(社史を綴った、社員の方の手作りボードがありました!みらいワークス5年間の歴史がまとめられています)

以前、私自身がクレジットカードの決済などに関わるコンサルをしていたこともあって、決済関連のビジネスをしている人とのネットワークがありました。「フィンテック」という言葉もなかった時代です。
フィンテックという言葉が出来る前から関わっていたのですね。
そうですね。そのご縁で当時から、決済関連のコンサルタントを派遣することが多かったので、結果としてフィンテックの経験があるコンサルタントが増えていました。そんな中、たまたま取引先だった一社がフィンテック協会の理事長を務めることになり、その事務局の運営を任されました。

それがきっかけで、さらにフィンテック業界のネットワークが広がり、そこで必要とされる人材のニーズを掴んでいきました。それらを踏まえて、
Fintech Consultant.jp」として大々的にサービスを立ち上げた、というのがフィンテックに特化した背景です。

昔からフィンテック業界にいる方々の中では、この業界がここまで流行るとは思っていなかった人がほとんどなのでは。「フィンテック」という言葉自体、ここ最近出てきた言葉ですが、この決済というビジネス分野が楽しくて昔からやり続けてきた人が多い印象なので、10年経って時代がようやく彼らに追いついてきたのだと思っています。

フィンテック業界のコンサルティングって金融業界とは違うのでしょうか。
金融業界は古くからITを活用してビジネスが発展してきましたので、様々なビジネス分野の中でも、最もテクノロジーを活用してきた業界の一つだと思います。しかし同じテクノロジーでも、古くからある金融業界の基幹系テクノロジーと、ウェブやスマホなど新しいテクノロジーを使ったコンサルティングでは違います。

新しいテクノロジーを活用してどうやって金融を進化させるのか?ということが、フィンテックのもうひとつの本質なのではないでしょうか。そういった意味でも、フィンテックの分野はどこまででも広がっていくと思っています。
御社のサービスリリース後も、案件数の増加など、急成長している感覚はありますか?
そうですね。案件に関しては確実に増えています。ただ、実際にフィンテックのビジネスをやっている人たちではなく、これからやろうとしている人たちや現時点ではまだ情報収集をしているという人たちが多いのも事実ですね。

具体的には、フィンテックの新規事業を立ち上げるためのマーケットリサーチや、事業企画、あとはフィンテックを使って既存のビジネスモデルをどう進化させるか…というような案件が多いです。特に大企業が多い印象です。

フィンテック業界は金融出身じゃなくても活躍できる!?

 

フィンテック業界で活躍できる人材はどのようなキャリアの方なのでしょう。
金融リテラシーがあることは当然ですが、新しいことに対して、躊躇せずに飛び込んでいける方が向いていると思います。金融業界はいろいろと規則が多く、難しいカルチャーもあるので、それを理解しながらも前例がないことを進める勇気や、状況を見ながら各方面での調整ができる能力、その両方を持ち合わせた方が向いていますね。
古くからの金融業界で働く方は、なんとなく保守的なイメージがあるのですが、今社長がおっしゃった求められる人材とは相反するようにも思ってしまいます。
逆にそういう人材は、同じ業界に敵がいないのでチャンスですよ。その会社を飛び出した瞬間、手を挙げたらできることが一気に増えますから。

あとは、金融業界だけでなく、他の業界から来た人たちが活躍しやすいマーケットではないかと思っています。金融のマーケットにいると、自分たちの常識で物事を見てしまって、なかなか新しいサービスが生まれにくい現状がありますが、他業界出身者が入ることで、違う視点からのアイデアを出すことができ、新しいものが生まれやすいのです。
それは意外です!金融業界の出身者でなくても、フィンテックの分野で活躍できるケースもあるのですね。 実際、他の業界から来られる方は多いのですか?
今は、半々くらいですね。フィンテックのベンチャーを立ち上げる方は、金融出身の20代~30代半ばくらいの若い方が多い印象です。

登録者の方はどんな目的で来る方が多いのでしょう。
独立と起業が一番多いですね。あとは、過去に一度、起業・独立している方の再就職をサポートするケースも多いです。
独立するか転職するか悩んでいます!って方もいます。この前は、どうやって奥さんを説得するかなんて相談があったり、人生相談に乗ることも多いですよ(笑)。

フィンテックが広がることで金融が身近な存在に

 

最近はメディアでも「フィンテック」という言葉をよく耳にしますが、そもそもフィンテックが広がる事でわたしたちにどのような変化があるのでしょうか。
まず、フィンテックってただの流行りの言葉ではなくて、これから先もずっと定着する言葉だと思います。個人的な考え方ですが、テクノロジー云々の前に、この分野に興味を持つ人が増えるのが一番の効果だと言えるのではないでしょうか。

「金融」って、昔から誰もが知っている言葉ですが、一方で、金融の「知識」となると仕事で関わっている人以外、結構ハードルが高いと思います。でも、フィンテックという技術や言葉が広がることで、一般的な人たちにとっても、金融がもっと身近で当たり前の存在になるはずです。

たしかに、金融って専門的で難しいイメージがあります。
例えば、個人の貯金管理やおこづかい帳も、アプリになった瞬間に「フィンテック」と言えるのです。つまり、金融リテラシーのハードルを下げて、誰しも当たり前のように、金融の知識や商品を取り扱えるようになる時代がやってくるのが一番の変化だと思いますよ。
フィンテックのイノベーションは、これからますます加速していくと思いますか?
イノベーションはフィンテックに限りませんが、ひとつの定点で起こるのではなく、なんらかの別のところとの融合で起きるか、もしくは同じものを別のところに持っていくか、外界の何かとの掛け合わせによって起きることが多いと思います。

ですので、フィンテックのイノベーションも他業界との交わりをうまく使っていければより可能性が広がるのではないでしょうか。そういった意味でも、金融以外の業界から来た人たちが、活躍しやすい状況だと思いますよ。

職歴の”空白期間”にこそ価値がある

 

岡本社長は、様々な方のキャリア転換期に関わっていると思うのですが、サービスを通じて感じる”日本の働き方”についてどうお考えですか?
これはフィンテック業界だけでなく全体を通じてですが、個人で独立する方や、ベンチャー企業を立ち上げる方が増えていますよね。

一般的なキャリアの変化って、会社から会社の転職がメインだと思うのですが、これからは、転職だけではなく、独立する、ベンチャー企業を立ち上げるといった働き方も選択肢の一つとして考え、選ぶ人が増えてくると予想しています。

その中には、1年間海外に行ってから起業しますという人もいるかもしれませんし、プライベートも含めて選択肢がすごく増えていると思います。起業・独立・転職ということを、同じ土俵で選択できる世界観を作っていくことが目標です。
たしかに、独立・起業ってハードルが高いわりに、個人レベルでサポートしてくれるサービスってあまりない印象です。
そうなんです。転職エージェントってたくさんありますが、独立起業を含めて提供できるサービスってあまりないんですよ。それに、一度独立起業した人や、転職の間に会社に属していない「空白の期間」があると、面談のときに「その期間は何してたの?」なんて突っ込まれたりして、価値がないと思われているのが現状ですね。
はい、そうですね…。
でも、今の時代ってその”空白期間”にこそ価値があると思います。その期間でどんなことをしたのか、なにを得たのか、その時の経験こそが次のキャリアに活かせる場合もあると思うのですが、そこまで見てくれる人材会社って少ない。

私自身も旅行が好きで国内は47都道府県、海外は66ヵ国に行った事がありますが、長期間の旅を通じて学んだことも多いので、そこはすごくもったいないと感じています。そういった方々の次のキャリアを考えるのも我々の役目だと思います。

実は先日、52歳の方の転職を支援させてもらいました。転職先は急成長中のIoTベンチャーです。その年齢でベンチャー企業に転職するケースは少ないですが、その方が即戦力になれる能力を持っていてカルチャーがフィットしていれば、ベンチャーでも大手でも活躍できる場はあると思っています。

個人で戦えるプレイヤーになるためには “一芸に秀でる” こと

 

個人で独立や起業できるプレイヤーになるためには、どうキャリアを築いたらいいでしょうか?
一芸に秀でることですかね。ビジネスの世界でこれだったらちゃんと人からお金をもらえます!という芸を身につけること。とにかくひとつ、自信を持ってできる分野を身につける。それ以外の周りの部分はサポートしてもらう方が早いんじゃないかなと思います。


あとは、違う業界に自分が身に着けたノウハウを持って行くことでプロになれるということもありますよね。例えば、1年間ウェブのビジネスをやっている人って、ウェブ業界ではまだまだ未熟ですが、金融業界にいけばその瞬間にすごく重宝される存在になる可能性があります。
自分がどんなスキルを持って、どういった環境を選ぶのか、ということですね。
そして大切なことは、自分の一芸が陳腐化する、世の中で評価されなくなる覚悟を持ち、必要ならば今までの一芸を捨ててでも新しい芸を習得するような柔軟性を持つことです。世の中やビジネス環境の変化はどんどん早まっています。
例えばAIやロボットが発達すれば今ある仕事がロボットに置き換わり、そして新しい仕事が生まれる。自分の一芸が、いつまでも通用するとは思わないほうがいいですよね。
変化に対応できる柔軟性と覚悟ですね…。
そうですね。ただ自分がこの分野でのプロになろうと考えるには、いかにその分野が好きで興味を持てるか?という基準で決めた方がいいと思います。世の中にプロと呼ばれる方はたくさんいるので、その先を目指して頑張れるかどうかが大事ですね。自分のモチベーションって、やっぱり自分と闘うしかないです。投資対効果みたいのを考えてしまったらプロにはなれないと思っています。

最後になりますが、岡本社長の理想とする働き方について教えてください。
これは社内でもよく話していることなのですが、
ライフワークというやりたい仕事。
ライスワークという生活するための仕事。

これらが一致している人と一致していない人がいると思います。私はこのライスワークとライスワークをどう一致させるかに取り組まなければいけないと思っていますね。私自身、起業してからしばらくの間は一致していなかったのですが、自分のやりたいことや目指している方向性をブレずに持ち、ある程度のクリエイティビティや発想力を持って進んでいけば、実現できると思っています。

私たちのお客さまはもちろん、自社の社員に対してもこれを伝えていきたいですし、生涯を通じて、この課題に取り組んでいきたいですね。

みらいワークスが目指すキャリアの築き方を聞いてみた!まとめ

以上、いかがでしたか?

フィンテック業界のプロフェッショナル人材って、なんだか難しそう…。一部の優れた方たちのためのサービスなのかな?と思っていましたが、実はさまざま分野でのキャリアが活かせる!というお話を今回お伺いすることができました。

今のキャリアに悩んでいる方、職歴に空白期間がある方、独立や起業で悩んでいる方、これを読んでいるあなたにも、フィンテック業界で活躍できるチャンスや、独立・起業のチャンスがあるかもしれません。働き方に正解はありません。岡本社長のように明るく笑顔で自分らしくいられるキャリアは意外なところにあるかもしれませんね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

《関連リンク》

FreeConsultant.jp(運営:株式会社みらいワークス)
プロフェッショナル人材マッチングサービス(http://freeconsultant.jp/

■その他の運営サービス
日本のみらいのために挑戦する人を増やす会社(http://mirai-works.co.jp/
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Fintechに特化したプロフェッショナル人材のマッチングサービス 
http://fintechconsultant.jp/

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この記事を書いた人
石川妙子
石川妙子 アステリア株式会社 広報・IR室。in.Live編集部。 大学卒業後、大手銀行にて勤務。その後、自由大学の運営を経て、2015年より世界一周の新婚旅行へ。帰国後は、編集者として活動。インバウンドや農業メディアにも所属。2018年より長野を拠点に移し、東京との二拠点生活中。