スマートフォンやタブレットが普及し、手元のデバイスで情報を収集しながら、欲しいものをその場で購入できる時代だ。実店舗(オフライン)とECサイト(オンライン)、通販など欲しいものを入手できる場所が増え、消費者はSNSなどから積極的に情報を取り込みながらチャネル間を自在に回遊し、自分にとって最適な場所で購買する。一方で提供側には、それらの境目を無くした「オムニチャネル化」が求められている。
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オムニチャネルとは、あらゆる販売、流通経路をシームレスに統合し、消費者がどこからもストレスなく商品を購入できる環境を構築すること。チャネルを増やしていく多角展開をマルチチャネルと呼ぶのに対し、オムニチャネルは、全ての販売チャネルを連携させ、戦略的に顧客にアプローチすることを目的とする。
オムニチャネル戦略で最も重要なことは、全てのチャネルにおけるマスターデータやキャンペーン情報を統合し、一元管理することである。一瞬の販売機会を逃すことのないよう、外回りの営業マンや店舗・ECサイト運営者の誰もが、リアルな更新情報を照会できる仕組みを構築し、顧客にとって最適な購買体験を提供することが重要だ。また、統合されたデータを分析することにより、各チャネルにおけるマーケティング戦略にも生かすことができる。
しかし、こうした理想的な環境を整えることは、現実的には難しい。自社運営の実店舗とWebサイトレベルならまだしも、複数のECサイトやモールに出店するなど多店舗展開をしていく限り、出店先それぞれの仕様に合わせた運営を強いられるからだ。
たとえば、アパレルを例に考えてみよう。実店舗とオウンドメディアでの販売に加え、ZOZOタウンや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどにも出店する場合、それぞれのシステムで商品登録が必要だ。品番、カラー、サイズ、画像などの同一情報をいちいち登録するうえに、在庫を割り当てておかなければならない。どこかのチャネルで完売しても、別サイトにある在庫情報は共有されず、販売機会の喪失につながりかねない。アイテム数が多く回転の速い商品を扱うほど、実務に多くの時間と人手が費やされることも、オムニチャネル化の阻害要因の一つとなっている。
オムニチャネル戦略では、異なるシステム環境を超越し、同一の更新情報をリアルタイムに入手できるよう、マスターデータを1か所で管理していくことがとても重要になる。そこで役に立つのが、データ連携という手法。国内業界シェアNo.1※、データ連携ツール「ASTERIA Warp 」の活用だ。
たとえば、すでに実店舗で販売管理、在庫管理システムが稼働しているなら、それをマスターデータとして、新たな出店先のシステムで同じデータを共有できるよう、連携させることができる。異なる環境ごとにいちいち管理システムを構築したり、登録作業を行ったりするのではない。すでにあるデータと出先のシステムとを、ツールを使って連携させることで情報の共有を可能にし、リソースを有効活用できるのだ。
オムニチャネル時代に必須ともいえるこのデータ連携は、今でも専用のプログラム開発が主流である。しかし、時間やコストを考えると、変化の早いマーケットに対応するにはリスクが大きい。今やノーコード環境で、アイコンをつなげるだけで異なるシステム間のデータ連携を実現してしまうツールがあるのだから、これを活用しない手はない。
事例として、ECサイトごとに異なるフォーマットに対応するシステムをASTERIA Warpで開発。最短2日間という短期間での出店を実現することで、販売チャネルの拡大に貢献した、ベネトンジャパンの例が参考になるだろう。
ハイブリッド型書店サービス「honto(ホント)」を運営する大日本印刷の事例も、Webサイト、各種データベース、外部業者のシステム、ASPサービスなど、さまざまなシステムやサービスとデータベースを連携し、短期間にサービスインした好例である。
店舗の準備のために、稼働中の店舗の業務システムを止めるわけにはいかない。その点でも、稼働中のシステムはそのままに、データ連携で新たなシステム開発を進められるASTERIA Warp は、オムニチャネル戦略を進める企業の力強い味方になることだろう。
PM・SE・マーケティングなど多彩なバックグラウンドを持つ「データ連携」のプロフェッショナルが、専門領域を超えたチームワークで「データ活用」や「業務の自動化・効率化」をテーマにノウハウやWarp活用法などのお役立ち情報を発信していきます。
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