2015年の中ほどから海外だけでなく、国内の金融機関でも実装にあたっての取り組みを始めるというニュースが発表されるなど、一気に陽の目を浴びつつあるブロックチェーン技術。しかし、急速にフォーカスされてはいるものの、どのようにブロックチェーンが活用されていくのか、まだまだ不透明な部分が多いのも現実です。そこで今回はインフォテリアとテックビューロ社の提携においてインフォテリア側にて販売の指揮を執るASTERIA事業本部長の熊谷にインタビューをおこないました。
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先の平野へのインタビューでもあったかと思いますが、ブロックチェーンという技術は可能性が非常に大きいため、正しく伝えていくことが重要であると考えています。そのため、私たちとしてはテックビューロ社との合同セミナーやプロモーション活動などを通してブロックチェーン技術の可能性、実用性を市場に訴えかけていくつもりです。
また、1月からはいよいよ実証実験なども始まるため、そうした実験からのフィードバックなどもお伝えしていくことでブロックチェーン技術の可能性を感じていただくことができるのではないでしょうか。
ブロックチェーンといえば、FinTech(フィンテック:新しい技術により金融サービスに革新をもたらす動き)、すなわち、金融分野での取り組みが中心と捉えられているのが現状です。しかし、ブロックチェーンの有する、ゼロダウンタイムかつセキュアなシステムを安価で構築できる特性は、金融だけではなく、広く他の業種に応用でき、すでにそういった取り組みも続々と発表されてきています。
一方で金融機関、特に勘定系での利用については、お金という非常に神経を使う分野でもあるため、導入を実現していくためにはクリアすべき課題が多く存在します。そのためにもまずは検証環境などを使っての導入シミュレーションが必要になるだろうと考えています。
先日発表したテックビューロ社、さくらインターネット社との提携は3社の「まずは検証して可能性を感じてほしい」というひとつの意思表示だと捉えて頂ければと思います。今回さくらインターネットが用意する検証環境は1秒間あたりのスループット(データの転送量)の上限に制限を加えている以外は、今後提供予定の有償版と同様で金融機関での検証にも使用可能な水準と聞いています。
弊社としては、金融機関以外でもこの検証環境を是非利用して欲しいと考えています。現時点で想定している方法としては、小売りで活用するポイントプログラム、あるいは、ゲームなどで利用する仮想通貨といった金融に似ている業種がまず対象になるとみています。
このようなポイントプログラム、仮想通貨といったシステムの場合、データ連携の方法としてASTERIA Warpを間に接続することで、mijinとの連携が容易になるため、導入障壁が大きく下がるものと考えています。
ASTERIA Warpの大きな強みのひとつに多様なシステムとの接続を容易にするアダプターがすでに多数用意されている点を挙げることができます。わかりやすいところでRDB(リレーショナルデータベース)アダプターを例として挙げてみます。このアダプターを利用すると、「mijin」があまり得意ではないRDBとのデータのやり取りをプログラム開発することなく可能になります。つまり、企業内にすでにあるシステムと容易な連携を実現することにより、実際に企業内でブロックチェーン技術の利用を促進する事ができると考えています。
また、ASTERIA Warpにはパートナーとともに開発してきたアダプターが既に多く存在しており、今後も増やしていくための取り組みを続けていきます。すなわち、「mijin」を手軽に利用できる可能性は今後も広がっていく、ということです。
ゼロダウンタイムかつセキュアな環境を手軽に利用できる、しかも既存の仕組みともつなぐことができる、というのはASTERIA Warpならではでしょう。
直近では2月以降、さくらインターネット社、テックビューロ社と共同でセミナーを開催する予定で進めています。
今回のこの連載記事のようなウェブ上での認知向上施策も並行しておこないますが、こういった技術についてはセミナーでよりわかりやすく、目に見える形が良いと考えています。現在プログラムは準備中となりますが、ブロックチェーンを理解してもらえるものにしていく予定ですので、どうぞご期待ください。
ASTERIA Warp製品の技術情報やTips、また情報交換の場として「ADNフォーラム」をご用意しています。
アステリア製品デベロッパー同士をつなげ、技術情報の共有やちょっとしたの疑問解決の場とすることを目的としたコミュニティです。