惜しまれつつ消えたあの機能とは?今だから言える!ASTERIA Warp開発の裏歴史を振り返る<ASTERIA Warp 20th記念企画>

惜しまれつつ消えたあの機能とは?今だから言える!ASTERIA Warp開発の裏歴史を振り返る

田村プロフィール写真

田村 健
執行役員
研究開発本部長

一刀プロフィール写真

一刀 卓
研究開発本部
第1研究開発部 部長

車プロフィール写真

車 淳一
マーケティング本部
プロダクトマーケティング部
ASTERIA Warp プロダクトマネージャー

皆様の簡単な会社での役割といいますか、開発メンバーの中でもどういうところを担当されているかというのを簡単にご説明いただいてもよろしいでしょうか。

車写真

: 私、アステリアの車と申しまして、ASTERIA Warpのプロダクトマネージャー(PM)を担当しております。

ちなみに担当をされてから何年ぐらいになりますか?

: 実はですね、今期からでして、今年4月からPMを担当することになりました。

入社されたのはもっと前?

: 入社は、2012年6月25日で、実は、ASTERIA Warpのリリース日と同じ日なんです。

じゃあ10年ぐらいということですね。

: そうですね、ASTERIA Warpは20周年で、私は入社10周年です(笑)。

田村: すばらしい!

田村、一刀写真

田村: 私は研究開発本部の田村と申します。入社は、2000年の8月ですから、ASTERIA Warpの最初のバージョンR2の更に前ですね。ファーストバージョンのリリース前からずっと関わらせていただいてまして、現在はアステリアの開発の統括を行ってまして、ASTERIA Warpの開発は一刀に主に見てもらっています。

同じくらい長い方は社内にいらっしゃいますか?

田村: (一刀さんを指して)唯一(笑)。

一刀: 違います、まだまだいっぱいいます(笑)。

田村: 特に研究開発本部には社歴が長い人が多くて、社員番号一桁というメンバーが数人いるんですよ、実は。非常に離職率が低くて。

わかりました、ありがとうございます。

 

一刀写真

一刀: 私は第一研究開発部の部長をしております、一刀と申します。現在は、ASTERIA Warpの開発責任者という形になっています。田村とほぼ同じなんですが、2001年の4月に入社し、ASTERIA Warpについても同じように最初のバージョンの途中から入っているという感じですね。

21年くらいってことですね?

一刀: そうですね。

20年間で一番のASTERIA Warpの人気機能、代表的な機能はこれだっていうのは何ですか?。

田村: 人気なのはやっぱりExcelですね。Excelコンポーネントです。やっぱり未だに皆さんExcel使われていますし世間でもそうですよね。神Excelとかよく言われてますけれども(笑)。やっぱり使いやすいので、そのあたりが一番多く使われています。ASTERIA Warpのライセンスの中でも大体50%ぐらいのバンドル率ですね。

 

田村: 最近だとkintoneが、だいぶ。

一刀: そうですね。

田村: 増えてきていますね。

kintoneはちなみに、具体的にどういうデータを情報連携に使うんですか?

一刀: 連携のデータの中身自体はあまり詳しくはないんですけれども、一般的に社員や顧客のデータとか売上げのデータをサイボウズさんのkintoneのクラウド環境上に持っていて、それと他のシステムとの連携という形で使っていただいていますね。

Excelの人気の理由というのは?

田村: さっき言ったように、単純にやっぱりExcelを使われているお客様が多いというのと、あと実際にお客様のところでExcel使っていると、いろいろなシステムがあるじゃないですか。自分のところで作ったシステムもあれば、クラウドのシステム、いろいろなシステムが使われてると思うんですけれども、単純にExcelで管理しているデータをそこと連携するには、そのままだとすごく難しい。結局、見ながら手で打ってというようなことをしますよね。それだとやはりミスが起きる。そこでWarpのExcelコンポーネントを使ってしっかりミスなく自動連携するというところで、やっぱりニーズが高いのかなという風に思います。

一刀: 小規模の利用者様とか店舗さんとかでは、やはりパソコン一つとExcel、みたいなところが非常に多いんですよね。大きなデパートさんとかでもExcelを使っていたりすることも多いので、そこで全部顧客情報とかデータ管理とかをしてる場合も多くて、それを基幹システムと連携するというのが、すごくニーズが高いですね。

店舗経営型の事業者さんとかってことですね。

田村: 特にここ数年は、サブスクのASTERIA Warp Coreや、Core+などがどんどん伸びてきていて、小規模な利用用途が増えてきてます。やっぱりそういうところでExcelとの連携というのが活躍していますね。先ほど言ったkintoneとの連携についても、そういうところが主な要因になってるかなと思います。

機能に関する問い合わせとか、こういうことがExcelの機能でできないのかというお問い合わせも、そういう要望についてもExcelに関するものが一番多かったりするんですか?

: そうですね…例えばExcelに画像などを貼り付けたいというご要望とかもありまして、最近そういう機能も製品に含めて機能改善していることもあります。

20年間で1番アップデートが多かった機能についてお伺いしたいです。 事前に田村様からExcelの変遷が結構あると伺いましたが…Excelでも他の機能でももしあればお聞きできますか?

田村: はい、事前に伝えてる内容としては、Excelって結構…まあ何て言うんですかね、Microsoftのソフトウェアなので、実際にAPIとかが公開されているわけではないんですよね。で、それを取り扱うためのライブラリというのがいくつかありまして。元々は商用のライブラリを使っていたのですが、やはり性能だとかの機能改善していく上でいろいろな課題が出てきたので、もっと軽量なものとか、今使ってるものは一般的に使われてるようなライブラリを使うような形に変わってきたっていうところですかね。その辺もお客さまのニーズや要望を聞きながらアップデートしていて、Excelについては一時期、三種類のコンポーネントがあったこともあります。

一刀、田村写真

一刀: 一つはリッチな機能で、一つはシンプルなものなど、そういう形で機能を分けていたり、棲み分けしてたりしています。あと、機能強化という面では、例えば単純にExcel上のデータを取ってきたり、そこに書き込むというのが最初の頃だったんですけど、それに加えてどんどん罫線を引けるようにしたり、背景や色を付けたりとか。あとはもう、もうちょっとインテリジェンスに、キーブレイクという機能があって、例えば「東京東京東京」となっていたら二番目と三番目の「東京」を空欄にしたいとかってあるじゃないですか、表を作ると。そういう機能なんかも簡単に自動でできるようにしたり、そういう形でどんどん、お客様の要望を聞きつつ、我々がこういう形の方が使いやすいんじゃないかというのを提案する形で機能を強化しています。

田村: あとやっぱり大きく変わったのはデザイナーですかね。デザイナーというのは、いわゆる設計するためのクライアントソフトなんですけれども、今のバージョンになったのが、えーと…3ぐらい?

一刀: いや、Warp。

田村: Warpででしたっけ?

一刀: そうですね、Warp?からですね。

田村: 結構古くて、見た目もわりと古いんですけれども、ユーザーエクスペリエンスについては、どんどん進化してきています。以前はデバック実行についても、枠が動いていくだけだったんですけれども、最近だとそれがもうちょっとリッチにですね、矢印とかで実行されたところが太く色が変わったりして分かりやすくなったりだとか、そういったところでいろいろ強化してきています。やはりお客様が一番触れるところなんで。

直感的に、わかりやすく?

田村: はい、そうですね。

今のところで少し触れていただいてたんですけど、アップデートするにあたってExcelもそうですし他の面もそうでしょうけど、改善の決め手はやっぱり使っているユーザーさんが多いとか要望が多いものが、どちらかと言うと優先順位では高いですか?

一刀: 優先順位的にはそうなりますね。ただ、お客様の要望だけを受けて改善するわけではなく、こちらから打ち出したい機能などもありますので、そういうところは開発部内で揉んで、新しい機能を追加していきます。

ありがとうございます。ちょっとここからは少しビジネスチックになるかもしれないんですけれども、一番ローンチまで大変だった機能とか、仕様を決めるまで会議ですごい白熱したものとかはありますか?
事前にいただいたものですと、パイプライン?

田村: そうですね。今となってはなくなってしまった機能ではあるんですけれども、ASTERIA Warpとしてリリースする、それも15年ぐらい前ですかね?

一刀: もう15年ぐらいですね。

田村: 2006年、7年ぐらいだったんですけれども、その時にやっぱりASTERIA Warpはノーコードでずっとやってきてたんですけれども、パートナー様とかにはやっぱりプログラミングから入られてる技術者の方が多いので、どうしても要望を聞いていくとだんだん機能が細かくなっていくんですね、で、そこが分かりづらいんじゃないかということで、当時Webベースのサービスとかも増えてきていたので、そういった形でもっと単純にフローみたいなものを書けるようになるといいよね、ということでパイプラインという機能を、フローサービスとは別でバンドルして発売するっていうのがあったんですけれども、これが製品化とかで、いろいろな紆余曲折があり、、、ちょっと話していいのか…(笑)。

一刀: 話していいんじゃないですかね?

田村: 話していいのかな(笑)。

一刀: それは、うまいこと…(笑)。

田村写真

田村: 当時、本当は別の製品として売る企画だとかもありまして。最終的には一緒のエディションとしてっていう形になったんですけれども、そういったことがあったりとか。あと、開発当初は当時まだFlashとかが全盛でして、今みたいにWebのライブラリとかJavaScriptとかがリッチじゃなかったので、Flashでやるっていうのでしばらく開発してた時期があるのですが、結局パフォーマンスが出なくて、それはなくなってしましました。そういったこととかですね、色々。あと、実際に今となってはもう機能がなくなってしまって、廃版みたいな感じになってしまいました。これもちょっとやっぱりフローっていうのがあまりに、あまりにって言うんですかね、その…使われすぎてて、なかなか新しいものに慣れない。同じようなことができて、もっと簡単なんだけれども、やっぱりこう、慣れたものが皆さんやっぱり使いやすいっていうことで、ちょっとあまり浸透しなかったので、機能を外してしまったという経緯です。

一刀: 15年前ぐらいだと、やはりWebブラウザ上でリッチな動きをする、綺麗なこう、ぶにゅーんって動いたりとか、アニメーションしたりするのってFlashぐらいしかできなかったんですよ。それで試作品はできて、これ見た目すごい、いいねっていう感じになったんですけど、どんどんどんどん機能を足していくと、やっぱ重くなって。なかなか難しいんですよね、昔はね。それで結局Flash版はやめて、また一から普通のHTMLで画面を作り直す、みたいな形で作ったんですよ。その時はたしか、リリース前のイベントみたいなのがありまして…

田村: そうですね、品川の東京コンファレンスセンターだったかな。あの一番大きいところを貸し切ってですね、その当時まだノートPCとかすごく非力だったので、一番良いタワー型のPCを担いでですね、二台(笑)。しかも一台やっぱりおかしくなったら困るんで、バックアップとして二台を持ち込んで。そのためだけに一番良いやつを買ってデモをしましたね。

メディアさんとかも呼んでですか?

田村: あ、そうです、そうですもちろん。お客様、それからパートナー様にも来ていただいて、製品発表会をやったんです。

一刀: それに間に合わせるために必死になって、見せる部分だけ作ったんですけど(笑)。

結局今となっては、っていうところですね。

一刀: そうですね。すごいファンも多かった製品なんですよね。

田村: そうなんですよね。やめるっていう時に、なんでやめるの? って。結構そういう声も実は後から出てきてですね。ちょっとこう…もどかしい思いはありましたね(笑)。

一刀: こちらとしてはね、頑張って作ったんで…ちょっと残念でしたよね。

苦渋の決断でってことですね。

田村: まあいろいろな要素は今の最新版の方にも入ってきてますので、そこは。。

車写真

: 私の場合はASTERIA Warp本体の話ではないんですけれども、2016年の6月からASTERIA Warpをリリースする時に一緒にマルチセレクトオプションというのをリリースしているんですね。現在27種類となっていますが、マルチセレクトオプションというのはいろいろなクラウド環境に接続してデータを取得したり、書き込んだりすることができる製品でして、当時私が検証担当になりましたが、様々な接続先に対する知識や検証の仕組みを作るまでに結構苦労した記憶がありますね。

全てに入れる、全てそれぞれに検証しなきゃいけないっていう?

: そうですね、はい。

たくさんの機能がある中で、その機能に対して残してほしいという声と、ちょっと違うかなという声とたくさんあると思うんですけど、どういった機能を残していくかとか、どういった機能を開発していくか、選択する時の軸はどういったところにありますか?

田村: 先ほどちょっとあったように要望に答えるっていうのが一つと、我々がこれから必要になるだろうというところが大きいところかなと思ってます。要望に答えるっていうのもすごい大切なんですけれども、お客様から上がってくる声っていうのはやっぱりその現場で困っている、何て言うんですかね、ピンポイントの事象が多いんですよね。これを解決するためにこうなってほしいっていうのが、そのお客様から営業経由で上がってきたりするんですけれども、それって結局本質的な改善になってなかったりして。それを全体的にいろいろな声を拾い上げた中で、こういう機能があればもっとお客さんのエクスペリエンスが良くなるだろうっていう形で実現し、どんどん機能を拡充していくっていうところがありますね。

惜しまれつつ消えたあの機能っていうことでお伺いしたいんですけど…。シナリオとかウェブマクロとかですか…?

田村: シナリオはもう、僕が作った機能なので…惜しかった(笑)。結構リリースされてなくなった機能もあるし、そもそも実装したけど、リリースにまで至らなかったっていう機能もたくさんあるので、そういった中でやっぱり自分としては、最初に大きな機能として設計して作った、今で言うBPMというカテゴリの機能だったんですけれども。当時ちょっと早かったのかなっていうところですね。

一刀: 今逆に欲しいって言われたりすることも多いですね。

田村: そうですね、常に欲しいとは言われ続けてます。

その頃は早すぎて?

田村: そうですね、あまり使われなかったですね。

一刀: まずは処理を作るっていうのがメインで、その頃は処理と処理の連携とか、これが終わったら次これをやる、みたいなワークフローというか、ビジネスプロセスのマネジメントっていうのまでは、当時はまだあまりニーズがなかったんですね。あれは15年前とかですからね。まだ早かったかなっていうところですよね。

田村写真

田村: ウェブマクロっていうのは、これは今で言うRPAですね。まさにRPA機能なんですよ。ブラウザ上でおこなった操作をそのまま記録して、それをリプレイするっていうような機能だったんですけれども、これも当時やっぱりFlashとかが流行り始めて、なかなか単純な画面遷移だけじゃなくて、今のRPAとかだとデスクトップのいわゆるマウスポインターの動きとかまでシミュレーションしますけれども、そういったところまでは、プログラムではなかなか難しくなってきてた時期があって。なので、惜しまれつつですね、あれはね、結構まだユーザが多かったんですけれども、逆にそういうRPA的なものを作る、我々のパートナーでもいらっしゃいますけれども、そういった所と連携した方がよりお客様のためになるんじゃないかっていうことで。続けて欲しいっていう声は本当に、パイプラインよりも多かったかもしれないぐらいだったんですけれども廃版になったっていう感じですね。

一刀: 廃版になってこう、専門でやってるところはそこに任せた方が、餅は餅屋、みたいな形で(笑)。あとはそこをうまく連携するっていう方向になりましたね。

Flashの技術的な背景があったってことは、それも15年ぐらいってことですかね。

田村: そうですね、あのもうそれこそ20年前からあった機能で、それがなくなったのが10年ぐらい前ですかね。

すごい最短記録でリリースしてなくなった機能はなんですか?

一刀: いやあ…(笑)。

田村: なくなった機能ばかり聞きますね(笑)。いや、でも出したら少なくとも数年、10年以上は大体あるんじゃないですかね。さすがに、使われてる機能をすぐに無くすっていうことはできないので。

数年は?

田村: そうですね、様子を見ながらですが、やっぱりこれから流行るかなとか、使われるかなっていう機能を実装していくので。我々はやはり接続先があってナンボなので、そこをこう見極めながら作っていくんですね。なので、その中でだんだんやっぱり使われなかったねっていうものは、一部そういう風に下ろしていくっていうことはあるんですけれども。そういう意味では見極めるまでにはある程度の期間が必要になりますので、わりと長めですね。すぐになくなるっていうことはあんまりないです。

ありがとうございます。 最後にプロジェクトマネージャーの車さんの方から、ASTERIA Warpの今後の展望についてお聞かせください。

: ASTERIA Warpはこれまで、ノーコードで誰でも簡単にデータ連携ができるツールとして沢山の企業様にご利用いただいてきました。
これからは、さらに時代のニーズに寄り添い、より多くの企業様へ内製化やDX推進に貢献するツールとして成長していきたいと思っています。今後ともASTERIA Warpをよろしくお願いします。

ありがとうございます。

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