今回はデータ連携ツール 「ASTERIA Warp」を活用した業務自動化および、ノーコード開発によりプログラミング未経験者での開発を実現した、ジェピコ 寺川様からASTERIA Warpの導入から学習方法、社内教育事例などをご紹介いただきました。
目次
株式会社ジェピコ様(以下、ジェピコ)は、半導体をはじめとする電子部品の輸入販売、自社製品の開発・販売などを行っている電子部品専門商社兼メーカーです。小惑星探査機「はやぶさ」にも貢献されています!
今回講師をしてくださった管理本部 IT戦略室の寺川様はITインフラ業務を中心に担当しており、新規PC設定やサーバーの保守運用などを行っています。
2020年3月よりASTERIA Warpで業務自動化処理を開発するようになりましたが、プログラミングやシステム開発は経験なし!そこからどのようにASTERIA Warpを習得し、社内に広めていったのかを詳しくお話いただきます。
ASTERIA Warpを触り始めた当初、ASTERIA Warpの使い方もシステム開発の勉強方法もなにから手を付けてどのように学ぶべきか全くわからない状態だった、と寺川様は振り返ります。
その状況の打開策として4つのことを行いました。
とくに、ユーザー同士でコミュニケーションが取れるADN Slackやパートナーの有料サポートを多く活用し、技術力を向上。
ASTERIA Warpは使い方を学ぶ様々なサービスがあるため、プログラミング未経験でも開発を進めることができました!
つづいて業務自動化事例を紹介!
1つ目は、携帯電話料金の集計作業の自動化事例です。
毎月、通信会社から送られてくる実績明細と社内システム内の社員情報を突合して集計し、結果を支払依頼書として経理部門に送信。部門別、個人別、サービス別でも出力できるように作り込みしています。
もともと半日程かけて手作業で集計していたところ、ASTERIA Warpを使うことで自動化でき、処理時間も数分で完了するようになりました。
2つ目は販売管理データ・保険料データの月次集計業務の自動化事例です。
販売管理システムの販売データとプリンター・複合機の印刷回数を取得、集計し、出力しています。こちらは1日かけていた作業が自動化でき、処理時間も数分になりました!
他にも、社内デバイス(プリンター)使用実績データ集計や棚卸情報の抽出など様々な業務をASTERIA Warpで自動化・効率化しています。
さらに、開発するうえで苦労した点と解決策もお話いただきました。
同じ処理でも、様々な作り方が存在します。コンポーネントの種類も豊富なので、特に開発当初は似た処理を行うコンポーネントがあるとどちらを使うべきか迷うこともあり、その点が苦労されたそうです。試行錯誤して繰り返してみることも重要ですが、ADN Slackで質問すると先輩ユーザー様から回答やアドバイスをいただけてとても有意義です。
また、ASTERIA Warpにはウィザード画面で設定するだけでフローが自動生成される多様な「テンプレート」が用意されているため、テンプレートを活用して簡単にフローを作成することもできます。
ジェピコではASTERIA Warp Core+を導入しており、上位エディションのASTERIA Warp Standardと比べると一部機能に制限があります。しかしながら複数コンポーネントを組み合わせるなどして似た機能を作成することで解決できました。
フロー開発の知識がつき、業務自動化を本格的に進めていくうえで、まず必要になるのが自動化の対象となる定型業務の把握です。しかし、業務担当者はASTERIA Warpを知らないため、どのような業務改善ができるか想像できません。
そこで寺川様は自身の一から開発を学んできた経験を活かし、社内にASTERIA Warpの理解を広げるために様々な取り組みを行っています。
社内Webサイトを作成し、フロー開発方法やコンポーネントの使い方などを共有しています。また、ASTERIA Warpの概要説明や環境設定からファイル入出力やデータ加工など、よく使われる重要な機能を項目ごとにまとめてマニュアル化したものを使って社内開発者の育成にも力を入れています。
ASTERIA Warpの初期設定や開発方法、開発時のアドバイスなどのウェビナーを開催し、アーカイブ動画をAsteria道場で配信していつでも見られるようにしています。
フロー開発の疑問解決や自動化事例の紹介など、情報を共有する場を設けています。
これらによりASTERIA Warpの理解、フロー開発ノウハウを社内に展開。本当に素晴らしい取り組みですね!
これまで4か月間、3つの取り組みを中心にASTERIA Warpを社内展開していった結果、社内から様々な評価がありました。
などなど。
初心者には難しい部分がありつつも、今後の働き方を考えていくとASTERIA Warpを使った業務改善は非常に重要なことである、と同社内では広く認識されています。
社内展開は難しいけれどもメリットが大きいと感じています。今後は、システム関連携やOCR連携などにも活用の幅を広げるとともに、徐々に全社に展開し、他部門でも業務自動化・効率化が推進できるように取り組まれる予定です。
――寺川様はプログラミング未経験との事ですが、例えばマクロなども全く使われていなかったのでしょうか?
単純に四則演算するだけなど、簡単な処理であればマクロを組むこともできますが、それ以上複雑なプログラムは作成できませんでした。if文やfor文などの存在自体は知っていましたが、どう使えばいいかわからない、というレベルです。
――ASTERIA Warpの学習期間として3ヵ月間は長いように感じました。全ての機能を使いこなせるようにしたからでしょうか。習得に時間がかかる要因について教えてください。
システム連携用途で導入したのですが、その処理を作る前に試しにいくつかフローを作ることになりました。その際に具体的に自動化したい業務が考えられていなかったので、なにを勉強すればいいかが漠然としてしまったのと、自動化する業務を探す時間もかかって3か月となりました。ですので、今導入検討中で、自動化する業務が決まっている方でしたら、それに焦点を当てた勉強ができるので習得期間は短くなると思います。
――Asteria教育道場では、フローデザイナーを自由に使える環境をご用意されているのですか?
ASTERIA Warpのアカウントを1人1つ作成して、マニュアルなどを自由に試すことができる環境を作っています。
――各部門で開発を行うとのことですが野良ASTERIA Warpやサーバー負荷のリスクはどのようにお考えでしょうか?
まだASTERIA Warpの利用者も少ないので、完ぺきにルールが決まっているわけではないですが、これから全社展開する上で、開発ルールや運用ルールを決めていかなければいけないと思っています。
――ベンダーのサポートはどのような形で役に立ちましたか?
2週に1回のオンラインサポートでは開発手法やアドバイスをいただき、技術力向上につながりましたし、フロー開発中に出た疑問は随時メールで質問・解決できて助かりました。株式会社ハイマックス様のサポートを受けていましたが、とても丁寧にサポートしていただきました。
プログラミング未経験の状態で開発を始め、当初の苦労した点や解決策、実際に使ったサービスなどを詳細に解説いただきました。また、Asteria道場など社内展開に向けた様々な取り組みをご紹介いただき、ASTERIA Warpを使ってみたい・使い始めた方も、これから社内展開を進めていきたい方も発見のあるセミナーだったのではないかと思います。貴重なお話をありがとうございました!
セミナー動画はこちらからご覧いただけます。
※ASTERIA Warpデベロッパー向けオンラインコミュニティ(ADN Slack)は、アステリア製品オンラインコミュニティ(Asteria Park)に統合されました。ぜひご参加ください。今後ともアステリア製品を宜しくお願い致します。
▶ Asteria Parkに参加する
PM・SE・マーケティングなど多彩なバックグラウンドを持つ「データ連携」のプロフェッショナルが、専門領域を超えたチームワークで「データ活用」や「業務の自動化・効率化」をテーマにノウハウやWarp活用法などのお役立ち情報を発信していきます。
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アステリア製品デベロッパー同士をつなげ、技術情報の共有やちょっとしたの疑問解決の場とすることを目的としたコミュニティです。