さくらインターネット株式会社様(以下、さくらインターネット)では、営業システムや名刺管理システム、MAツールなどをシームレスに連携し営業活動を効率化&最適化したことで、半年で200件の新規営業案件の創出や年間210万円の営業事務コスト削減を実現しました。今回はその事例を元に営業&マーケティングデータを連携するときのポイントをさくらインターネット 小林様からご紹介いただきました。
目次
さくらインターネットは、レンタルサーバーサービス『さくらのレンタルサーバー』やクラウドサーバー『さくらのクラウド』など、ホスティングからハウジングまで幅広いデータセンターサービスを提供しています。
ちなみに、ASTERIA Warpの体験セミナーや体験版『手ぶら de ASTERIA Warp』で提供している環境も『さくらのクラウド』を利用しています!安定していてとても使いやすいのでオススメです!
顧客の購買活動の流れは図のように、ブランド認知から始まり、興味を持ってもらい、検討→購入へと進みます。購入後、商品(サービス)の良さを実感すると、さらに興味を持ち継続・追加購入につながっていきます。
この流れをつくりあげるためには、営業&マーケティングデータを活用し、顧客の行動段階に応じた適切なアプローチを行うことが大切です。
データ連携ツール「ASTERIA Warp」導入前、さくらインターネットでは上図のとおりデータ活用の障壁となる3つの課題がありました。
リード(=見込み客)を管理しているシステムや販売管理システム、MAツールなどが自動連携していないため、情報が分断されていたり、手動更新によるタイムラグが生じたり、それぞれ必要なデータを確認するためには手作業が発生している状況でした。
3つの課題を解決するためにASTERIA Warpを導入。上図のようなシステムを構築しました。
上図のようにkintone、Sansan、MAツール、販売管理システムなどのデータを連携することで、3つの課題を解決しました。
ASTERIA Warpを導入した結果、各システムがシームレスに連携され情報更新のタイムラグがなくなったことで、ブランド・サービスを認知した顧客に対してMAツールによる最適なコンテンツ配信で興味・関心を深めてもらい、タイムリーに営業がフォローして検討・購入につなげるという流れを作ることができました。
MAツールのリプレースにより、ASTERIA Warpの活用領域が広がりました。
移行前は、ASTERIA Warpではデータを抽出しMAツールに取り込むCSVファイルを作成する処理を行うのみで、その後の運用はMAツールベンダーと相談しながら進めていました。
移行後は、まず顧客データをDBに蓄積し、必要なデータ集計処理を加えた上でMAツールへ連携するようASTERIA Warpで自動化、MAそのものの運用についても自社内で完結するようになりました。
運用方法が大きく変わりましたが、ASTERIA Warpの開発生産性の高さによりシステム移行後もスムーズに運用を続けることができました。
現在行っているkintone、Tableau、Sansan、Marketoとの連携では、ASTERIA Warp専用アダプターによる連携だけでなく、各ベンダーが提供するREST API/Webhook、コマンドなどを状況に応じて使い分けています。様々な連携方法を知ることで対応範囲を広げることができたそうです。
最後は今回の事例のキモとなるASTERIA Warpによるkintone連携についての振り返りです。
kintoneは社内業務システムとして非常に使いやすいツールです。kintoneもASTERIA Warpもノーコードツールのため、新規開発や修正が必要な場合も迅速に対応することができます。
また、DBやExcelファイルと違い複数人でデータを共有して利活用したい場合に、kintoneにデータを集約させることで“ビューア“として活用できるのも大きなメリットとなっているそうです。
強みが多いkintoneとASTERIA Warpの組み合わせですが、弱みも存在します。
例えば、大量件数を扱う場合、RDBなどと比べるとクラウドサービスであるkintoneとの連携はパフォーマンスが低くなってしまいます。またエラーメッセージがわかりにくい、データの結合などに少し手間がかかるという点もデメリットとして挙げられます。
それらの強み、弱みを理解した上で考えるkintone×ASTERIA Warpのベストプラクティスは、「kintoneは申請業務や情報共有などの入力、参照のインターフェースとして利用し、ASTERIA Warpは分散した情報を収集・連携してkintoneに集約させる」だと考えます。さくらインターネットではこの使い方をしたところ業務にとてもマッチしました。
今後はセールスとマーケティングの分野をさらに融合させて、見込み顧客からサービスを必要とするお客様へと届ける流れ・基盤を改善していく予定です。
――Marketoを選定した理由を教えてください。
私はMarketo選定の最終決定者ではないので、あくまで個人の意見となりますが、Marketoはマーケターがルールを設定しやすい製品だと思います。以前はMAのルールをベンダと相談しながら決めていたのですが、Marketoを使ってルール設定を内製化することで、状況に応じて迅速な対応をすることができるようになりました。
――MAのルール設計は自社で行っているとのことですがルール改訂は行っているのでしょうか?改訂を行っているのであれば運用プロセスのポイントを教えていただけますか。
改訂も行っています。ポイントとしては、そのルールが有効だったかどうかが一番重要かなと思いますので、一定期間効果の計測をした後に継続するか変更するか決めて改善していっています。施策に合わせてデータ連携項目が変わることもよくあるので、ASTERIA Warpやkintoneのおかげで項目変更にも柔軟に対応できています。
――顧客データベースは、Sansanの情報を元に、kintoneで構築されているのでしょうか。社名はSansanの名刺情報の社名を元に名寄せ等されているのでしょうか。
はい、Sansanの名刺情報を元にkintoneでリード情報を管理しています。名寄せについてもその通りです。kintoneに入れた名刺情報を元に、ユーソナー株式会社(旧:株式会社ランドスケイプ)が提供するユーソナー(uSonar)を利用して、名寄せのIDや業種などを管理しています。
ASTERIA Warpで営業&マーケティングデータを融合させて顧客の行動段階に応じたアプローチを行うことの重要性や、利用している各製品・サービスと連携する際のポイントからメリットデメリットまで事例を元に詳しくお話いただきました。
マーケティング担当者やMAに興味をお持ちの方に参考になる情報が盛りだくさんだったのではないでしょうか。
より詳細な内容はセミナー動画でご覧いただけます!
Related Posts
ASTERIA Warp製品の技術情報やTips、また情報交換の場として「ADNフォーラム」をご用意しています。
アステリア製品デベロッパー同士をつなげ、技術情報の共有やちょっとしたの疑問解決の場とすることを目的としたコミュニティです。