2017年10月11日

大自然の中なら生産性もアップ!?レジャー先や故郷でのテレワークを推進するアステリアの「ふるさとテレワーク」舞台裏

アステリアの働き方の新たな試みとして、秋田県にて「ふるさとテレワーク」の実証実験を行いました。なぜこうした取り組みを行ったのか、実証実験に至るまでの経緯と今後の課題についてお伺いしました。


こんにちは!in.LIVE編集部です。
アステリア株式会社では、猛暑テレワークの制度がテレビで話題になるなど、多様な働き方を積極的に推奨しています。

今回は、テレワークの新たな試みとして秋田県にて「ふるさとテレワーク」の実証実験を行ったとお聞きし、アステリアの広報・IR室長の長沼さんにお話をお伺いしました。なぜこうした取り組みを行ったのか、実証実験に至るまでの経緯と、「ふるさとテレワーク」を行った感想や今後の働き方についてお伺いしました。

長沼 史宏(ながぬま ふみひろ) アステリア株式会社 広報・IR室長

一般社団法人ブロックチェーン推進協会、広報部会長 兼 事務局長も務める。大手製造メーカーで10年以上の広報・IR担当としてのキャリアを積んだ後にIT業界へ転身。テレワーク、LGBT、FinTechなど旬の話題に絡めたPRを通じて業界特有の難解なテーマでも“お茶の間”にリーチする話題づくりを展開。株価のパフォーマンスアップを実現するIR担当として講師を務めることも多い。

2017年1月から立ち上げた自身が主催する勉強会「広報勉強会@イフラボ」には400名以上がフォロー中。他社主催勉強会での講演や大学の講師なども精力的にこなしている。

大自然の中だからこそ、一層のクリエイティビティを発揮できる

ー 本日はよろしくお願いします!
まずはじめに「ふるさとテレワーク」の概要について簡単に教えていただけますでしょうか。

はい、猛暑テレワークや降雪テレワークなど、アステリアではどこにいても仕事ができるということを前提に、様々なテレワークを実施してきました。そこで今回は、さらに展開をさせて、仕事とレジャーや帰省を絡めたテレワークを行ってみようと考え、「ふるさとテレワーク」を実施してみました。

今回実証実験を行った、秋田県仙北市とは、以前から企業版ふるさと納税での協業を行っていて、ドローンや弊社のタブレットなどICTを活用した様々な実証実験を行ってきました。今後の活動を探るなかで、仙北市にはWifiが完備された農家民宿が多数存在していることや、インバウンドやグリーンツーリズムを広めていることをお聞きし、まずは実際に自分が実践してみようと。

個人的にも以前から、地方の空き家などの活用方法や、自然豊かな環境の中で働くことによるリフレッシュ効果、さらには働く環境を変えることでより一層のクリエイティビティを創出することなどに関心がありました。そんな中、今回ご紹介いただいた「農家民宿」にビビッとするものを感じて、まずは一度行ってみようと、今回の実証実験に至りました。。

ー ちなみに、アステリアの事業との関連性もあったのでしょうか?

そうですね。こちらの農家民宿には、インバウンドの方も多く宿泊するということでしたので、アステリアの Handbook (1,200件以上の導入実績をもつ、シェアNo.1のモバイル向けコンテンツ管理システム)による多言語コンテンツも活きるだろうと、多言語観光コンテンツを使用できるHandbookをセットしたタブレットを持参しました。
今回の訪問を利用して、仙北市内3カ所の農家民宿に配備もしてきましたよ。

ー これまでもアステリアでは「猛暑テレワーク」など様々な働き方を打ち出していましたが、今回はどのような点がこれまでのテレワーク制度と違うと感じましたか?

参照『最高気温予想が35度以上の猛暑日は「猛暑テレワーク」

やはり今までのテレワークと違う点は、自然豊かな環境でとてもリフレッシュできたところです。美味しい空気、犬や虫の鳴き声しか聞こえない環境でのテレワークは、格段に能率もよいものでした。アステリアのテレワーク制度は、通勤時のストレスを軽減しより一層のクリエイティビティを発揮することも目的としていますが、そうした面での効果も非常に大きいものだと感じましたね。

非技術者がテレワークでの業務で心がけている工夫とは

ー 技術者の在宅業務などはずいぶん増えてきたように思うのですが、長沼さんのような広報担当者のテレワークはあまり聞いたことがありません。今回秋田では、具体的にどのような業務をされたのでしょうか?

午前中は東京のオフィスや自宅でテレワークをしている同じ部署のメンバーとWeb 会議で広報・IR室の部内ミーティングを行いました。また当日は弊社株価も高騰したことから、メディアからの問い合わせも5件ほどあり、電話で対応するなど普段どおりの仕事をこなしましたね。

午後2時を過ぎると問合せが落ち着ていてきたので、たまっていたプレスリリースを執筆。言葉に詰まったら山々が連なる外の景色を眺め、風の音や虫の鳴き声に耳を傾ける。このような贅沢な環境の中でいろんな創造力が掻き立てられ、ストレスを感じることなくあっという間に終業時刻を迎えました。


ー なんて贅沢な環境…!問題なく通常業務が行えるんですね。 午前中はWeb会議をされていたとのことでしたが、テレワーク時は社員の方とはどのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか。出社時と異なる点などありますか?

通常はSlackを使ってコミュニケーションをとっていますが、打ち合わせが必要になるとWeb会議で顔を見ながら会話をするように心がけています。私は所属長でもあるので、Slackは各業務ごとにチャネルを立ち上げ、必要な情報だけが当事者とシェアできるように、余計な情報が流れないように活用方法は意識しています。

またSlackでは、全員が入っているチャネルも別途用意しておき、全体に発信したい内容はそこに流すことで、テレワーク時でも東京オフィスにいるときと同様に、コミュニケーションで不自由を感じることはありません。

一方で、機密度の高い資料は、Handbookでシェアしているので常に最新のファイルはメンバーと共有できています。

弊社ではクラウドPBX(スマートフォンが内線電話と同様に扱える)を導入しているので、オフィスにいても自宅にいても会社の固定電話にかかってきた電話を受け取ることもできますし、私の場合はがっつり集中したいときは、テレワークの方がむしろあっているような気がします。

テレワークだと通勤の負荷もないので、夏場は特にオフィスよりもテレワークの方がパフォーマンスが高い気もしています。夏場は会社に来るだけでグッタリしてしまいますからね。また、オフィスだと、急な仕事が舞い込んでくることがありますが、自宅だとしっかり集中して仕事ができる反面、ひとつのことに没頭してしまわないように注意しています。

1時間をワンユニットにして複数の仕事をバランスよくこなせるようにしたり、同僚からの連絡にはすぐに返信をするようにしたり。目の前にいない分、自分も稼働中であることをタイムリーに示すようにしています。

実証実験を通じてわかった「ふるさとテレワーク」の課題は?

ー 今回「ふるさとテレワーク」の実証実験をおこなってみて、どうでしたか?

不安もありましたが、静かな環境とWifiさえあればどこでも仕事ができることを再認識することができました。私は2泊したので、2日目は特に通勤もなく朝起きて食事をし、そのまま仕事を始めることができたので、肉体的にも非常に楽でしたね。雄大な自然に囲まれて、地元の食材を食べて生活し、静かな環境で夜もぐっすり眠れる。このような環境で、精神的にも非常に癒された2日間となりました。

まだまだ日本は「いざ鎌倉」のような、馳せ参じることが仕事のようにとらわれている古典的な文化が残っているのが課題ではないでしょうか。たしかに戦ではその場にいる必要があると思いますが、インターネットが普及した現代のビジネスシーンでは、ネットワークが繋がっていれば、どこでも働くことができるような職種はたくさんあると思います。

地方では過疎が進み、東京への一極集中は続いているような不均衡も、働く場所に柔軟性を持った就業形態を持つ会社が増えれば解消されていくように感じましたね。


ー 今回の実証実験を行ってみて、周りの反応はどうでしたか?

秋田で「ふるさとテレワーク」をしていることをSNSに投稿したら、知り合いから連絡をいただきました。彼女は、ご主人の転勤に伴い秋田に引っ越すことになり、やむなく東京の会社を退職された方なんですが、前の会社にふるさとテレワークの制度があったら、それを活用して働き続けたかったと。

社会全体がインターネットやそれを介したコミュニケーションツールの利用価値をしっかりと活用すれば、ロケーションに縛られない働き方が実現できるのでは?と思っています。そんな世の中になれば、家族や両親など大切な人の近くや、自分の好きな環境で暮らすことができ、より自分らしい生き方に繋がるのではないかと思っています。


ー 働き方によって、暮らし方も変わるというのは納得です。今まで様々な働き方を実践されている長沼さんですが、今後どのような働き方をされたいと思っていますか?

まずは今回の「ふるさとテレワーク」を、実際の自分の故郷である、岩手県の盛岡でやってみたいと感じましたね。お盆やお正月は新幹線も混むので敬遠しがちなんですが、せっかくの「ふるさとテレワーク」制度なので、今後はハイシーズンを避けて早めに帰省して、実家や近隣の図書館などで仕事をする、というのも試してみたいと思っています。

あとはレジャーと絡めたテレワークも有効だと考えています。
日本人はお盆やお正月などの休みに一斉に移動する傾向にありますが、ちょっとずらして数日間は仕事をするような働き方も積極的に実践したいですね。

アステリアの「ふるさとテレワーク」舞台裏 まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。今回は、「ふるさとテレワーク」の実証実験を行った広報・IR室長の長沼さんにお話をお伺いしました。

多様な働き方が認められつつある一方で、日本にはまだまだ働く場所に柔軟性を持つ企業は少ないのではないでしょうか。古くからの慣習や常識にとらわれずに、社員が働きやすい環境を積極的につくり続けているアステリアの取り組みはin.Liveでも引き続き、掲載していきますのでお楽しみに。

参照『<テレワーク制度>成功のカギはマネージャーの意識改革にあり!アステリアが全社テレワークを実現できるようになるまで

最後まで読んでいただき、有難うございました!

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この記事を書いた人
in.LIVE 編集部 アステリア株式会社が運営するオウンドメディア「in.LIVE(インライブ)」の編集部です。”人を感じるテクノロジー”をテーマに、最新の技術の裏側を様々な切り口でご紹介します。