2021年5月12日

今話題の「NFT」ってなに? 超初心者のための徹底解説!

連日メディアで取り沙汰される「NFT」というキーワード。今さら聞けない「NFT」の基礎や国内外のユースケースなどについて、アステリアのブロックチェーンエバンジェリストが初心者にも分かりやすく解説します。


in.LIVE 読者の皆さんこんにちは!
アステリア株式会社で、エバンジェリストとして活動している奥(@blockchaineva)です。最近、ブロックチェーン関連のトピックスとして「NFT」というキーワードが話題になっているのをご存知でしょうか?

最近では、Beeple と呼ばれるアーティストのデジタルアート作品のNFTが約75億円で落札されたニュースや、Twitter社のCEOであるジャック・ドーシー氏が、2006年に自身がつぶやいた世界で最初のツイートをNFTとしてオークションサイトに出品し、3億円超で落札されたことも大きな話題となりました。

しかし「NFT」ってそもそも何のこと? 一体なにができるものなの? と疑問が浮かぶ方も多いはず。そこで今回は、今さまざまなメディアで注目されるNFTについて、その基本的な仕組みやユースケースをやさしく解説します。

奥達男のプロフィール写真

奥 達男(おく・たつお)
アステリア株式会社ブロックチェーンエバンジェリスト・コンサルタント

ブロックチェーン技術の啓蒙及び技術適用された事業モデルの創生・推進、コンサルティング、提案、POC、技術の講義、サービス構築や他社主催セミナーへの登壇などを担う。一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)にて、トークンエコノミー部会 部会長、ブロックチェーンエバンジェリストを務める。

「NFT」とは ”代替不可トークン” のこと

そもそも「NFT」とは、”Non Fungible Token(ノンファンジブルトークン)” の頭文字をとったものです。Fungible(ファンジブル)という単語は「代替可能」という意味ですが、最初に否定を示す “Non” がついているので、日本語では「代替不可トークン」または「非代替性トークン」と説明されます。

そもそも ”トークン” って何? という方は、初心者向けに解説したこちらの動画をあわせてご覧ください。

「代替不可トークン」とは、言葉の通り、代替が効かず、唯一無二であるということ。NFTはブロックチェーンから発行されるトークンですが、発行されたNFTと同じNFTは世界に2つと存在しません。さらに、NFTは複製(コピー)ができないという特性もあります。

つまり、NFTを持っていることで、対象物を所有していること、そしてそのデータが真正性であること(偽物でないこと)も簡単に証明できるのです。

ちなみに、「NFTは暗号資産とはどう違うの?」と質問をいただくこともありますが、暗号資産は “Fungible Token(ファンジブルトークン)” です。つまり代替可能トークンであり、同じトークンが複数あります。さらに唯一無二のNFTと違って、分割して配布することができます。

例えば、現在、約1,800万枚発行されているビットコインでは、複数のビットコインを持つことも、分割して 0.XX ビットコイン持つということもできますが、NFTはたった一つだけ、分割することもできません。

NFTと暗号資産の違いを説明した表

NFTの誕生と、2017年から辿ってきた歴史

ここ最近話題になることが増えたNFTですが、もともと業界で注目され始めたのは2017年頃から。ちょうどこの時、Ethereumというブロックチェーン上に「ERC721」というNFTの規格が誕生しました。ERC721はNFTを発行・流通させるためのルールのようなもので、このルールに則ることにより、さまざまな企業や人がNFTに携われるようになります。

2017年の終わり頃、NFTを使った「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」という子猫のゲームがヒットしました。このゲームでは、子猫一匹一匹が ブロックチェーンから発行される唯一無二のトークンであり、それらを掛け合わせることで新しい子猫が生まれます。新しく生まれた子猫に希少性が認められると、マーケットプレイスで高値で取引されるのですが、とある子猫のNFTが約1,500万円で取引きされたことは、当時業界でも大きな話題となりました。

その後、2018年頃にゲームの中のアイテムにNFTを使った「MyCryptoHeroes(マイクリプトヒーローズ)」というゲームがヒットしました。このゲームは日本企業が開発したゲームですが、NFTのマーケットプレイスでは、このゲームの取引量が1位となっています。

そして2020年末、かつて「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」を開発した企業が、今度はアメリカのプロバスケットボールのハイライトシーンをNFT化した「NBA TopShot」と呼ばれるサービスを開発しました。このサービスの評判と高値で取引されるデジタルアートなどが重なり、現在のNFTブームに至っているのです。

NFTはどうやって発行されている?

さて、では一体NFTはどのように発行、紐付けされているのでしょうか?
分かりやすい具体例として、現在多くのユースケースが出てきているデジタルアート分野におけるNFTのスキームを使って説明しましょう。

そもそもブロックチェーンから発行されているNFTと、デジタルアートはそれぞれ別に存在しています。しかしそこで発行されたNFTには、デジタルアートに関するメタデータが含まれていて、これによって、該当のNFTを持っていること=デジタルアートの所有を証明するわけです。

価値が紐付けられたNFTはオークションに出品されたり、OpenSeaなどのNFTのマーケットプレイスに出品されます。

デジタルアートの事例を図で説明

有名企業や著名人も続々参入、NFTのユースケース

現在、NFTはさまざまな場面で活用されています。デジタルアートやTwitterのツイート、プロバスケットの名場面など以外にも、仮想空間の土地や住宅の権利、音楽のアルバム、高級時計の証明書、アパレルなど。

最近ではミュージシャンのミック・ジャガーさんやスポーツ選手のペレさん、大坂なおみさんなど、有名人がNFTを発行するケースも多くなっています。とにかくありとあらゆるものがNFT化され、売買されているといっても過言ではありません。

個人的な見解ですが、NFTは技術も、提供方法も、それを受ける人々もまだまだ発展途上だと感じています。一般的なソフトウェアやアプリケーションは無形ですが、動いていることが視認でき、動くことによって得られる結果に価値を感じて対価を支払っていることがほとんどですが、NFTの場合は、無形で、かつこれといった動きはありません。

さらに、NFTとデジタルアートはそれぞれ別に存在し、デジタルアートはコピーしようと思えばいくらでもできてしまう仕組みで提供されている場合もあります。

では、NFTは何なのか? と改めて疑問を持つ人も思いはず。しかし私たちはまだ「NFTという形で価値を感じる」ことに慣れていないだけではないかと思うのです。
現在のNFTの提供方法や形式が最適解というわけではなく、今後、技術や提供方法がさらにブラッシュアップされていくものだと考えられます。

現在のNFTを最終地点だと思わず、この技術の成長をぜひ見守ってほしいと思います。

今話題の「NFT」ってなに? 超初心者のための徹底解説!

以上、NFTの説明はいかがでしたか?

NFTは現在、エンターテイメント業界に関する適用が進んでいる状況かと思います。しかしNFTはさまざまな可能性を秘めていると言われており、たとえば、同じものが2つとない不動産にNFTが活用されることも考えられます。すでにゲーム上に存在する土地の所有権にNFTが活用されているという事例も。

今回はごく基礎的な解説ですが、NFTは市場が急拡大している状況で、今後もさまざまなアップデートが期待される分野です。YouTubeでは、最新のNFTやブロックチェーン関連のニュースをタイムリーに動画でお届けしていますので、興味のある方はぜひこちらもチェックしてみてくださいね。

今後も、さまざまな業種・業態におけるブロックチェーン事例をご紹介していきます。どうぞお楽しみに! 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人
奥 達男 アステリア株式会社 ブロックチェーンエバンジェリスト、コンサルタント。ブロックチェーン技術の啓蒙及び技術適用された事業モデルの創生・推進、コンサルティング、提案、POC、技術の講義、サービス構築や他社主催セミナーへの登壇などを担う。一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)にて、トークンエコノミー部会 部会長、ブロックチェーンエバンジェリストを務める。