会計、人事、営業支援、グループウェア——業務ごとに専用のSaaSを使う企業が増えました。便利な一方で、サービスが増えるほどデータが分断され、「同じ情報を何度も入力している」「どこが最新か分からない」という悩みが生まれます。これを解決するのがSaaS連携です。本記事では、SaaS連携とは何かという基本から、つなぐ方法、メリット、つまずきやすい注意点、そしてノーコードでの実現方法までを、導入事例とあわせて解説します。
目次
SaaS連携とは、複数のSaaS(クラウドサービス)同士、またはSaaSと社内システムとの間でデータを自動的にやり取りし、同期・統合する仕組みのことです。あるSaaSで発生したデータを別のSaaSや基幹システムへ流し、人手の転記を介さずに全体を最新に保ちます。たとえば名刺管理で取り込んだ情報を営業支援サービスへ、受注を会計サービスへ、と自動で流すイメージです。
SaaSは導入が手軽で、業務ごとに最適なサービスを選べるのが魅力です。しかし、各サービスはそれぞれの中にデータを抱え込みがちで、放っておくと「サイロ化」が進みます。SaaS連携は、こうしたサービスの壁を越えてデータをつなぎ、全社で活用できるようにする取り組みです。これはデータ連携やクラウド連携の中でも、クラウドサービスを軸にしたものと位置づけられます。
1社が利用するSaaSの数は年々増え、数十に及ぶことも珍しくありません。それぞれが孤立したままでは、入力の重複やデータの食い違いが増え、せっかくの情報も活かしきれません。SaaS連携は、増え続けるサービスを「点」から「線・面」へとつなぎ、業務全体を効率化する鍵になります。
また、SaaSは導入のしやすさゆえに、部門ごとに別々のサービスが入りやすいという特徴もあります。営業はA、マーケはB、経理はC、と現場主導でサービスが増えると、全社で見たときにデータがバラバラになりがちです。SaaS連携は、こうして自然に増えていくサービス群を後から束ね、全社最適へ引き戻す役割も担います。
SaaSは単体でも便利ですが、業務は複数のサービスをまたいで流れます。たとえば、マーケティングで獲得した見込み客を営業支援サービスへ引き渡し、受注を会計サービスで処理し、その実績を分析基盤で見る、という一連の流れは、複数のSaaSにまたがります。これらが連携していないと、各段階で人がデータを手入力することになり、時間もミスも増えます。
加えて、データ活用の観点でも連携は欠かせません。各SaaSに分散したデータは、つないで初めて全体像が見えます。顧客の行動、受注、サポート履歴を組み合わせて初めて、有効な施策が打てるようになります。SaaS連携は、単なる省力化にとどまらず、分断されたデータを資産として活かすための前提条件です。とくにIT専任者が少ない企業ほど、手早く確実につなげる手段が求められています。
現場主導でSaaSを使いこなす文化が根づくほど、情報システム部門がすべての連携を抱え込むのは難しくなります。そこで、現場に近い担当者がノーコードで連携を組み・直せる体制が現実的な解になります。専門のエンジニアに都度依頼していてはスピードが出ず、変化の速いSaaSの世界では機会を逃しかねません。連携を内製で回せるかどうかが、クラウド活用の成熟度を左右します。
SaaS連携で実現できる代表的なことを紹介します。いずれも「サービスをまたいでデータを最新に保つ」発想です。
CRM・SFA・会計・サポートなど、複数のSaaSに分散した顧客や取引のデータを同期し、どのサービスでも最新の情報を参照できるようにします。二重入力や情報の食い違いをなくせます。
たとえば、サポートで把握した顧客の課題を営業のSFAへ連携すれば、営業は状況を踏まえた提案ができます。逆に営業の商談状況をサポート側へ共有すれば、対応の優先度を判断できます。サービスをまたいで顧客像を共有できることが、部門連携の質を高めます。
SaaSで発生したデータを社内の基幹システムへ取り込み、逆に基幹のマスタをSaaSへ配信します。クラウドと社内システムをつなぐことで、全社のデータが一貫します。
クラウドサービスは便利でも、受発注や在庫といった根幹のデータは社内の基幹システムが握っていることが多くあります。SaaSと基幹を橋渡しできて初めて、現場のクラウド活用と全社のデータ管理が両立します。クラウドへの移行を進める企業ほど、この橋渡しの設計が重要になります。
「フォーム入力→SFA登録→通知」のように、複数サービスをまたぐ処理を自動化します。トリガーとアクションをつなぐことで、人手を介さず業務が流れるようになります。
こうした自動化は、件数が増えるほど効果が大きくなります。手作業なら担当者の工数に比例して負担が増えますが、連携で仕組み化しておけば、件数が増えても処理の流れは変わりません。繁忙期や事業拡大の局面でも、人を増やさずに対応できる体制をつくれます。
SaaS同士・SaaSと社内システムをつなぐ手法は、大きく次のように整理できます。つなぐ相手や求める鮮度に応じて選ぶことが大切です。
| 方法 | 概要 | 向き・課題 |
|---|---|---|
| iPaaS/データ連携ツール | ノーコードでSaaS同士・社内をつなぐ | 多接続・継続運用に強い |
| API個別開発 | 各SaaSのAPIで自前実装 | 自由度は高いが開発・保守の工数大 |
| 各SaaSの標準連携 | サービスが用意する連携機能 | 手軽だが対応範囲に制約 |
| ファイル連携 | CSV等で受け渡し | 既存・大量データに対応。バッチ中心 |
API個別開発は自由度が高い一方、SaaSごとに認証方式やAPI仕様が異なり、仕様変更への追従も自前で行う必要があります。複数のSaaSを継続的につなぐなら、iPaaSやデータ連携ツール(EAI)のように、ノーコードで構築・運用できる手段が現実的です。多数のアダプターを持つツールなら、SaaSと基幹を一つの基盤でつなげます。
SaaS連携を安定して運用するために、押さえておきたい注意点を挙げます。
これらは導入時よりも運用フェーズで効いてきます。つくる手軽さだけでなく、つなぎ続ける運用のしやすさで手法を選ぶことが大切です。サービスが増えても破綻しない仕組みを、最初から意識しておきましょう。
とくに、連携が増えると「どのデータがどこへ流れているか」が見えにくくなりがちです。連携の全体像を一箇所で管理できるようにしておくと、障害時の切り分けや、新しいサービスを足すときの影響把握がしやすくなります。
クラウド・SaaS連携の検討に役立つ資料(無料ダウンロード)
複数のSaaSと社内システムを、認証や仕様変更の作り込みに悩まず連携したい場合に有力なのが、ノーコードのデータ連携ツール「ASTERIA Warp」です。ASTERIA Warpは、テクノ・システム・リサーチ社の調査でEAI/ESB市場 国内シェアNo.1(2025年)を獲得し、累計10,000社を超える企業・団体に導入されています。
複数のSaaSをまたぐデータの流れを、画面上で部品をつなぐだけで自動化できます。サービスが増えても、アダプターを足すだけで連携を広げられるため、変化に強いクラウド活用基盤を育てていける点が実務での利点です。
ASTERIA Warpは複数SaaSの連携で多くの実績があります。テーマに近い事例を紹介します。
▼ SaaS・クラウド連携の事例をもっと見る 業種・用途別の連携事例を公開しています。 |
最後に、SaaS連携を進める際のステップを整理します。
Q. SaaS連携にプログラミングは必要ですか?
A. API個別開発では必要ですが、ノーコードのデータ連携ツール(iPaaS/EAI)を使えば、コーディングなしでSaaS連携を構築できます。
Q. たくさんのSaaSをつないでも管理できますか?
A. 多数のアダプターを持つデータ連携ツールを使えば、複数のSaaSを一つの基盤で一元的に管理できます。サービスが増えても接続部品を足すだけで対応できます。
Q. SaaSと社内の基幹システムもつなげますか?
A. つなげます。SaaSと基幹システムの間にデータ連携ツールを挟むことで、クラウドと社内システムを橋渡しできます。
SaaS連携は、増え続けるクラウドサービスをつなぎ、分断されたデータを全社で活用するための要です。手法はiPaaS/データ連携ツール・API個別開発・標準連携・ファイル連携が代表的で、複数のSaaSを継続的につなぐならノーコードのデータ連携ツールが現実的な選択肢になります。認証や仕様変更といった運用の壁を見据えて手法を選びましょう。ノーコードのデータ連携ツールをお探しなら、EAI/ESB国内シェアNo.1(2025年・テクノ・システム・リサーチ社調べ)のASTERIA Warpをぜひ検討してみてください。
▼ ノーコードのSaaS連携を、まずは触って確かめる ASTERIA Warpは全機能を試せる無料体験版をご用意。サーバー準備不要で、すぐにデータ連携を体験できます。 |
PM・SE・マーケティングなど多彩なバックグラウンドを持つ「データ連携」のプロフェッショナルが、専門領域を超えたチームワークで「データ活用」や「業務の自動化・効率化」をテーマにノウハウやWarp活用法などのお役立ち情報を発信していきます。
Related Posts
ASTERIA Warp製品の技術情報やTips、また情報交換の場として「ADNフォーラム」をご用意しています。
アステリア製品デベロッパー同士をつなげ、技術情報の共有やちょっとしたの疑問解決の場とすることを目的としたコミュニティです。