API連携とは?メリット・デメリット・活用法・注意点・事例など網羅的に解説

2024/01/24

API Application Programming Interface

APIとは

APIとは、Application Programming Interfaceの略語でソフトウェアの一部機能やデータを外部から利用できるようにしたインターフェースの仕様を指します。例えば、サイトで特定のデータを共有する場合、どのような方法で情報を要求すべきか、そしてどのようなデータが提供されるかに対する規格です。

ソフトウェアの一部を公開(APIを公開)することで外部との窓口ができ、機能連携が簡単に行えるようになります。最近ではAPIを公開しているソフトウェアも多くみられ、アプリケーション同士の連携が容易になりました。

1. API連携とは

APIを活用してアプリケーション同士の機能を連携することをAPI連携といいます。 API連携を利用すると他のサービスの機能を自らのサービスで活用することができるので、ゼロからプログラムを組むことなく他のサービスと連携し、サービスを拡張することができます。

例えば、ニュース、天気、ファイナンス情報などが掲載されているポータルサイトでは、気象庁などのオープンデータとAPI連携することで、データ取得・活用していると言えます。

アプリケーション、API、気象庁

2. API連携の仕組み

API連携のプロセスは、リクエスト(要求)とレスポンス(応答)で構成されます。
決められたルールに従ってリクエスト(要求)すると、APIを提供するサービスやソフトウェアが処理し、その結果をレスポンス(応答)します。

たとえば、飲食店で料理を注文してから提供されるまでの流れをイメージしてみましょう。

  • 店員からメニューが渡される 【API連携のルール】
  • 食べたい料理を決め、店員を呼んで注文する 【リクエスト】
  • 店員がシェフに伝えて料理を作る 【リクエストの処理】
  • 店員が注文した料理を提供する 【レスポンス】

この場合、店員は「API」、料理を注文してから提供するまでの動作が「API連携」となります。

API連携のメリット

1. 開発が効率化できる

全てのサービスを一から開発する必要がないため、開発リソースの負荷を減らせます。例えば、天気情報を利用して天気予報サイトなど何らかのサービスを提供しようとする場合、気象庁のデータなどを活用すれば、新たなサービスを効率的に開発することができます。

2. 開発コストが削減できる

アプリケーションの開発は、完成までに時間と費用がかかりますし、運用時にもエラーやバグなどによる改修作業やバージョンアップ作業も必要となります。これはアプリケーションの処理が高度になればなるほど開発にかかるコストは高くなります。
APIの多くは無料で公開されているため、APIを利用すると自社で開発する必要がないので、開発にかかる時間や費用を大幅に削減することができます。

3. セキュリティが向上する

自社のサービスで会員登録やログイン機能を使う場合、Facebook等のSNS認証など、既存のセキュリティレベルが高いシステムを利用することで、自社で会員登録やログイン機能を作るよりも高度なセキュリティを確保でき、ユーザーの安心感や信頼度にもつながります。

4. 顧客満足度が向上する

多様なサービスが備わった他社コンテンツとAPI連携することで、様々なサービスを低価でお客様へ提供することができ、顧客満足度を向上することができます。

API連携のデメリット

1. API連携先に左右される

APIを提供する企業が何らかの理由でサービスの提供を停止すると関連した自社のサービスにも影響が生じるリスクがあります。自社のサービスがAPIの提供企業のサービスに依存しすぎるとユーザーに適切なサービスが提供出来なくなります。

2. 不具合の対応が困難

APIを提供する企業のサーバーに何らかの障害が発生した場合、自社のサービスにも不具合が発生する可能性があります。この場合、自社では障害の対応ができないため、様々な状態の想定と対応策を検討しておく必要があります。

APIを提供するクラウドサービス

1. Google

メール、スプレッドシート、クラウドストレージ、連絡先、カレンダー、地図など、様々なクラウドサービスを提供しており、他社アプリからも利用できるようAPIを提供しています。

2. Microsoft

Microsoft Graph APIを提供しており、タスク、チャット、チーム、カレンダー、ファイル等のクラウドサービスとの連携が可能です。

3. サイボウズ

kintone、Garoon、サイボウズOffice、メールワイズ等の製品でAPIを提供しています。

4. Sansan

名刺管理サービスであるSansanもAPIを提供しており、他のアプリで顧客データを連携することができます。
他にも多くのサービスが自社の製品とサービスが連携できるようAPIを提供しています。

API連携の利用シーン

API連携でどのようなことができるのか、もう少し具体的な連携イメージを紹介してみましょう。
マーケティング活動として行われたイベント、セミナーの終了後に参加者へアンケートをお願いすることがあるかと思います。 記入して頂いたアンケート結果は集計し、その結果をチーム内で共有する必要があるかと思います。API連携を利用するとこのような一連の処理を自動化することができます。

アンケートの集計、連絡先への登録アプリ

ここでは、Googleフォームから作成されたアンケートに対し、それぞれのサービスが提供しているAPIを利用して

  1. アンケートデータの取得 【Google スプレッドシートとのAPI連携】
  2. アンケートの集計結果をチーム内で共有 【Google ドライブとのAPI連携】
  3. 連絡先を登録 【Google コンタクトとのAPI連携】

などの処理をアンケートの集計アプリで組み込んで自動化しています。

API連携における課題

API連携時によくある3つの課題を紹介します。

API連携での課題

連携先サービスのリファレンスが難解

APIを利用するには、自社の業務に必要なサービスが持つAPIを探し出し、提供されているドキュメントからその機能を読み解いていくことが必要になります。サービス提供者が公開しているこのドキュメントが英語版のみの場合、さらに難解になる点もAPIを利用する際の課題と言えます。

認証が難解

相手サービスの認証に合わせた形での認証手順や証明書などの準備が必要なケースも多く、使い始めるまでに手間と時間がかかることもあります。NDAや契約書を締結したりといった手続き上の準備が必要になるケースもあるため、利用したいAPIについて事前に必要なことを確認し、整理しておく必要があります。

接続プログラムの開発・改修作業が発生

連携先サービスと接続するためのプログラムを作成する必要があります。連携先サービスのアプリケーションを一から開発するよりも接続プログラムの開発は大きくコストとしては抑えられますが、ある程度発生することを理解し、計画しておく必要があります。また、連携先サービスのアップデートに合わせて接続プログラムも改修しなければならないことがあるため、メンテナンスの工数もかかることは理解しておきましょう。

API連携をより簡単にするデータ連携ツール”ASTERIA Warp”

API連携をより簡単に組み込むことができるデータ連携ツールを使うことで、前述のAPI連携における課題を解消することが可能です。

例えば、1万社が導入する国内シェアNo.1のASTERIA Warpは、簡単に接続する豊富な”アダプター”と連携フロー作成を効率化する豊富な”テンプレート”を用意した簡単データ連携ツールです。

ASTERIA Warpが連携できるサービスを3つご紹介

ここからは、ASTERIA Warpと連携できるサービスをいくつかご紹介していきます。

ChatGPT

ChatGPTは、公開からわずか2ヶ月でユーザー数が1億人を越え、いまや多くのビジネスシーンにおいて活用されているAIアシスタントです。ASTERIA Warpからは、現在エクスペリメンタルビルド(実験版)のアダプターとして「生成AIアダプター for ChatGPT」が公開されています。アダプターを活用することにより、さまざまな社内システムやクラウドサービスとChatGPTとの連携がノーコードで実装できます。

詳細はこちらの記事からご覧ください。

kintone

kintoneアダプター」を利用することで、サイボウズ社のビジネスアプリ作成プラットフォームである「kintone」とのシームレスな連携が、ノーコードで実現できます。専用画面に表示される連携項目を選ぶだけで、kintoneからのデータ取得やkintoneへのデータ登録を簡単に行うことができます。

こちらの記事では、サイボウズ社から提供されているグループウェアであるGaroonのパッケージ版と、kintoneの連携を、フローを交えながら詳しく解説しています。

Sansan

人脈を有効活用するための名刺管理の他、顧客との接点管理やマーケティング機能などでビジネスをサポートするサービスであるSansan。ASTERIA Warpの「Sansanアダプター」(信興テクノミスト社製)を使うことで、既存のシステムやデータとの連携を簡単に実行できます。また、新規登録された名刺情報の自動送信や分析など、貴重な名刺データの幅広い活用もノーコードで簡単に実行できます。

こちらの記事では、Sansanに取り込んだ名刺情報をASTERIA WarpでCSVファイルに出力する方法についてご紹介しています。

クラウド連携基盤構築事例

ASTERIA Warpを使って、他社のクラウドサービスとの連携処理を実現した事例をいくつかご紹介します。

またデータ連携について詳しく知りたい方は「データ連携とは?データ連携の定義からメリット、課題、実現方法をご紹介」の記事をご確認ください。

まとめ

API連携についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

API連携は幅広い可能性を秘めており、企業やサービスの利用者にとってさまざまな価値を生み出すものとなっています。
API連携についてさらに詳しく知りたい方にはこちらの資料もおすすめです。

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