API攻略で簡単にクラウドサービス連携が可能に、代表的なAPI連携ツール5選

最近よく聞くAPI / Web APIとは何か？

APIとは、「Application Programming Interface」の略称で、ソフトウェアの一部機能やデータを外部から利用できるようにしたインターフェースのことです。異なるアプリケーションやサービス間で機能やデータの連携を行うための仕様で、たとえば、自社のサービスやアプリに、オープンデータとして提供されているニュースや天気情報を掲載したり、会計システムと銀行システムをAPIで連携することで、入出金業務を自動化するといった利用シーンが考えられます。

Web APIはHTTP／HTTPSベースで実現するAPIのことで、汎用性の高いHTTP／HTTPSベースであるため、プログラミング言語が異なるアプリケーション同士でも連携でき、Webブラウザーでも利用が可能といったことから今はこちらが主流となっています。

「API連携」についての詳細は「API連携とは？API連携のメリット・デメリット・活用法」の記事をご覧ください。

Web APIが普及した背景

Web APIが普及した背景には「APIの使いやすさ」が挙げられます。Web API以前は、API利用者が用いるプログラミング言語と同じ言語でAPIが提供されることが一般的で、利用環境などに制約がありました。

API仕様については標準化団体により標準化が進みましたが、これらの仕様は信頼性や拡張性を確保できる一方、利用のためには高価なフレームワークが必要であることや、仕様に対する理解が必要であることなど信頼性を確保するために十分な投資が行える企業や組織に利用が限られていました。

しかし、最近では上述したような天気予報のオープンデータを取得し、自社のポータルサイトに表示させるといった、手続きの厳密さが求められないユースケースも増えています。

また、ソフトウェアの提供形式も変わってきています。これまで、ある特定の機能を提供するアプリケーションは、パッケージ形式で利用者（PC1台）に対して提供されることが一般的でした。これがクラウドに移行し、SaaS形式でいつでも、どこからでも利用できる形態に変わり、API提供者としてはアプリケーションの機能ごとに有償（従量課金制）または無償で提供可能になったことでAPI利用のメリットが高まってきたのです。

こうした技術面での使いやすさが増したことと、利用者、提供者双方にAPI利用のメリットが高まったことでオープンで汎用性が高いWeb APIの普及が進んだということが言えます。

2つの代表的なWeb API

Web APIには大きくREST（Representational State Transfer） APIとSOAP（Simple Object Access Protocol） APIの2種類があります。

REST APIは、「HTTPの命令（メソッド）でデータ操作種別を表す」「URIで操作するHTML、ファイル、画像などの対象（リソース）を判別可能にする」など、RESTの設計原則に従って実装されたAPIのことです。

そして、SOAP APIは、XMLを利用した連携プロトコルで、XMLで記述された「SOAPメッセージ」と呼ばれるデータをやりとりすることでメッセージを交換し、プログラミング言語やプラットフォームに依存しないという特徴があります。

Web APIの利用メリット 〜利便性とサービス開発スピードを向上〜

Web APIでの連携により、異なるシステムやサービスと容易に連携が可能になり、サービスの品質向上や利用者の利便性向上を実現することが可能になります。

一から機能を構築する必要がなくなることで、サービス開発のスピード化が図れるメリットがあるだけでなく、開発費用の圧縮、コスト最適化にも貢献します。

API連携は手組みと連携ツールどちらが良いの？

一般的にはAPI連携の開発には、手組みとAPI連携ツールの利用の2通りがあります。手組みによる連携は、技術仕様を理解するためのリファレンスが難解であることや、認証手順やAPI手順がそれぞれで異なるため開発工数がかかる点が指摘されます。

この点、API連携ツールを利用すれば、高度な知識を有さなくてもシステム開発が可能になり、IT人材不足の課題解消にも貢献することができます。

代表的なAPI連携ツール5選

では、代表的なAPI連携ツールを5つ紹介しましょう。

1. IFTTT（IF This Then That：イフト）

IFTTTは2010年にサービス開始されたAPI連携サービスの老舗。海外サービスのため日本語化されていないものの、プログラミング不要、設定済みの連携サービス（アプレット）を使えば、アクセス許可やフィルターの条件などを記述するだけで容易に連携が可能な特徴を備えます。

利用プランには有料版と無料版があり、2020年10月からの有料版の導入に伴い、無料版で作成可能なアプレットの数が3つまでに制限されました。

2. Zapier（ザピアー）

IFTTTに比べ後発サービスでありながら対応サービスはIFTTTよりも多く、特にビジネスシーンで多く使われています。

UIは日本語化されていないものの海外ではIFTTTに次いで知名度が高いサービスです。連携するサービスは3,000種類を超え（有料版の場合）、料金プランは無料版のほか、「ZAP」と呼ばれる設定可能な自動化のパターン数や、実行可能なタスク数に応じていくつかの有料プランが用意されています。

3. Microsoft Power Automate

Microsoftの自動化サービスで、クラウドで提供される各種アプリケーションと接続可能なコネクタを多数用意、特にMicrosoftのサービスに強みを持っています。テンプレート名やその説明も多くが日本語化されているため導入のハードルは低いといえるでしょう。

ユーザーごとのライセンス、フローごとのライセンスなど複数の料金プランがあり、試用を前提とした90日間の無料試用プランも用意されています。

4. Anyflow（エニーフロー）

国産ツールで日本語のシンプルなUIで使いやすい特徴があり、様々なクラウドアプリケーションと連携可能です。

連携したいSaaSを選び、必要なアクションをGUIで設定するだけで、ノーコードで業務で使うSaaSアプリケーションと連携することができます。機能に応じて「スターター」「ベーシック」「スタンダード」の料金プランがあります。

5. ASTERIA Warp

企業向けのシステム連携基盤として国内No.1のシェアを誇るデータ連携ツールです。既存の業務システムやデータベース、クラウドサービスなどと柔軟に連携し、データ連携を即座に実現することができます。

「ノーコード」による直観的に利用できる高速開発手法で、企業の内製化を促進。100種類以上の豊富な接続先が提供されていて、拡張性が高いのが特徴です。料金プランは大企業向けの「Enterprise」、中堅企業向けの「Standard」、中小企業向けに機能を絞って提供される「Core」があります。

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まとめ

API連携を容易に実現可能なAPI連携ツールを5つ紹介しました。高度なプログラミング知識がなくても、業務に精通した人材によりシステム開発が可能なAPI連携ツールは、顧客満足度を高める新たなサービス開発や業務改革などを実現するための切り札となるでしょう。

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