こんにちは。アーカス・ジャパンの松原です。
アーカス・ジャパンはCRM市場におけるリーディングカンパニーとして、新世代CRM理論である「CRM3.0(パーソナライズドCRM)」に基づいて、様々な製品やサービスを提供させていただいております。
CRMは原理原則として、1団体(1企業)における「1顧客=1ID」を実現することであり、そのために3つの定義がございます。
その中で、今回は1つ目のポイントである「データ統合」における「CRMのデータ連携における前提条件」について触れていきたいと思います。
目次
CRMはあらゆるチャネルから来る顧客データを統合的に管理するために、様々なシステムと連携することが必要になります。さらに、顧客インサイトを得るためには最新のデータ構造である必要もあります。
そのために、「スクラッチ開発やCSV等のファイル連携はしてはならない」という前提条件があります。
理由としてはデータ連携に時間がかかり、メンテナンス性も低く、変化に対応出来ないというCRMの条件に全て反するためです。
では、どのように連携すれば良いのでしょうか?
⇒ その答えは「疎結合」にあります。
CRMは顧客のニーズ次第で大きく変化させなければならないシステムですので、データのインターフェースが頻繁に変わる可能性があります。また、システムプラットフォームのほうもそれに合わせて頻繁にアップデートされるのが常になります。
そのため、出来るだけ連携先のシステム等に影響しない・させないことが重要となります。
データの疎結合については「EA(エンタープライズアーキテクチャ)」においてはEAI/ESBツールが当てられることが多いため、それらと接続可能なアダプターが必要となります。
アーカス・ジャパンではその課題を解決するため、2016年3月に「Microsoft Dynamics CRMアダプター」を提供開始させていただきました。
Dynamics CRMアダプターとは、日本マイクロソフトが提供するDynamics CRM(現Dynamics 365 Customer Engagement)に接続が可能なアダプターで、CRUD処理やデータの関連付けの管理といったCRMで必要なあらゆる処理がカバーされています。(他にも標準APIでは出来ない便利な機能もアダプターで実装しています)
なお、Dynamics CRMは現在Dynamics 365として複数のシステムに分かれ、Dynamics 365 Customer Engagementの機能として、Dynamics 365 for Sales、Dynamics 365 for Marketing、Dynamics 365 for Customer Services、Dynamics 365 for Field Services、Dynamics 365 for Project Service Automation、Dynamics 365 AI等に細分化されておりますが、Dynamics CRMアダプターは旧来のDynamics CRMから最新のDynamics 365まで全て対応しております。
「ASTERIA Warp」ではデータ連携を容易にするフローデザイナーが用意されておりますが、システムとのデータ接続については提供されているアダプターに依存する形になります。
そのため、アダプターによってはデータ接続のロジックを組まなければならないこともありますが、Dynamics CRMアダプターではデータ接続のロジックをGUIで作成してくれるビルダーを用意しています。(図1)
【図1】Retrieveビルダー
こちらの画面上でCRMのエンティティ一覧やフィールド一覧を読込み、検索条件(図2)や並び順(図3)を指定すれば取得したデータが容易に取得可能になります。また、テスト実行も可能なので、どのようなデータが取得出来るのかも確認していただくことが出来ます。
【図2】検索条件の追加
【図3】並び順の追加
先にもお話した通り、CRMシステムは市場や顧客ニーズの変化と共に変わらなければならないシステムなため、Dynamics 365 CEも3ヶ月単位でバージョンアップが行われます。
それにより、プラットフォームだけでなくインターフェースが変わる可能性もありますので、密結合ではメンテナンスが出来ないことは容易に想像が出来るかと思います。
Dynamics CRMアダプターであればプラットフォームやインターフェースの変化も吸収しますので、メンテナンス性は大幅に高まりますし、ビルダーによってどのようなデータがどのシステムと連携されているのか一目で分かりますので、可用性も高まります。
最後に、CRMのデータを出力するサンプルをご紹介します。
本来であれば、他システムと連携する部分ですが、今回は分かりやすくCSVとして出力してみました。
出力するCRMデータは下記になります。(図4)
【図4】Dynamics 365 営業案件ビュー
出力するフローは単純で、図1のRetrieveビルダーを使って取得したデータをCSVフォーマットへ変換してファイルへ保存するのみです。(図5)
【図5】ASTERIA Warpのフロー
図5にあるように、データの接続部分がシンプルで分かりやすいことが見ていただけるかと思います。
こちらをWeb APIで連携するロジックやアダプターですと、コネクションを設定して、Credential情報を引き渡して、I/Oストリームを開いて、クエリを作成して、実行というような面倒な流れが必要になります。
しかも、コネクション先が変わった時、ユーザーを変えたい時、データ項目が変更になった時(Dynamics 365はAPIの関数が変わります)、クエリ条件が仕様変更になった時・・・ いずれも全て再作成および再テストとなります。
EAI/ESBを使った「疎結合」がいかにCRMにとって効率が良いかをご理解いただけたのではないかと思います。今回は読込みだけでしたが、他にも多くの機能がございますので、ぜひ一度試用版にて試していただければ幸いです。
今回は3つの定義の中の1つの一部しか触れませんでしたが、CRMを成功させるためには原理原則および3つの定義の全てが必要となりますので、CRMの導入をお考えの方、CRMをすでに導入されているが効果が出ていない方、どのような方でもアーカス・ジャパンはコンサルティングから導入支援、運用定着化支援までトータルにサポートが可能ですので、気軽にお問合せください。
プレスリリースについてはこちらをご覧ください。
アーカス・ジャパン株式会社は、CRM市場におけるリーディングカンパニーとして、新世代CRM理論である「CRM3.0(パーソナライズドCRM)」に基づいて、様々な製品やサービスを提供しています。
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