新たな働き方で高まる発注管理業務の効率化
システム連携による自動化をノーコードで行うポイント

発注管理とは何か

発注管理とは、商品の製造に欠かせない材料や部品を仕入れたり、あるいは商品そのものを仕入れたりするために行う管理業務のことです。

たとえば、在庫状況の確認や、発注タイミングや発注数の決定、注文書作成、注文完了などの「商品を発注し、仕入れる」までの一連の業務を管理します。

発注管理の具体的なプロセス

発注管理の具体的なプロセスは大きく以下の4つに分けられます。

購買依頼書の作成

在庫の現状と仕入れが必要な数を把握し、発注を行うための必要な情報をまとめた購買依頼書を作成します。

発注方式の決定

購買依頼書が準備できたら、発注方式を決定します。発注方式には大きく、事前に決めたタイミングで定期的に発注を行う「定期発注方式」と、指定した在庫量を下回ったときに事前に定めた量を発注する「定量発注方式」の2つがあります。

仕入先（発注する取引先）の選定

発注する取引先を決定します。過去の取引実績から発注先を決める場合もあれば、新たな取引先に発注する場合もあります。新たな取引先に発注する場合は、事前に複数の企業に見積もりを依頼し、最適な条件の発注先を選定します。

注文書（発注書）の作成・送付

正式に発注を行うための注文書（発注書）を作成して発注先に送付します。

発注管理業務を自動化する発注管理システムのメリット

こうした発注業務を手動で行うには、作業量が多くミスが発生しやすいという課題があります。また、アフターコロナやDX（デジタルトランスフォーメーション）を見据えた働き方改革が重要性を増す中で、オフィスワークだけでなく「働く場所を問わない」テレワークなどの多様な働き方が望まれています。

しかし、企業間でやり取りされる見積依頼や注文書、請求書などは、いまだに紙で運用している企業もあり、やむを得ず出社を余儀なくされているケースも少なくありません。

こうした課題を解決するのに有効なのが、システムによる自動化です。発注管理システムを導入することにより、以下のようなメリットが期待できます。

発注業務の工数削減

在庫量を随時確認することができるため、作業効率が高まることや、購買依頼書・注文書の作成業務を省力化することができます。

発注状況の進捗可視化

発注状況がシステムから容易に確認できます。

発注履歴をデータとして管理

過去の発注状況をデータで確認することができるため、全社単位で在庫量を把握するこことで誤発注などのミスを軽減することができます。

発注管理システム導入後の課題

しかし、せっかく 発注管理システムを導入しても、次のような課題に直面するケースがあります。

• 発注管理システムのデータを基幹業務システムへ転記するのに手間がかかる
• 転記作業で入力ミスが発生してデータの整合性が失われてしまう
• 売上管理・生産管理などとデータが連携できていないため、必要に応じて手動でデータを抽出する必要がある
• 取引先からデータ送受信による取引の要請があったが、システム構築の時間や予算がない

発注管理システム導入の効果を最大化するには、在庫管理システムや販売管理システムなどの業務システムと連携することが重要です。これにより、発注以外の様々な業務が自動化され、さらなる業務効率効果が期待できるからです。

システム連携によりさらなる発注業務の効率化を実現

こうした課題を解消するには、データ連携ツールの活用が有効です。基幹システムをはじめとする他システムと連携することで、データを一元管理でき、入力の手間や転記作業による入力ミスも防げます。さらにノーコードによるデータ連携ツールを使うことで、ノンプログラミングでスピーディにシステム間の連携が可能になります。

また、企業間取引で発生する帳票のやり取りを電子化するEDI（Electronic Data Interchange）の仕組み構築にもデータ連携ツールの活用は有効です。EDIとは、受発注・出荷・請求・支払などの各種取引情報（データ）を、標準化された規約に基づいて企業双方向で通信、伝送し、コンピュータで自動的に処理する仕組みのこと。取引先との情報のやり取りが電子化でき、発注管理に関する作業の自動化、省力化に貢献します（EDIの実現には、後述する「JFT/SaaS」「EXtelligence EDIFAS」といったEDIソリューションを別途導入する必要があります）。

システム連携をスピーディに実現するデータ連携ツール

データ連携ツール「ASTERIA Warp」は、発注管理システムと他の業務システムの連携を、ノーコードによりスピーディに進めることが可能な国内シェアNo.1のデータ連携ツールです。

「ASTERIA Warp」は、特定の業務システムのデータ連携をノーコードで容易に行うことができるようにパッケージされており、基幹業務システムや、各種業務アプリケーションなど、100種類以上のデータソース間の複雑な連携やデータ変換をノーコードで実現することが可能です。

様々なデータソースの中では、EDIのシステムと連携可能な便利なアダプター機能が用意されている点です。たとえば「JFT/SaaSアダプター」は、様々な対外データ交換機能を提供する「JFT/SaaS（ジェイエフティサース）」との連携を可能にするアダプターです。ファームバンキングなどの電子決済、EOS（オンライン受発注）、企業内外の各種データ交換、クラウドサービスを介したEDIによる社外との電子取引など、様々な対外的なデータ交換機能を備えています。

また、「Biware ASTERIAアダプター」は、様々な通信手順やデータ変換に対応したEDI取引を補完し、EDIによる社外との取引から社内の業務システムまで、シームレスなデータ連携をパッケージ製品のみで実現可能とする、ASTERIA Warp専用のアダプターです。

そして、「EDIFASアダプター」は、中小企業共通EDIに準拠したクラウドEDIサービス「EXtelligence EDIFAS（エクステリジェンス エディファス）以下　EDIFAS」による社外との電子取引から、社内の業務システムまでシームレスなデータ連携を実現可能とするアダプターです。

「ASTERIA Warp」を活用した2つの連携事例

実際にASTERIA Warpを導入したユースケースには、大手生活用品メーカーであるライオンの事例があります。

同社は販売、物流、会計、生産、購買などの基幹システムをメインフレームやオフコンを中心に構成してきましたが、既存システムを刷新し、全社規模の共通連携基盤の構築を進めていました。

そこで求められたのが「システム連携の標準化」で「ASTERIA Warp」を採用。共通連携基盤は、基幹業務システムだけでなく、BI連携や受発注管理（EDI / WebEDI）、生産管理・調達管理、販売管理などの連携により、最終的には1200本を超えるデータ連携を支えています。また、開発効率も30％向上しました。

もう1つの事例は、大和ハウスグループの大和物流の事例です。同社は、全国に点在する約1600社の協力運送会社への発注書をFAXにて送付しており、誤送信などのトラブルの原因となっていました。そこで、「ASTERIA Warp」とFAX送信サービスを活用して、「発注書交付システム」を新たに構築。発注書交付を自動化したことで、誤送信をなくした上、担当者の業務負荷を軽減するなどの成果をあげています。

まとめ

働き方改革で、企業における発注管理業務の効率化はさらに重要性が高まります。

システムによる自動化や他システムとの連携、あるいは取引先企業とのシステム間連携をノーコードで実現し、省力化に大きく役立つデータ連携ツールと連携アダプターの組み合わせを、発注管理業務改革に活用してみてはいかがでしょうか。

関連資料