IT業界がたどってきたコモディタイズの道は、繰り返す

 クラウドコンピューティングが姿を現わす前、インターネットがエンタープライズITや消費者を席巻し始めた頃から、手元のデータをネット経由でどこかに預けるニーズは掘り起こされ、事業化されていました。

 つまり、オンラインストレージサービスは――IT業界暦でいえば――古くからあり、基本サービスの一つといえます。ただその間にメジャープレイヤ(サービスベンダ)が変わり、仕組みが多少変化しただけなのです。需要は増える一方で減ることはないでしょう。

 が、かつてAOLを始めとするiSP(internet Service Provider)がストレージ需要を牽引していたときと違い、今やコモディティ・プロダクトを溺愛するサービス事業者がその牽引役。IBMがAWSやGoogleの台頭に苦しめられているように、高機能・高性能・高可用性を特長とする大手ストレージベンダは、売り先を狭められ、『コンピュータダイナミックス、米Zadaraのクラウドストレージを国内提供』といったようなコモディティ製品をソフトウェア――そしてそのソフトウェアを利用したサービスに苦しめられます。

コモディタイズの道は、繰り返す
 しかし、安価なHDD(ハードディスクドライブ)の群れにインテリジェンス(ソフトウェア)を足して、WBSなど各種メディアに取り上げられた「ストレージシステム」があったことを思えば、基本構造は何も変わっていません。インテリジェンスを足すべき相手が、ハードディスクの塊から、より大きくオープンなクラウドコンピューティング基盤に変わっただけです。

 もちろん、一般大手企業・団体にシステム単体でのインテリジェント需要もある中で――。

 一般的でないユーザ、つまりITシステムベンダのライバルとなったクラウドサービス事業者にも同様のことが言えます。

 『GMOクラウド、月500円から利用できる新パブリッククラウド「ALTUS Basic」』のように、基本サービスで果てしない価格競争を繰り広げながら、「オプションサービス」でインテリジェントをアピールし、差別化を図って収益を確保する。IaaSはすでにコモディティなのです。WinServer2003 EOS需要を取り込むために、『いまなら初期費用無料で専用サーバーを利用可能、手厚い移行支援サービスも用意』と、人のサービス力をアピールするのも、コモディティ製品を抱えたシステムベンダの辿ってきた道です。

 自動化は、クラウドに限らずシステム運用管理の基本要素。それどころか産業界全般、人類がNatureとして目指す方向なので、「クラウド導入によってもたらされる、高い俊敏性、IT効率、コスト削減といったビジネスメリットを享受するためには、データセンターの自働化が必須であるといえる」として、『クラウド時代に成功するためのデータセンター自動化3つのステップ』を示されても、まあツール(ソフトウェアスタック)の充実度次第で粛々と進むのではなかろうか、と思ってしまいます。


 基本といえば――

 昔CBT(Computer Based Training)、あるいはeラーニングとしか言っていなかったものにまで、「クラウド」の冠が付いて、『ニコンの社員研修一元管理 NECがクラウドサービス提供』となっています。

 もう15年以上前になりますが、Corporate Governance Courseなどを催促およびトラッキングされながら受講していた頃が懐かしい。

にしても、あの頃のCBTと、このクラウドサービス型教育システムとにはどれほどの違いがあるのでしょうか。

 実業界、特にIT業界において教育は、自社社員のためだけでなく、プロモーション、パートナやユーザの囲い込み戦略の一環として使われます。故にネットワールドが、『VMware社認定コンピテンシーのトレーニングを大幅拡充 / 「VMware NSX」販売に必須の認定資格、ストレージ仮想化分野の認定資格を取得可能』としたのは、お題目を含めてまさにその典型例といえそうです。

 国内システムベンダは、教育よりも、『日立のサーバ論理分割機構 Virtage が SAP HANA(R)の動作可能な仮想化技術としてSAP社から認定』というように、正攻法で技術力をアピールし、トレンドを捕捉します。日立ほどの大企業になると、ユーザ/パートナ教育はグループ会社に任せているという事情があるにしても、米国ITベンダのように「教育で客を囲い込み染め上げる」発想はないようです。



クラウド版

手ぶら de ASTERIA Warp
体験 5日間を申し込んで
簡単データ連携を体験してみよう!

サーバー準備の手間なくデータ連携ツール「ASTERIA Warp」の
全ての機能を5日間お試しいただけます。

今すぐ体験してみる 書籍の詳細についてはこちらをご覧ください。
基礎と実践 使い方マニュアル
「ASTERIA Warp、データ分析、クラウド、業務効率化、最新技術」人気!ホワイトペーパーダウンロード受付中!今すぐチェック
ASTERIA Warpと色々つないでみた特集!記事はこちら>

ASTERIA Warp 関連サイトのご紹介

X ASTERIA Warp Developer Network(ADN)サイト

技術情報をお探しの方

ASTERIA Warp Developer Network
(ADN)サイト

ASTERIA Warp製品の技術情報やTips、また情報交換の場として「ADNフォーラム」をご用意しています。

X ASTERIA Warpユーザーグループ(AUG)

ASTERIA Warpデベロッパーの方

ASTERIA Warp オンラインコミュニティ
ADN slack

ASTERIA Warpデベロッパー同士をつなげ、技術情報の共有やちょっとしたASTERIA Warpの疑問解決の場とすることを目的としたコミュニティです。

X ASTERIA Warpユーザーサイト

ASTERIA Warpユーザーの方

ASTERIA Warpユーザーサイト
Login

製品更新版や評価版のダウンロード、各種ドキュメントのご提供、また 技術的なお問合せもこちらで受付ています。

X ASTERIA Warpパートナーサイト

ASTERIA Warpパートナーの方

ASTERIA Warpパートナーサイト
Login

パートナーライセンスの発行や各種ドキュメントのご提供をしています。

ページ先頭へ