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ブロックチェーン特集:対談 Vol.01『これから学ぶ方でもよくわかる「ブロックチェーン」』
【前編】「ブロックチェーン」は革命を起こすか!?
財部 誠一氏 × 平野 洋一郎

~「ブロックチェーン」は革命を起こすか!?~財部 誠一氏 × 平野 洋一郎

2015年の暮れ、インフォテリア代表の平野宛にメールが入りました。「ブロックチェーンという技術が凄いことになっている。ぜひ技術的な部分含め可能性等をレクチャーしていただきたい。」そのメールの主は旧知の間柄でもある、経済ジャーナリストの財部誠一氏でした。その要請を受け、平野は財部氏を訪問し、ブロックチェーンについて詳細を説明させて頂きました。財部氏からの質問はブロックチェーンを知らない人でもわかるように、という配慮のもと、「ブロックチェーンとは?」、「フィンテックの中での位置づけは?」、「技術的なところは?」というベースとして把握しておきたい部分を中心に、「インフォテリアとしての今後の取り組みは?」など話は多岐に及びました。ここではその対談を3回に分けて掲載していきます。第1回となる今回は、フィンテックとブロックチェーンの概要、そして現状、可能性についてです。財部氏、平野の対談形式にて進めてまいります。

ブロックチェーンはフィンテックのキーテクノロジー?

経済ジャーナリスト 財部 誠一氏
-財部氏 昨年の前半、病気で入院しており、退院後、世間がフィンテック一色になっていることに驚きを隠せませんでした。その流れを受けてさまざまな文献を読み漁ったものの、なかなか分かりづらいのが正直なところ。そこで、ITに見識の深い平野さんであれば分かりやすく説明してくれるだろう、ということで今回のレクチャーをお願いしました。
今回の対談ではフィンテック、ブロックチェーンについての詳しい解説と、技術的な側面、そしてインフォテリアが今後どのようにブロックチェーンという技術に取り組んでいくのか、その辺りを教えていただきたいと考えています。

-平野 本日はお招きいただきありがとうございます。

-財部氏 まず最初に聞きたいのが、ブロックチェーンについてです。ブロックチェーンはフィンテックのキーテクノロジーと言われますが、なぜなのか?このあたりから教えていただけますか?

-平野 現時点においてブロックチェーンがフィンテックのキーテクノロジーのひとつであることは疑いようがありません。まずはじめに「フィンテック」について整理をしておくと、これは「Fin(Financial)」+「Tech(Technology)」の造語です。すなわち、技術革新による金融サービス全般の新しい動きのことを指します。たとえば資産管理や決済、融資の仕組み、身近なところで言えば家計簿のクラウド化といったところまでを含みます。中でも大きなインパクトを与えたのが仮想通貨、ビットコインですが、これもあくまでもフィンテックの大きな流れのうちのひとつでしかありません。フィンテックが進んでいるアメリカではフィンテック関連のスタートアップが雨後の竹の子の如く登場してきています。その背景にはスマートフォンに代表されるモバイル端末等の進化、クラウドなどのインフラ面の発達などといった環境の変化があります。それらが相まって金融業界にもIT革新の波が押し寄せてきた、ということです。

次に、肝心のブロックチェーンについてですが、これはご承知のとおり、ビットコインの中核技術として登場しました。この成り立ちがよくビットコインとブロックチェーンが混同される原因となっています。例えば、「ビットコインは怪しい」=「ブロックチェーンは怪しい」となったりするわけです。現在では、ビットコインとブロックチェーンは別のものと認識すべきです。

ブロックチェーンイメージ
ブロックチェーンは2008年に発表された「サトシ・ナカモト」の論文をベースに当初はビットコインのための、「改ざんできない」、「ダウンタイムがない」取引管理アーキテクチャとして産み出されたものです。しかし、これらの特性はビットコインの取引管理だけでなく、さまざまな応用可能性を秘めていることが明らかになってきています。昨今の盛り上がりは、この応用可能性も含めて世界が大きく期待している、ということだと当事者としても強く感じています。

日本とアメリカではフィンテックに関する温度感が違う

-財部氏 なるほど、よく分かりました。たしかに私自身が読んだ記事でもブロックチェーンに対し、Mt.Goxの件を引き合いに疑問視をするような論調もありました。しかし、現実は違うということですね。次に、このフィンテックの最新事情をお聞かせください。日本と欧米ではずいぶん異なるのでしょうね。

インフォテリア代表 平野 洋一郎
-平野 フィンテックが進んでいる国のひとつにアメリカを挙げることができます。アメリカでは現在、「革命」と言われることもあり、フィンテック関連でどんどん新たなプレイヤー、つまり新興企業が生まれつつあります。そのような動きに対して金融業界では非常に危機感を持っていて、金融機関がフィンテックの新興企業や研究開発に大規模な投資を始めています。例えば、ゴールドマン・サックスが30億米ドルを投資する、といったニュースが毎週のように出てきています。そのため、技術に対して投資するだけでなく、プレイヤー自体を掌中に収めるM&A的な動きも盛んになってきています。

そして研究開発を超えて実装もどんどん進みつつあります。例えば、NASDAQの未公開株の取引システムには既にブロックチェーンが組み込まれて運用が始まっています。(※1)シリコンバレーにはそれこそ多数のプレイヤーが存在し生まれているので、投資合戦も熾烈を極めている状況です。

一方の日本では、残念ながらそのプレイヤーがまだ数少ないというのが現状です。技術を「利用」するような新興企業はビットコイン関連などで出てきてはいます。しかし、技術を「開発」している新興企業がほとんどいません。昨年(2015年)の12月に金融庁が銀行に対してスタートアップへの投資の規制緩和をおこなったものの、肝心の新興企業がほとんどない。なので、国内の大手金融機関は自前で研究開発を始めるべく、行動を起こし始めています。昨年、日本の大手銀行は相次いでR3CEV(※2)への参画を発表しました。しかし、まだ研究段階で残念ながら運用にはまだまだ程遠いと言わざるを得ません。

-財部氏 それは危機的な状況と言えますね。そのような状況だと日本の金融業界はどんどん国際競争力を失ってしまうのではないですか?

-平野 まさに、おっしゃるとおりです。現段階での日米の差を見れば明らかなように、このままだと過去と同じ轍を踏むことになりかねません。この流れは明らかに、「革命」です。なぜならばプレイヤーが交代していくからです。だから、欧米の金融機関は顔色が変わっているわけです。「従来の延長線上でやっていてはダメ。負けてしまったら存続できない」という姿勢で発想を180度転換してやっていくぐらいの気概で取り組む必要性があるように感じます。そしてこの動きは海外だけを向いていればよい問題ではなく、国内の企業にも時間の経過とともに大きな脅威となっていくことでしょう。2000年以降のインターネットを基盤とした技術革新で下克上が徐々に起きつつある業界は多々ありますが、金融業界においても同じような状態になりかねないのです。

※1 Nasdaq Linq Enables First-Ever Private Securities Issuance Documented With Blockchain Technology (Nasdaq Website)

※2 日米欧22行が提携 金融・IT融合「フィンテック」、決済システムを安価に(日本経済新聞 Web刊)
(日本経済新聞社の方針で記事への直リンクはできないためサイトトップへのリンクとなっております。ご了承ください。)

既存の決済手段は今後、大きく変わっていく

-財部氏 ネットモールの台頭などはその顕著な例ですよね。2000年初頭ではリアルの売り場には絶対に勝てないだろう、という見込みが大勢でしたが、今では全く立場が逆転してしまっています。フィンテックの流れにおいてもネットモールが大きな存在感を発揮しているようですね。

既存の決済手段は今後、大きく変わっていく

-平野 おっしゃるとおりです。例えば、ネットモールの決済機能もビットコインや他の仮想通貨に置き換わる可能性が充分に考えられます。そうなることで既存の銀行やカードといった決済手段も不要になる可能性がある。そしてお金に関する国境の壁は限りなく無に等しくなっていくことでしょう。極論を言ってしまうと、中央銀行の存在すら今のような存在感ではなくなる日が来る、ということも理屈上ではあり得るのです。

-財部氏 そうなるともはや国の金融政策なども意味がなくなってしまう、意味を成さない、ということすら想像が及びますね。「革命」と言われるゆえんがよくわかりました。

-平野 もちろん一朝一夕でそういうことが起こるわけではありません。金本位制度の時代からの流れを考察するとわかりやすいので例に挙げてみます。当時の基準となる貨幣は金貨であったものの、その代替として紙幣を発行していました。そしてその紙幣の発行元は額面価値の金との交換を保証することで、人々は安心して紙幣を利用することができたのです。

その後、通貨制度は管理通貨制度へ移行し、紙幣は金と兌換することはできなくなりました。しかし、人々は不安を感じることもなく、紙幣を毎日利用しています。それは金と交換されなくても誰もがその紙幣の価値を認めているという安心感に裏打ちされた、市場の慣れが形成されたためです。ビットコインも、現在はその価値をリアルのお金に替えられる、ということを担保することが出てきています。それが普及し流通していくと、既存通貨への兌換ができなくなってもOKな状態ヘと移り変わっていくでしょう。そこに至るのはかなりの時間がかかるのは言うまでもありませんが。

-財部氏 通貨の本質は信用ですよね。時間の経過とともにビットコインの認知度が広がり、世の中全体が慣れ親しんでくる。その慣れが積み重なることで信用へと昇華していくのでしょうね。

まとめ

お二人の話は言葉の解説にはじまり、日本と世界の比較、そして未来など広範囲に及びました。特に現在の日本に対しての危機感をともにするお二人ならではの未来志向の内容は非常に興味深いものでした。次回は少し技術的な部分にフォーカスし、ITの専門家である平野が財部氏に対し、「分かりやすく」をモットーに解説をおこなってまいります。

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