コロナ禍の影響を受けてリモートワークなど「withコロナ」への対応を進められていますが、その障壁として挙げられるのが紙書類による申請業務です。ツール導入によりペーパーレス化を実現した後も、企業独自の組織やルールの変更に対して、柔軟かつスピーディに対応できる仕組みづくりが必要不可欠です。
今回はワークフローシステムを導入、さらにASTERIA Warpを活用し、「withコロナ」へスムーズに移行されたエムティーアイの小針様より、その実践事例をご紹介いただきます。
目次
株式会社エムティーアイ様(以下、エムティーアイ)は、音楽・動画・書籍を配信する総合Webサイト「music.jp」や女性のための健康情報サービス「ルナルナ」をはじめ、ヘルスケア・フィンテック・生活情報・エンターテインメントなど、毎日の暮らしを豊かに、そして便利にする様々なサービスを提供されています。
エムティーアイはグループ会社含め従業員数は 1,194名(2020年9月30日時点)。そのうち、ワークフローシステムを利用している方は1,000名程いらっしゃいます。
エムティーアイでは新型コロナウイルス感染症拡大防止策として、在宅勤務や時差出勤などの対策を早期から実施。
2020年3月~6月のテレワーク率はなんと99%!テレワークへスムーズに対応ができていたことが伺えます。
2020年11月時点での出社率5%程ということで、テレワークを基本とした働き方を確立されています。
テレワークの鍵となるのがペーパーレス化です。”脱ハンコ”も話題となりましたが、押印のために出社するケースも多くみられました。
エムティーアイでは「with コロナ」以前よりワークフローシステムを導入してペーパーレス化を進めていたため、スムーズにテレワークへ移行できたそうです。
ワークフローシステムのコスト効果を試算した結果です。
年間平均4万件の申請業務をすべて紙で行っていた場合、印刷コストや作業コストを含め、年間6,400万円分のコスト増加につながる、という結果が出ています。
1つ1つの作業は数分ですが、4万件となると大きなコストがかかりますね。ビックリです…!
これだけ効果があるとは言っても、導入直後に大幅なコスト削減ができるわけではないので注意が必要です。
ワークフローシステム導入時にすべての紙フォーマットを電子化することは難しく、優先度の高いものから対応して徐々に電子化フォーマットを増やしていくことになります。
電子化フォーマットを増やしていくことで効果も積みあがっていくんですね。
では、どのようなワークフローシステムを導入するとよいのでしょうか?
エムティーアイでの選定基準は以下の2点です。
汎用的に利用できるワークフローシステムを導入して、運用を内製できるかがポイントなんですね。
汎用的に使えるなら、勤怠・経費精算などの申請・承認もひとつのワークフローシステムに統合してしまえばよいのは?という意見もありそうです。ところが、勤怠管理や経費精算などは特化した機能をもったツールで、統合するためには個別開発や複雑なシステム間連携が発生するため得策ではないと判断されました。
複数システムを利用していると、組織変更や入退社が発生した際にすべてのシステムに対して設定を更新する必要があり、手間がかかります。とくにエムティーアイでは入社・退社・異動・組織変更など会社の動きが早いため、スピーディに対応することが求められます。
そこで、エムティーアイではそれらの設定を自動化する仕組みをASTERIA Warpを使って実現しています。
人事部から提供される発令データを元に担当者が各システムの設定変更を行うという作業を自動化し、人事部が更新した人事システムのデータを取得して各システムのマスターデータを自動更新しています。
プロジェクトの稟議ルートなど単純に人事データだけで設定できないイレギュラーなものがある場合は、メンテナンスコストを考慮した結果、別途Excelファイルを作成して管理し、ASTERIA Warpでワークフローシステム側のCSV情報と相互変換しています。
人事データなどをワークフローシステムに取り込む処理をASTERIA Warpで自動化することで利便性が向上しましたが、ワークフローシステムから出力されるデータを活用することでより業務自動化の成果をあげることができます。
例えば、ワークフローシステムで承認済みのデータは値の正当性が担保されているため、正確なデータとして他の社内システムに展開することができます。
他にも、複数種類の請求書をPDF出力機能で発行したり、画像やファイルを添付してメール通知を行えたり、ワークフローシステムの機能を拡張するような処理をASTERIA Warpで実現することも可能です。
ワークフローへのインプットだけでなく、ワークフローからのアウトプットを活用すると自動化の幅がさらに広がりますね!データ処理の「自動化」という観点でRPAツールと比較すると、画面を通さずにバッチ処理が行えるためASTERIA Warpの方が信頼性が高いとご評価いただいています。
――ご利用されているワークフロー製品を教えていただけますか?また、数多あるワークフロー製品の中でその製品を選んだ理由をお聞かせください。
株式会社エイトレッドのAgileWorks(アジャイルワークス)を使っています。帳票画面やルート設定の自由度が高いことが決め手です。
――アカウントの変更はどれくらいの頻度が発生しますか?
入社、退社、異動などによるアカウント変更処理は、基本的に日次で実行しています。加えて手動実行できるようにもしています。
申請業務をペーパーレス化するためのワークフローシステム導入からASTERIA Warpを活用した自動化事例までご紹介いただきました。
ワークフローシステム導入検討中の方にも運用中の方にも参考になる情報が盛りだくさんでした!
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