
開催レポート
2018年11月7日、ASTERIA Warpユーザー様限定イベント「AUG FESTA OSAKA 2018」がグランフロント大阪で開催されました。ASTERIA Warpユーザー自らの体験や想いを本音で語るイベントに「参考になった」「大変良かった」「感謝します」などのコメントを多数いただきました。
ユーザーセッションではどのような本音トークが繰り広げられたのか、下記にレポートいたします。
事例セッション:ASTERIA Warp 4.8.1から1610にしたら3回引っかかった話
セイコーエプソン株式会社 IT基盤企画設計部 宮内 雅史 様

新たにオンラインアップデートに対応したASTERIA Warp 1610以降にバージョンアップを躊躇されているASTERIA Warpユーザー様からの要望を受け、今回、セイコーエプソン株式会社 宮内さんのご登壇が実現。
宮内さんに1610バージョンアップ時に起きたトラブルについて、その事象と対処方法を細かく語っていただきました。
- 事象1:
- 保存したプロジェクトが開けない
- 原因)
- コンピュータ名に_(アンダースコア)が含まれていた(Windowsはコンピューター名にアンダースコアを入れても動作するが、RFCとしては許されていないため1610のJavaライブラリではじかれた可能性あり)。
- 事象2:
- Excelビルダーの画面が出ない
- 原因)
- Cドライブの容量が少なくなりDドライブにマイドキュメントを移動していた。
- 事象3:
- xlsxファイルが見つからない
- 原因)
- 旧サーバーのファイルパスが設定されたままに。
それぞれの原因究明のために実施されたこと、どの方法が役立ち、どの方法がうまくいかなかったかなども詳しく教えていただきました。
宮内さん、具体的な事象の説明や対処方法の共有、大変ありがとうございました!
当日の資料はADN Slackよりダウンロードいただけます。
参加された方からは以下のようなコメントをいただきました。
- 身近な事例がわかりやすかった
- 4.8.1→1610の問題は意外と少ないことがわかった
- Version Up ひかえているので参考にしたい
- 構築実績の話を聞けて参考になりました
- 当社でも今期~来期に1806とAWS移行を検討しているため(役だった)
- バージョンアップ計画を現在しているので、参考になりました
- 自社の適用時に参考にします
- 身近なお話を聞けて参考になった
- トラブルシューティングは、よく直面するため、事例、解決策共に有用
- これから移行予定なので参考にさせて頂きます
- バージョンアップの具体的な内容で、バージョンアップの際に活用したいと思います
- バージョンアップ時のあるあるネタは、アステリア社が何とかしてくれるはず…
- バージョンアップしたからではないと思いますが、参考になりました
- 参考になるポイントが、いくつかあった
- パートナーに委託します
事例セッション : ASTERIA Warpによる個人情報取扱い基盤の構築
株式会社アップ 第一管理部 畑田 貴史 様

教育事業を展開されている同社はASTERIA Warpを元々下記の用途でご利用されていました。
- E-Lectureの受講ログの整形
- 基幹系システムの状況をポータルページへ反映
- Web明細の作成
- 録画された授業を配信サーバーへ配信
- ウイルス対策ソフトのパターン取得
その後、新たなセキュリティ基準をクリアするためにASTERIA Warpを活用。個人情報取扱いのためのASTERIA Warp活用法として次の事例を紹介いただきました。ASTERIA Warpでこれらの処理を自動化することにより、セキュリティ強化に伴うユーザー負担を最小限にできたとのことです。
- 個人情報取扱い可能なクローズなネットワークゾーン(Zone3)への自動データ転送
- 問い合わせフォームからの問い合わせログ内の個人情報部分をZone3以外のネットワークでの参照を不可とする仕組みの構築
畑田さん、ご利用事例を時系列にひとつひとつご紹介いただきありがとうございました!
当日の資料はADN Slackよりダウンロードいただけます。
参加された方からは以下のようなコメントをいただきました。
- 具体事例が聞けたのはありがたかった。
- 個人情報の有無のzoneの橋渡しの事例が良かった。
- 新たな利用方法の参考になりました。
- 外部へのネット接続、個人情報の取り扱いには気をつかいますね。
- 情報セキュリティのくだり、とても楽しくおかしく、聞けました。
- 主題とは違う所になりますが、参考になる情報が多かったです。
- 両ユーザー事例とも、バージョンアップを実施されており、バージョンアップを検討したいと考えました。
テクニカルセッション:元Slerエンジニアがユーザへ伝えたい生産性をあげる5つの秘訣
さくらインターネット株式会社 マーケティング部 小林 涼 様

SIerからユーザー企業に移られた小林さんは、いざユーザーの立場になってみると今までとは異なる視点に立たれたそうです。今回、そんな両者の立場を経験された方ならではの「生産性を上げる5つの秘訣」を語っていただきました(ETLでの利用をされているので、ETL以外の用途では当てはまらないケースもあるのであらかじめご了承くださいとのことです)。
生産性を上げる5つの秘訣
その1:よりよいやり方を知る
ASTERIA Warp以外の知見を取り入れる。小林さんは「データ連携」「データ分析」「前処理」などのキーワードでも情報取集されているそうです。またオススメの資料や書籍もご紹介いただきました。
その2:無駄なものをつくらない
ASTERIA Warpフローはそれ自体が設計書となるため、出来るだけ無駄な資料を作らないことが肝要。ASTERIA Warp運用にもっとも必要なドキュメントは「業務フロー図」「フロー一覧」「ジョブスケジュール一覧」ではないかとお話いただきました。またユーザーの立場になってからはASTERIA Warp自体のドキュメントよりも①業務②システム③人との関係性を示すドキュメントの方が重要になったとのことでした。
その3:変化に強くつくる
フロー間でストリームを持ち回しすぎない。
DBやSQLの機能で変更しやすくつくることが可能。
その4:シンプルに検証する
「チェック」と「テスト」は分けたほうが良いなどASTERIA Warpフローの検証方法のヒントをいただきました。
その5:稼働後エラーをすばやく検知し修正
エラーログをSlackに出力することによりエラーの素早い検知をされているとのこと。こちらはデモを交えてご紹介いただきました。
小林さん、長年の経験から導かれた貴重なアドバイスの数々、ありがとうございました!
当日の資料はADN Slackよりダウンロードいただけます。
参加された方からは以下のようなコメントをいただきました。
- ASTERIA Warp の運用・開発のノウハウがたくさんで良かった。
- 発表の内容、話し方、スピード良かったと思いました。Slack始めようかな。
- 話し方と資料が見やすくて分かりやすかったです。参考書籍の紹介も為になりました。
- 今後アステリアの開発を広げていくためにテストとドキュメントの必要性を理解できた。
- 開発について悩む部分の参考になりました。自社でも検討していきたいと思います。
- とても参考になりました!とくにJobスケジュールの話とか。
- Slackについては、一度調べてみたい。
- 具体的な参考例が多く、分かりやすかった。
- ユーザと開発側の意見を反映した内容で、とても参考になりました。
- 主旨が良かったです。
- 現在はパイプラインしか使用できないが今後フローを作成していくときに非常に参考になる事例でした。
パネルディスカッション:ASTERIA Warpデベロッパーの本音トーク
「ASTERIA Warpは本当に便利な開発ツールなのか?」
- パネラー:
- 株式会社クリモトビジネスアソシエイツ 小俣 尚泰 様
株式会社アップ 畑田 貴史 様
株式会社フォーバルテレコム 内海 義朗 様
- モデレータ:
- 株式会社千趣会 田中 創一郎 様
最後にASTERIA Warpを長年活用されていらっしゃるユーザー様にご登壇いただき、パネルディスカッションを行いました。
Q. 先ずはASTERIA Warpの向いていると思われる用途や成功事例を教えてください。
- 弊社ではEAIとETLに限定して利用しています。メインフレームでできないことをASTERIA Warpで行っています。例えばExcelファイルの生成、PDFの生成、メール添付して送信などです。データはメインフレームから取得しています。
- ユーザー部門が求めているものは今のところASTERIA Warpで全てできています。
- 高速開発ができるので、明日からすぐにカットオーバーという営業からの無茶振りが来てもなんとかなるのがASTERIA Warpのメリットだと感じています。
- メインフレームの開発者がASTERIA Warpなら比較的簡単に習得できるということも助かります。
Q.次に ASTERIA Warpの向いていない用途や失敗事例を教えてください。
- ASTERIA Warp はJavaで開発されてますので、JavaでできることはASTERIA Warpでなんでもできると思います。ただし複雑で大規模なシステム開発、オンラインの画面処理には不向きと考えています。
- 分岐の多い処理はASTERIA Warpで実装しないようにしています。マッパーがいくつも使われているフローでエラーが起きた際に調査がとても大変で苦労した経験があり、このようなルールに変えました。
- 自由に作れすぎるので、開発標準を決めておかないと独創的なフローができてしまいます。
- 基幹業務システムはASTERIA Warpでは作らないようにしています。EAI、ETL用途のみで利用するよう心がけています。
- ミッションクリティカルなところでも使っていますが、落ちないことを前提にせず、落ちてもリカバリーできるよう作っています。
Q. 内製化されてますか?
- 初期設計はベンダー。そのあとは業務委託している常駐メンバー(元々はメインフレーム分野の技術者)中心に開発をしています。
- 導入時にトレーニングを受け、3名体制で内製化しています。
- 内製にしようとして1度失敗した経験があります。2−3本のフローをベンダーに開発してもらった後、内製化しようとしましたが、結局誰も使わず5年間塩漬けしてしまいました。その後、使い始めたところ慣れてきて便利になり、積極的に使うようになりました。
- 他部署の新入社員を受け入れ開発をしてもらってましたが、それでは工数が足りなくなり、現在はオフショアでの開発を行っています。
Q. オフショア開発はうまくいかないという話も聞きますが、うまくいっているのでしょうか?
- 手本となるテンプレートフローと入出力仕様を渡しています。自由に作るのはNGとしています。このルールだけで今のところうまくいっています。
Q. 最後に会場からの質問:フローが増えてきた際のフローの管理方法を教えてください。
- フォルダー体系とフローファイル名の命名規則を決めています。
- 業務ごとにフォルダー分けを行いフローファイル名の命名規則も決めています。命名規則としてフローファイル名を英語の名称で規定してしまいましたが、後から日本語の方がわかりやすく良かったと少し後悔しています。
ご登壇者の皆様、経験に基づく大変有用な情報提供やアドバイスをありがとうございました!
参加された方からは以下のようなコメントをいただきました。
- 3社様の運用方法等が聞けて参考になった。
- 3社とも事例が異なっていて、おもしろかったです。
- パネラーとしてですが、有益な議論でした
- 各社それぞれのお話がきけて参考になりました。
- 他社事例を聞けてよかったです。
- 他社さんはどう使っているのかを聞くことが出来て、面白かったです。めったな要件でない限りできないことはないというコメントで、自信がつきました。
- ユーザの現場で特に運用面の話が役に立った。
- モデレーターの田中様、上手に説明して頂きありがとうございました。
- 生の声が聞けて面白かったです。
- 色々な意見があって良かったです。
- フローの管理方法が参考になった。
授賞式
第1部の最後には、先に行われたASTERIA Warpクイズの大阪最優秀賞を受賞された株式会社エクセディ 松下智彦様の受賞式が行われ、スピーチをいただきました。
松下様、おめでとうございます!
株式会社エクセディ 松下智彦様
編集後記
セミナー終了後には、第2部として同会場にて情報交流会が開催されました。
多くの方がこの場を有効にご活用いただけているご様子で大変嬉しいかぎりでした。ぜひ次回もご参加をお待ちしております!
