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顧客データベースを作成するメリットや有効活用するためのポイントを解説

2022/06/10

Customer Profile Analysis

顧客データベースとは

顧客データとは、企業が集めた顧客の情報のことを言います。顧客データには「定性データ」と「定量データ」の2種類があります。

定性データは、街頭インタビューや自由回答形式のアンケートなどで集めた情報です。定性データは顧客の率直な意見を得られる反面、数値化することが難しいという特徴があります。

一方、定量データはBtoBの領域では取引先の企業名や企業データ、取引をしている商品や金額など、 BtoCの領域では名前や居住地などの個人情報や、解答を選択するタイプのアンケートなど、数値化が容易なデータを言います。定量データは分析が容易な反面、正確な情報を得るためには、より多くのデータを集めなければならないという特徴があります。

そして、顧客データベースとは、顧客の定量データや定性データを管理するために利用されるデータベースのことを言います。企業によって必要とするデータに差異はありますが、概ね以下のような項目で作成することが一般的です。

  • 氏名
  • 住所
  • 生年月日
  • 家族構成
  • 電話番号
  • 携帯電話番号
  • メールアドレス
  • 勤務先名
  • 勤務先の電話番号
  • 勤務先の所在地
  • 所属部署・役職
  • 年収
  • 趣味・趣向
  • 購入・利用履歴

顧客データベースのメリット

顧客データベースを作成することで、次のようなメリットが得られます。

クロスセル・アップセルが望める

「クロスセル」とは、顧客が購入を検討している商品とは別に、他のサービスや商品を購入してもらうことを言います。一方「アップセル」は、顧客が購入済みの商品や、購入を検討している商品よりも高価な商品・サービスを買ってもらうことです。

クロスセルとアップセルのメリットは、購入者を増やすためにコストを掛けずに売上を伸ばせる点にあります。顧客を新規で1人増やすよりも、既存顧客に+αで商品を購入してもらったり、より高い商品を購入してもらう方が手間やコストカットに繋がります。

そんなクロスセルやアップセルを狙う際に、重要となるのが顧客データベースです。顧客の趣味嗜好や意見・要望を収集して購買傾向を把握しておくことで、クロスセルやアップセルに繋げることができます。

顧客のニーズを把握できる

クロスセルやアップセルを狙う場合、相手の好みなどを把握しておく必要があります。顧客データベースを作成しておくことは、顧客のニーズを知る手がかりとなるのです。顧客の嗜好が理解できれば、商品やサービスの提案、そして売り逃しを防ぐことが可能です。

営業を効率的に行える

顧客に対して営業する際、相手が何を欲しているのかを知っておくことは重要となります。顧客は興味のない商品やサービスを購入することはまずありません。顧客データベースで顧客の情報を管理することで、顧客に商談する最適なタイミングなどを把握することができ、営業を効率的に行うことができます。
あらかじめ顧客データベースを作成しておくことで、顧客データを基に効率的に営業活動ができます。データベースから検索も可能なため、商品やサービスにマッチした顧客を容易に探すこともできます。

顧客データベース作成時の注意点

エクセルで顧客データベースを作成する際は、氏名や住所などの項目は横方向、データは縦方向に入力するのが基本となります。

NG例

名前 ◯◯◯
住所 ABC
電話番号 123

上記のように、項目を縦に入力するとデータの並び替えができなくなります。せっかくデータベース化して検索がしやすくなったのに、これでは機能を活かせません。

OK例

名前 住所 電話番号
◯◯◯ ABC 123

顧客データベースを作成する際は、必ず項目は横方向、データは縦方向を心がけてください。

また、データとデータの間には、無駄な行間は作らないようにしましょう。データベースが機能しなかったり、ソートができなくなる恐れがあります。

顧客データベースの作り方:Excel

以下ではExcelを使った顧客データベースの作り方を解説します。

顧客データベース作成の流れ

顧客データベース作成は、次の流れで行います。

  1. 項目名の決定
  2. データ入力
  3. データベース化

データを入力する前に、まずは必要な項目を決定しましょう。顧客データベース化に必要な項目が決まったら、横方向に項目を、縦方向にデータを入力します。項目が長くてスクロールバーが表示されても、入力フォームを使うことで解決します。

項目を作成した後は、Excelシートかユーザーフォームからデータを入力します。間違っても一つの行に全てのデータを入力しないように注意しましょう。

項目とデータ入力が終わったら、データベース化します。データベース化したい範囲を選択し、画面上部のホームタブから「テーブルの書式設定」を選びます。「テーブルの書式設定」でスタイルを選択したら完成です。

Excelで使える機能

Excelでは以下の機能が利用できます。

Excelのオプション

フォーム機能

フォーム機能を使うことで、データベースが見やすくなります。メニューのオプションから「クイックアクセスツールバー」を選択します。続いて「すべてのコマンド」にある「フォーム」から、クイックアクセスツールバーに追加して「OK」をクリックすると、ツールバーにフォーム機能が追加されます。

ウィンドウ枠の固定

ウィンドウ枠を固定

データベースの項目が長すぎると、枠外に文字が出てしまいます。項目が増えると横スクロールした際に、データが見づらくなってしまいます。そこで、画面上部の「表示」から、「ウィンドウ枠の固定」を選択し、固定したい列や行を選択すればセルを固定することができます。

固定を解除したい場合は、「ウィンドウ枠の固定」を選択後に「ウィンドウ枠固定の解除」を選ぶことで解除されます。

ウィンドウ枠固定の解除

重複のチェック

重複チェックは、同一の顧客データがないかをチェックするために必要な機能です。画面上部のホームタブから「条件付き書式」をクリックし、「重複する値」を選択します。ハイライトされたデータは重複していることを示しています。

顧客データベースの作り方:CRM

顧客データベースはエクセルを使って作るのが一般的です。しかし、顧客数によっては多大な時間と労力を必要とするのがネックです。

そんな時にオススメなのが、CRM(Customer Relationship Management)ツールです。顧客の氏名や年齢など、全ての情報を一元化して管理することができます。

それぞれのツールによって使い方は違いますが、取引先名・担当者名などそれぞれのシステムに組み込まれている枠に合わせて入力をしましょう。下記が顧客管理ができるCRMとして有名なシステムです。

Microsoft Dynamics CRM

Dynamics 365

Salesforce

Salesforce

HubSpot

リードの獲得

SATORI

リードマネジメント

他にも、Marketoやzoho CRM、ServiceNow、クライゼルといった様々なCRMが提供されているので、自社に合ったものを選ぶために、様々なツールを比較・検討することも重要です。

顧客データベースを作る上でのポイント

顧客データベースを活用するために、作成前に押さえておきたいポイントを以下でご紹介します。

管理する情報項目の精査

顧客情報の項目をむやみやたらに増やさないようにしましょう。いざデータベースを作ろうという段階になると、「どの情報も必要なのではないか」と考え始めるものです。

しかし、項目を増やしすぎると入力や管理に多大な労力が必要とされます。しかも、項目を作ったものの、使わない可能性もあります。

顧客データベースを作成する際は、どの項目が必要なのかをしっかりと精査することが重要となります。

入力形式の統一

顧客データベースへの入力形式を統一するのは基本中の基本です。形式を無視して顧客データを入力すると、情報のソートが使えなくなったり、記入漏れなどヒューマンエラーが発生する恐れがあります。

時間をかけて顧客データベースを作成しても、入力形式がバラバラなために使い物にならなくなる可能性もあるのです。

顧客データベースを作る際は、必ず入力形式などを社員間で共有しておく必要があります。

顧客データベースを有効に活用するポイント

顧客データベースを有効に活用するポイントについて、ご紹介します。

データを常に最新にしておく

顧客データベースを作成しても、情報が古いままでは意味がありません。顧客ニーズは流行によって移り変わるものです。すでに関心がなくなった商品やサービスの営業をしても、拒否される可能性が高くなります。

機会損失を防ぐためにも、常に最新の定量データ・定性データを収集し、顧客データベースを更新する必要があります。

そのためには社内にある各種システムとのデータを連携をしておくことが重要です。リアルタイムで情報を取っておくことが、顧客データをうまく活用することに繋がります。

運用ルールを決めておく

データの収集、分析、入力は、どのタイミングで誰がするのかなど、運用ルールを明確に決めておく必要があります。

誰でも好き勝手にデータを収集・入力した結果、顧客データが重複する恐れがあります。なにより、同じ質問を繰り返すことは、顧客からの信用を失う可能性があります。顧客データの運用は、しっかりとルールを決めて取り扱うべきです。

同時に、セキュリティ対策も十分に行う必要があります。顧客データの漏洩は、顧客からの信用を失うなど企業に致命的な損害を与えます。顧客は企業側を信用して個人情報を提供しています。データ漏洩は、顧客の信用や信頼を裏切る行為といっても過言ではありません。

顧客データの重複や漏洩、損失を防ぐために、運用のルールや管理を徹底する必要があります。

顧客データベースの構築実例

顧客データベースを構築することでどのような結果が得られたのかを、データ連携ツール「ASTERIA Warp」を使った実例をご紹介します。

さくらインターネット

クラウドサービスや、レンタルサーバーなどを提供することで知られる「さくらインターネット」では、Sansanやkintoneといったクラウドサービスを活用していました。

しかし、kintone上に顧客への営業状況がなく、どの顧客に営業済みかなどを別システムで確認する必要がありました。

そこで、Sansanで習得した顧客情報をkintoneにリード情報として登録し、営業済みかをチェックする機能を追加しました。

結果、リードステータスを確認する手間が省けたことで、月40時間にも及んでいた検索や確認作業がカットされました。これにより、営業活動を大幅に効率化することに成功しました。

詳細はこちらからご確認ください。

ワタベウェディング株式会社

ワタベウェディング株式会社では、販売管理システムや会計システムを連携するために、ASTERIA Warpを導入しました。それに伴い、業務提携ごとに異なっていたCRMシステムを統合する運びになりました。

システムの引き継ぎに伴い、「資料請求メール受付」や「電話・ホームページからの問い合わせ登録」、「店舗接客情報入力」が別々になっていました。

そこで、電話・ホームページからの問い合わせ情報をASTERIA WarpでSalesforceに自動登録し、全ての問合せ履歴を集約することにしました。

結果、開発コストを最小限に抑えつつ、システムの相互連携を2週間で実装することができました。

詳細はこちらからご確認ください

服飾小売/卸売業 B社

顧客の購入状況やECサイトの閲覧状況などを、顧客ごとに収集・分析しスコアリングし、スコアに合わせて顧客ニーズに合うコンテンツを配信したいと考えていました。

ASTERIA Warp Coreを導入後、顧客の求めるコンテンツを配信できるようになったことで、メールの到達率や開封率が大幅にアップしました。

詳細はこちらからご確認ください。

まとめ

顧客の購買行動やニーズを把握するために、顧客データベースの作成は必要不可欠です。運用ルールを明確に決めたうえで活用することで、クロスセルやアップセルを狙う際に役に立ちます。

顧客データベースの構築は、営業効率の向上も見込めるため、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょう。

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