メタデータ管理とは|重要性やメリット、注意点を紹介

2025/10/07  | ASTERIA Warp チーム

metadata

メタデータ管理とは

メタデータ管理とは、どのようなデータをどのように管理することなのか具体的に紹介します。

メタデータとは

メタデータは「データのためのデータ」と表現されます。あるファイルAについて、以下のようなデータがメタデータです。

  • ファイル作成者
  • ファイル作成年月日
  • ファイルのサイズ
  • ファイルの形式
  • ファイルの格納場所

Aというファイルを説明するための付帯情報がメタデータといえます。

メタデータの種類

メタデータは次の3種類に分けることができます。

  • テクニカルメタデータ
  • ビジネスメタデータ
  • オペレーショナルメタデータ

ひとつずつ紹介していきます。

テクニカルメタデータ

テクニカルメタデータはITにおけるメタデータで、以下のような情報を指します。

  • データベースのプロパティ
  • カラムのプロパティ
  • アクセス権

ビジネスメタデータ

ビジネスメタデータとは業務に関するメタデータを指します。用語の定義や業務ルールが整理されることで、業務効率化や意思決定に役立ちます。

  • 業務の中で使われる名称
  • 業務ルールや変換ルール
  • 計算方法

オペレーショナルメタデータ

オペレーショナルメタデータとは、データの利用状況や運用に関する情報を示すメタデータです。

  • プログラムの実行ログ
  • データの抽出
  • 更新結果

メタデータはどこで管理されている?

身近なWordやExcel、PDFデータなど全てのファイルにメタデータが存在し、それらのメタデータは簡単に確認することができます。確認したいファイルを選び、Windowsなら右クリックで「プロパティ」を、Macならファイルから「情報を見る」を選びます。

Traditional Data Interchange、EDI Flectronic Interchange

すると、そのファイルの種類やサイズ、作成日や最終変更日などが記載されていますが、これらがメタデータです。付帯情報なので、そのファイルに付帯して管理されています。

また、メタデータは図書目録に例えることができます。図書目録がない状態で、図書館からタイトルだけで1冊の本を探すには時間がかかるものの見つけ出すことは可能でしょう。しかし、「10年前に出版された鳥に関わる本」を全て探さなければいけない場合、1冊も漏らさず見つけ出すのはとても困難です。

このようなとき、図書目録として出版日や内容に関するメタデータが登録されていれば、欲しい本を簡単に探せるようになります。

メタデータ管理の重要性

メタデータ管理が重要視されている理由は、データ利活用の推進にメタデータが必要不可欠だからです。

例えば、メタデータを活用して、さまざまな情報からデータを分析することで商品やビジネスプロセスの改善に役立てることができます。また、データをどのように扱っているのか、という点に注目するとセキュリティ等の強化にもつなげられます。

メタデータは情報量が多いので、それぞれのデータにどのような意味があるのか、どこに整理しているのかなどを管理しておくことが大切です。管理しておくことで必要な情報をすぐに取り出し、分析できます。

メタデータの活用シーン

例えば、メタデータを活用するシーンにはこのようなものがあります。

電子帳簿保存法の「検索性の確保」では、保存した請求書などの膨大なファイルに対して日付や金額、取引先などを検索できるようにすることが必要です。さらに、検索では範囲検索や複数条件を組み合わせて検索することも求められます。もし、メタデータを付与せずに、日付や金額がファイルを開かないとわからない状態では、検索性を確保することができません。ファイルに対して関連するメタデータを付与することで、そのメタデータを検索し、目的のファイルを探し出すことができるので、電子帳簿保存法の「検索性の確保」を満たすことができます。

以下の動画では、メタデータ管理の自動化により改正電帳法への対応をスムーズ、かつ低コストで実現するための対応策を、各業務プロセスごとに解説しています。

メタデータ管理のメリット

メタデータ管理をすることで具体的にどのようなメリットがあるのかご紹介します。

データ活用、データの可視化

メタデータ管理ができていないと、データの量が多すぎる上、社内のさまざまなシステムに分散しているデータの中から、必要なデータを探し出すのはとても大変です。

メタデータ管理をすることで、どのようなデータがどこにあるのか、が可視化できるようになり、結果としてデータを活用するための準備期間が短縮され、データ分析を素早く行うことができます。また、間違ったデータを利用してしまい、その分析結果やそのデータを元にした意思決定に影響が出てしまうリスクも下がります。

セキュリティ

各データでは次のようなことをメタデータで管理することができます。

  • データの更新日
  • アクセス権
  • データリネージ(データの流れ)

これらを確認することでデータが適切に管理されているのか、適切な方法でのみ利用されているのかを監視できるようになります。

特に、個人情報については厳重な管理が必要です。ただのデータとして管理するだけではなく「個人情報である」ことをフラグなどで追加することにより、利用者が注意を払いやすくなり、適切なセキュリティレベルを確保できるようにもなります。

一方、メタデータの内容を知らずにファイルを公開してしまうことで、メタデータ内にあった個人情報などが流出してしまう可能性がある点では取り扱いに注意が必要です。便利な反面、注意事項もある点を認識しておくと良いでしょう。

メタデータ管理のポイント

メタデータ管理の具体的な手順をご紹介します。

何のためにデータを集めるのか目標を決める

どのような目的のためにデータを集めるのかを明確にします。例えば、「商品開発」や「セキュリティ強化」などです。

目標を決めずに「とりあえずデータを見てみたい」という理由でデータ収集を始めると、データの量が膨大になりすぎてしまいます。

必要となるデータを決める

前段階で決めた目標に合わせて必要となるデータを決めます。必要な情報を過不足なく集めるために重要な工程です。データが足りないと正しい分析が難しくなります。

データを作成、必要に応じて更新

必要なメタデータを作成します。ツールを使ったりIT担当者と業務担当者が連携したりして品質の高い有効なデータを収集します。

また、データには鮮度があるので、必要に応じて新しいデータを取り入れ更新する必要もあります。

メタデータ管理の注意点

メタデータ管理をする上で、注意しておいた方が良いことをご紹介します。

「集められるデータ」を中心に考えない

メタデータの収集・管理には時間がかかります。そのため、必要なものを過不足なく集めるということが重要です。

まず前述した管理の手順に基づき必要なデータを考えます。すでに手元にある、もしくは収集可能なデータの中から必要なものをピックアップすると、本当に必要なものが集まらなくなるリスクがあります。

また、「いつか必要になるかもしれないから」という理由で集められるだけ集めてしまおうと考えてしまいがちですが、収集と管理にかかる時間を考えると必要になってから集めた方が効率が良いでしょう。事前に集めておくとデータの鮮度が落ちてしまい、結局、使えなくなってしまうかもしれません。

データカタログを導入する

メタデータを効率的に管理するには、データカタログの導入が効果的です。データカタログとは、組織内に散在するメタデータを一元的に収集・整理し、誰でも必要なデータをすぐに見つけられるようにする仕組みです。
主な機能は以下のとおりです。

  • メタデータの自動収集と分類
  • キーワードやタグによる高度な検索
  • データの品質・更新履歴の可視化
  • 部署や役割に応じたアクセス権限の設定

ここからは、データカタログを利用するメリットをご紹介します。

検索性の向上

メタデータを参照する際、従来は担当者に問い合わせたり複数のシステムを横断して確認したりする必要がありました。ですがデータカタログを活用することで、キーワードやタグ検索によって直感的なアクセスが可能になります。これにより、現場の社員が自分でデータを見つけられるようになり、業務のスピードと効率が大幅に高まります。

データ品質の安定

データカタログは単に検索性を高めるだけでなく、データの品質を維持・向上させる役割も果たします。更新日時や利用履歴、エラー情報といったオペレーショナルメタデータを可視化できるため、古いデータや不完全なデータを誤って利用するリスクを防げます。

分析スピードの改善

データカタログは、DWH(データウェアハウス)のように集約されたデータ基盤と組み合わせて使うことで、さらに効果を発揮します。例えば、DWHに蓄積された膨大なデータもメタデータに基づいて検索すれば、レポート作成やデータ分析が迅速になるでしょう。

データドリブンの推進

データカタログを導入すると、部署ごとにサイロ化(分断)されがちなデータを横断的に共有できるようになります。営業、マーケティング、経理など、立場の異なる部門でも共通のデータ基盤を参照できるため、コミュニケーションの齟齬が減り、業務連携がスムーズに進みます。さらに、全社員が同じ定義や品質基準でデータを扱えるようになることで、組織全体でのデータドリブンな意思決定が加速します。

メタデータ管理事例

ここからは、データ連携ツール「ASTERIA Warp(アステリア ワープ)」を活用した具体的なメタデータ管理事例をご紹介します。ASTERIA Warpには多数の連携アダプターが用意されており、異なるシステム同士からデータを収集・変換し、統合的に管理することが可能です。

例えば、Boxアダプターを利用すれば、Boxと社内外の自動連携が可能になり、日常業務における生産性向上と社内システムの保守管理における業務効率化を実現します。

また2025年4月からは、メタデータ管理を中心にしたデータマネジメントプラットフォーム「Mashu」がASTERIA Warpからのメタデータ収集に対応しました。これにより、ASTERIA Warpで統合されたデータソースのメタデータをMashu上で迅速に管理し、データの引用・抽出元、加工プロセス、保存先などのメタデータの見える化を実現します。

DWHでデータ集約し、必要な時に分析できる

メディア事業やインターネット広告事業などを展開している株式会社サーバーエージェントでは、DX推進の一環としてデータ活用の強化を検討していました。しかし、さまざまなシステムを利用していたため、データが散在している点が課題でした。また、新しいサービスの利用やフォーマットの変更があると、システム開発が完了するまで手動でデータ収集をしなくてはいけない点も改善したいと考えていました。

そこで、データ連携ツールASTERIA Warpを導入し、クラウドDWH(データの倉庫)にデータを集約し、必要なときに分析できるようにしました。DWHにあるデータはメタデータで分類も可能なので必要な時に必要なデータを確認できます。

この事例についての詳細はこちらのページでご確認ください。

Box連携で電子帳簿保存の効率化と検索性の向上を実現

トヨタ自動車北海道株式会社は、電帳法への対応に伴い、システムの整備、運用にかかわるコストや作業負担の大きさが課題となっていました。そこで、「ASTERIA Warp Core(アステリアワープコア)」を導入し、会計システムから請求書データをBoxに自動で集約・格納する仕組みを構築。帳票へのメタデータ付与を含めた電帳法への対応を低コストかつスピーディーに実現しました。

この事例についての詳細はこちらのページでご確認ください。

まとめ

メタデータ管理とはデータのデータを管理することです。メタデータ管理をすることでデータの属性を確認することができデータの利活用がしやすくなります。また、システム開発や運用保守、セキュリティに生かすこともできるのがメリットです。

メタデータ管理をする際は、管理ツールを使って管理したり、DWHに一旦データを集めて必要なときに必要なデータを取り出して使用する方法があります。

ASTERIA Warpではさまざまなシステムとのデータ連携がノーコードで可能です。IT部門に依頼せずとも現場が欲しいと思うデータを自分で集められるようになるため、迅速にデータ分析を始められます。具体的にどのような方法でメタデータ管理をしているのか知りたい方は、こちらの資料がおすすめです。



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執筆者:ASTERIA Warp チーム

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