2025年8月7日
アステリアの社外取締役でもあるアニス・ウッザマン氏が創業者兼CEOを務める 米 ペガサス・テック・ベンチャーズ が主催する、スタートアップ・ワールドカップ。2017年より開催されている本大会は ”世界最大級のグローバルピッチ …
アステリアの社外取締役でもあるアニス・ウッザマン氏が創業者兼CEOを務める 米 ペガサス・テック・ベンチャーズ が主催する、スタートアップ・ワールドカップ。2017年より開催されている本大会は ”世界最大級のグローバルピッチコンテスト・カンファレンス” として知られています。
これまで in.LIVE では、2017年の初年度開催から毎年その様子を追っており、in.LIVEを運営するアステリア 代表取締役CEOの平野も、大会の審査委員長として、グローバルに活躍するスタートアップ企業の成長を見守ってきました。
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◆9月8日の東京予選開催直前! 世界最大級のグローバルピッチコンテスト『スタートアップワールドカップ2023』主催のアニス氏にインタビュー
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そして2025年ーー。 今年もサンフランシスコで行われるグランドフィナーレ出場権を競って、世界50以上の国と地域で予選が行われており、来る 2025年7月18日(金)には、グランドハイアット東京にて東京予選が開催。
会場とオンラインをあわせて、なんと約4,000名以上の観客が参加したのだとか。スタートアップ企業はもちろんのこと、新規事業やスタートアップとの共創に取り組む企業の方々など、会場は多くの人で賑わっていました。
本記事ではスタートアップワールドカップ2025 東京予選の様子を、ダイジェストでレポートしていきます!
大会を主催するペガサス・テック・ベンチャーズの創業者兼CEOのアニス・ウッザマン氏の挨拶からスタートした本大会は、内閣官房長官の林芳正氏や、デジタル大臣の平将明氏などによる挨拶もありました。
その後は、毎年恒例のパネルディスカッションが行われました。登壇したのは、以下の4人。ペガサス・テック・ベンチャーズ パートナーの森本 作也氏がモデレーターを務めます。
◆ 江川 昌史氏 |アクセンチュア ジャパン 代表取締役社長/CEO 兼 アジアパシフィック共同CEO
◆ 大塚 俊彦氏|デル・テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長
◆ 高野 真氏|Forbes JAPAN Founder ペガサス・テック・ベンチャーズ アドバイザー
ディスカッションの主なテーマは、スタートアップとの連携、日本の企業が直面する課題と機会、AIの活用、そしてリーダーシップの重要性などーー。
江川氏は企業間協業について、カルチャーの重要性を強調し、アクセンチュアでは「M&A」ではなく「V&A(ベンチャー&アクイジション)」という考え方を採用していることを説明。買収した企業の独自技術や強みを活かすことが成功の鍵であり、先方企業の文化(カルチャー)を尊重し、自社のインフラを最大限に活用してもらうことが重要だと述べました。
またフォーブス編集長として10年にわたり日本のスタートアップコミュニティを応援してきた高野氏は、2014年のフォーブス創刊時から「大企業とスタートアップが組んで日本を変える」というテーマを掲げていたが、なかなか実現しなかったと振り返りました。しかし最近は変化が見られ、「スイングバイIPO(※)」のような成功例も出てきていると指摘しています。
(※)スイングバイIPO・・・従来のIPO(新規株式公開)のプロセスを活用しつつ、特定の戦略を採用して投資家にとっての利益機会を最大化する手法のこと
さらに、今回の大会のグローバルスポンサーでもあるDELLの大塚氏は、グローバル企業の視点から、日本市場のポテンシャルは非常に大きいとポジティブに評価。特に生成AIの時代において、日本の労働力不足に対応するための生産性向上、営業や製造など、現場の高い技術・サービスレベルの継承などの面で大きな可能性があると述べました。
その一方で、課題として、テクノロジー人材の不足を指摘。実はアメリカではIT人口の7割がユーザー企業側にあるのに対し、日本では逆に3割しかないという状況を説明しました。
印象的だったのは、高野氏が語った『日本のスタートアップ企業には「勝ちパターン」が欠如している』という話。実際、日本には世界の30%のアイデアがあるにもかかわらず、それを世界に広げるビジョンや戦略が不足しているのだとか。アメリカや中国の人たちとCo-founderになって、日本人と外国人のコンビネーションによって日本のアイデアを世界に広げることが一つの勝ちパターンになり得ると提案しました。
大盛りあがりのうちにパネルディスカッションが終了し、その後はいよいよ! 全10社のスタートアップ企業によるピッチコンテストがスタート。大会の勝敗の行方を、会場いっぱいの参加者たちが見守ります。
東京予選の審査員メンバー8名によるパネルディスカッションを終えて、いよいよスタートアップ企業のピッチコンテストがスタートしました。東京予選に出場したファイナリストは、以下の10社です。
スタートアップワールドカップ2025 東京予選 出場企業(アルファベット順)
株式会社Acompany、bitBiome株式会社、株式会社Dioseve、株式会社イムノセンス、インターステラテクノロジズ株式会社、株式会社LINK-US 、株式会社NearMe、株式会社ニューラルポート、株式会社OPENREC、株式会社TBM、つばめBHB株式会社
最初に登壇したのは、超音波複合振動接合技術を持つ「LINK-US」。
製造の現場で30年以上働いてきたという代表が、金属を溶かさずに原子の結合する力で異種金属を接合する特許技術と、独自のビジネスモデルについて発表しました。
続いては、データ活用/機密情報の漏洩を解決する「Acompany」。
機密データを暗号化した状態で計算や分析ができる高速な秘密計算エンジンを開発しており、生成AI時代の安全装備として活用できる点が評価されました。
ほかにも、オーバーツーリズムの問題を解決する “シェア乗り” を打ち出す「NearMe」や、iPS細胞から卵巣細胞をつくり、卵子を体外で培養する新たな不妊治療を提案する「Dioseve」、環境負荷の少ないアンモニア合成装置で、地産地消のグリーン肥料モデルを確立する「つばめBHB」、
VRやAIを活用して脳疲労を可視化し、軽減する技術を持つ「NeuralPort」、
ロケットの開発から打ち上げまで、低コストな宇宙輸送インフラを構築する「インターステラテクノロジズ」、革新的な解析技術で微生物の遺伝子データを取得し、バイオもの作りに活用する「bitBiome」、データとレコメンドエンジンを活用した動画配信プラットフォームを展開する「OPENREC」ーー と、多様なジャンルのプレゼンテーションが続きます。
ラスト2社は、プラスチックや紙の代替としての利用が見込まれる、二酸化炭素を原料に開発した「CI RIMEX」と呼ばれる新素材を発表した「TBM」。
そして、血液から心不全などを迅速かつ高精度に測定できる、次世代の小型免疫検査デバイスを開発する「イムノセンス」でした。
後半のパネルディスカッションや早稲田大学チアリーディングのチームによるパフォーマンスを挟んで、ついに結果発表! 厳正なる審査の上、第3位には、AIを活用しルートを最適化した相乗りタクシーサービスを展開する株式会社NearMe、
第2位には、ロケットの開発から打ち上げまで手掛けるインターステラテクノロジズ株式会社が選出されました。
そしていよいよ優勝企業の発表….!
見事、東京予選を制し、10月にサンフランシスコで開催されるスタートアップワールドカップ世界決勝大会に進出するのは ーー 機密データを暗号化した状態で計算や分析ができる高速な秘密計算エンジンを開発する、株式会社Acompany です!
ステージに登壇したのは、株式会社Acompanyの代表を務める高橋 亮祐氏。おめでとうございます!
さらに東京予選では、複数の特別賞も発表されました。年間の優秀な功績を収めたスタートアップに送られる 「Startup of the Year」にはタクシーアプリ「GO」を提供するGO株式会社。
また、株式会社ジャパネットホールディングスからは、超音波で異種金属を溶かさず接合する株式会社LINK-USへ、投資賞金5,000万円の「ジャパネットグループ賞」が授与されました。
改めて、熱い戦いを見せてくれた出場スタートアップの皆さん、おつかれさまでした! この日交わされたアイデアや出会いが、未来を動かすきっかけになるはず。それぞれの挑戦がどんな進化を遂げていくのか、これからも注目していきたいです!
イベント終了後、駆けつけた報道陣にインタビューされる Acompany代表 高橋氏
Acompanyのnoteでは、その舞台裏も詳しく紹介されていましたよ! 本番に向けての綿密な準備や戦略、当日は全社一体となってプレゼンに挑んだ Acompany の熱量が伝わります……!
なお、本イベントはYouTubeにてアーカイブ動画が公開されているので、ピッチ内容など全貌が気になる方はぜひこちらでご覧ください。
そして、スタートアップワールドカップ2025はまだまだ続きます! 次なる舞台は東北予選 ── 熱い挑戦のバトンは、仙台へ。
2024年8月22日(金) 13:00〜17:00、東北大学 川内萩ホールにて開催される東北予選では、東北エリアから新たなスター候補たちが登場予定! 現地での観戦をご希望の方は、以下のリンクをチェックしてみてくださいね。
▶︎観戦チケットのお申込みはこちら https://swc2025-tohoku.peatix.com/
▶︎イベント詳細はこちら https://www.startupworldcup.io/tohoku
次はどんな革新的なスタートアップが現れるのでしょうか。ぜひ会場で、その瞬間を目撃してみてください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。