レポートは多くの場面で求められますが、作成に時間を取られ、本来注力すべき業務にリソースを割けないといったケースも少なくありません。そこで注目されているのが、レポート作成の自動化です。
本記事では、レポート作成における課題や、自動化を実現する方法を解説します。
また、レポート作成にノーコードツールを活用するメリットや、多くの企業で導入されている「ASTERIA Warp」の事例もご紹介します。
業務効率化やDXを検討しているご担当者様は、是非最後までご覧ください。
目次
ビジネス活動におけるデータ分析とレポート作成は重要な業務です。データを可視化し、各部署、担当者と共有しながら指標に対する進捗を管理するためのレポート作成ですが、最近のビジネス活動に伴うデータ量の増大によって次のような課題が指摘されています。
たとえば、Microsoft ExcelやPowerPointなどを使い、手作業でレポートを作成することによる作業負荷の高さという課題です。
レポート作成のために、社内各所に散在するデータを手動で収集、集計し、グラフや図などを使って視覚化する作業は、多くの時間と労力を要します。また、手動で複数のファイルを使い複数の工程を行うことにはミスがつきもので、そのチェックが大変であることや、作業の巻き戻しによって多くの時間・労力がかかる可能性もあります。
手作業によるレポート作成では、データソースが更新されるたびに集計、反映する必要があるため、手作業で常に最新の状態に保つことが難しいという課題があります。そのため、レポートの内容とデータの最新の状況に時間差が生まれることになります。
担当者ごとに使用するアプリケーションやフォーマットが異なり、業務が属人化しやすい課題があります。統一したフォーマットがなく、レポートの内容にもばらつきが生じる可能性もあります。
レポート作成を自動化することで、次のようなメリットが考えられます。
レポート作成を自動化することで、それ以外のコア業務に注力できるようになります。クライアントとのコミュニケーションや、スキルアップのために時間を使うことも可能になります。
手作業で作成していたレポートにはどうしても人的なミスが発生するため、チェックや修正に工数がかかり、業務負荷が増大していました。自動化によりミスが無くなることで、その手間や時間を削減することができます。
レポート作成を自動化すると、作成手段やフォーマットが統一され、属人化をなくすことができます。標準化による業務効率化の効果が期待できます。
レポート作成を自動化するには、大きく以下の2つの方法があります。
Excelにはレポートを自動作成する機能が備わっており、これらを上手に活用することでレポート作成時間を削減することが可能です。ただし、機能の有効活用には、ある程度の知識が必要です。
専門知識がなくても簡単にレポート作成を自動化できるレポーティングツールの利用も有効です。属人的な業務を標準化する効果も期待できます。
たとえば、視覚化機能とレポート機能を備えたBI(Business Intelligence:ビジネス・インテリジェンス)ツールの一つに「Tableau(タブロー)」があります。BIツールは、膨大なデータを収集・分析・加工し、経営戦略のための意志決定を支援するツールで、Tableauは、強力な視覚化エンジンと使いやすいインターフェイスにより、データをスピーディにチャートやレポート、ダッシュボードに変換できます。
「ノーコード」とは、プログラミング言語でコード(プログラム)を書かずにシステムを開発する方法を指します。
専門的なスキルを持たなくても簡単に操作できるため、非エンジニアの現場担当者でも業務プロセスを効率化しやすいのが特長です。
以下では、ノーコードのデータ連携ツールを活用するメリットを解説します。
データ連携を実現する方法として、エンジニアの雇用や外部への開発依頼が考えられますが、多額のコストがかかってしまいます。
一方、ノーコードツールはドラッグ&ドロップで連携を行えるため、専門的なスキルが不要です。
現場の担当者でも短期間でシステムを構築でき、大幅なコスト削減につながります。初期投資だけでなく運用費用も比較的安価なツールが多いため、開発コストを抑えやすい傾向にあります。
Excelなどの表計算ソフトにもレポート作成機能は備わっていますが、基本的には単一のファイル内でのデータ処理に限られます。そのため、ファイルやシステム、紙の書類から必要なデータを手動で収集・入力する作業が発生し、大きな負担となります。
一方、ノーコードツールには「アダプター」と呼ばれる機能が搭載されており、Excelやデータベース・BIツールなどさまざまなシステムを接続することが可能です。
これにより、社内で利用しているシステムを接続することで必要なデータを統合・変換し、レポートの作成や出力を自動化できます。手作業による転記ミスを防ぐだけでなく、経営判断のスピードも大幅に向上するでしょう。
システム連携を外部に委託すると、修正のたびに費用や時間がかかり、迅速な対応が難しい場合があります。
しかし、ノーコードツールはGUI(Graphical User Interface)を採用しているため操作が分かりやすく、全体の動きも直感的に把握できます。
たとえば、「レポートを自動作成した後に関係者へメールを送信する」といった新しいフローを従業員自身で設定することも可能です。
業務改善のハードルが下がるため、現場主体でDXを進めやすくなります。
ノーコードのデータ連携ツールはいくつかありますが、これまで1万社以上の企業に採用されているのが「ASTERIA Warp(アステリア ワープ)」です。
ASTERIA Warpは、基幹業務システムや業務アプリケーション、クラウドサービスを含む100種類以上のデータソースに対応しており、複雑なデータ連携や変換を高速かつ簡単に実現します。
また、連携先のシステムに応じた開発が不要で、特定のBIツールなどとの連携をさらにスピーディに、スムーズに行うことができる専用のアダプター機能が用意されています。
たとえば、「Tableauアダプター」は、BIツール「Tableau」のデータ抽出ファイル(.tdeファイル)の作成と、Tableauサーバー、Tableau Onlineへのパブリッシュを行うことができるアダプターです。分析データを自動作成したり、複数ソースのデータをまとめたりすることで、分析効率を向上させるだけでなく、分析結果の迅速な共有にも対応します。
たとえば、一般社団法人日本自動車販売協会連合会 東京都支部では、基幹システムの刷新を機に、Excelマクロ(VBA)を用いた統計データ生成作業による属人化に以前から課題を感じていたため、「ASTERIA Warp」に刷新しました。
さらに、社内で活用しているkintoneとも連携させ、基幹業務システムから1ステップで簡単に統計データを自動生成する仕組みを構築しました。
この他にも、税金納付書ファイルを会員企業に自動メール送信する仕組みなど、kintoneとASTERIA Warpを組み合わせてさまざまな業務自動化を推進しています。
また、IT系企業のA社では、商流や課金方式の異なる様々な製品やサービスを取り扱うため、製品ごとの計数管理に加え、パートナーからの売上報告の集計や、価格表改定の連絡などExcelとメールを駆使した多数の細かい業務を行っていました。
これらを「ASTERIA Warp」を使い自動化、レポート作成業務を自動化することにより、売上予測値などの必要なデータを即時にレポート出力でき、データ有効活用が可能になりました。
レポート作成の自動化によって、作成業務の手間と時間を削減でき、人的ミスを減らし、企業のコア業務に人的リソースを割くことができるようになります。
そして、自動化のメリットを最大化するためには、レポーティングツールとデータ連携ツールを組み合わせることが有効です。ノーコードのデータ連携ツールにより、業務のさらなる効率化、業務改善を進めてみてはいかがでしょうか。
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