目次
BIとは、Business Inteligence(ビジネス・インテリジェンス)の略です。企業内の情報システムに蓄積される膨大なデータを、収集・分析・加工して、企業の意思決定に活用することを指します。また、そのために使うソフトウェアを指す場合もあります。
データの収集・分析・加工には、BIツールを使います。企業の持つデータは膨大で、収集・分析・加工を人の手で行うのは困難です。BIツールを使えば、分析方法がわからない人でも簡単な操作で行うことができます。
BIを重視する声は高まっており、高性能なBIツールを導入する企業も増えています。
BIが重視される理由は、企業がより良い意思決定ができるようになるためです。
BIを活用することでデータに基づいた意思決定ができるようになり、次のような効果が得られます。
今までは経営者の勘に頼っていたりデータの精度が低いために、正しいビジネス戦略が立てられない場合がありました。BIでデータ分析をすることでさまざまなデータを元にスピーディに意思決定が行え、効率的に利益アップのための行動を取ることが可能です。
BIツールを活用するには次のような作業を行い、データをBIツールで扱えるようにします。
ETLとは「Extract(抽出)」「Transform(変換)」「Lord(書き出し)」の略です。データをデータベースやデータレイクから抽出し、使いやすい形に変換し、次で説明するDWHに書き出すという作業を行います。
ETLで何ができるか?その導入事例など詳細についてはこちらのページをご覧ください。
DWHとはData WareHouse(データウェアハウス)の略です。ウェアハウスとは倉庫のことで、ETLで書き出されたデータを保存する場所を指します。企業で取り扱われているデータを分散している状態ではなく、DWHに集約・整理しておくことで、部門をまたいだデータの活用や認識の統一をすることが出来ます。
DWHの役割やその導入事例など、詳細についてはこちらのページをご覧ください。
BIでは、DWHに整理されたデータを利用しデータの分析を行います。ツールを使い、目的に合わせて分析をします。
BIツールを使うと次のようなことが簡単にできるようになります。
データ管理にはデータの収集・蓄積・統合が含まれます。
社内のシステムに散在しているデータを収集し、1箇所に統合します。統合したものを蓄積しておくことで、いつでもすぐにデータを使える形にしておくのです。
また、データは部署や使用しているサービスごとに違うフォーマットで管理されています。フォーマットや単位などを統一し、データを見やすくすることも大切です。
BIツールを使って、これらのデータ管理業務を自動化します。
収集・統合したデータの中から必要なデータを抽出し、そのデータがどのような意味であるのかをわかる形にするのがデータ分析です。複数のデータを組み合わせたり、蓄積したものを長期的に読み取ったりと分析方法はさまざまあります。
以下に代表的な分析機能をご紹介します。
OLAP分析(オンライン分析)とは、複数の視点からデータを分析する手法です。製品カテゴリーや価格帯、購買属性などのさまざまな軸を自由に組み合わせてデータを分析することで、状況を細かく把握することができます。
例えば問題が発生した際に、要因を特定したくとも手動での分析では複雑すぎて時間がかかる場合があります。OLAP分析を活用することで複雑なデータの中から問題の原因を短時間で特定し、適切な解決策をスピーディーに導き出すことが可能です。
データマイニングは、大量のデータに対して統計的な処理を行い、隠れたパターンや相関関係を発掘(マイニング)する手法です。
例えば、顧客データや購買履歴を分析することで顧客の嗜好を把握し、それに基づいてキャンペーンを立案します。マーケティング戦略の精度が高まるため、売上や顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
プランニング機能は、蓄積されたデータをもとに将来の予測を行う機能です。
例えば、過去の販売データを分析し、今後の需要をシミュレーションします。これにより、市場動向に対してより精度の高い判断ができ、競合他社への優位性を高めることができます。
さらに、人員配置や在庫管理といった資源の最適化も実現し、効率的な経営が可能となります。
プランニング機能を使えば経営判断のスピードと正確さが向上するため、企業の成長はもちろん日々の業務運営にも大きなメリットをもたらすでしょう。
分析結果を読み取りやすい形に加工するのがレポート機能です。スピーディーな意思決定のために、分析結果を可視化し、早く正確に読み取れるように加工します。
BIツールを導入することで、次のようなメリットがあります。
データの収集や分析にかける時間が短くなり、意思決定までの時間を短くすることができます。
例えば、今までデータを収集するために、各部署に連絡をして担当者がデータを抽出して共有するという方法をとっていたのであれば、BIツールやDWHにデータを集約することで意思決定までの大幅な時間短縮が見込まれるでしょう。
また、BIツールを使わずにExcel関数などでデータを分析することも可能ですが、複雑なデータ分析に必要な専門知識を習得することは容易ではありません。しかし、BIツールを使えば、分析の自動化も専門知識なしで容易に実現可能です。
BIツールを使うことでスピーディな情報共有が可能になり、現状の把握がしやすくなります。
プロジェクトの進捗やリアルタイムな売り上げ確認などのさまざまなデータを、円グラフや棒グラフといった形式に加工することで可視化し、直感的に理解することができます。
素早い現状把握は意思決定の速さに直結します。
現状をリアルタイムで確認できるようになり、問題や課題の早期発見が可能になります。早期発見することによって、問題が小さいうちに解決できたり、機会損失の回避に繋がったりします。
BIツールの導入にはデメリットもあります。主に以下のような点です。
ツールによって価格に差はありますが、導入時だけでなく固定費として運用コストがかかり続けます。また、無料のツールもありますが、企業内のデータを取り扱うことを考えるとセキュリティ面で不安が残るため、おすすめできません。
導入時にはどのようなデータを集計し、どのように加工・分析するのかなどの設定が必要です。導入サポートを利用し、少しでも社内の負担を軽くするよう工夫している企業が多いです。
さらに、一度導入すると利用を止めにくいという問題があります。BIツールは長く運用することで多くのデータを蓄積し、有益な分析結果を得られるようになります。その反面、導入費用やシステム構築にかかる人件費がネックとなり運用を止めてしまうと、経営にとって有益な情報が得られなくなってしまうため、事業を進めづらくなる可能性があります。
BIツールは導入するだけでなく、自社に合ったものを導入することが重要です。BIツール一つとっても機能や使いやすさなどに違いがあります。ここではBIツールを選ぶ際のポイントをお伝えします。
BIツールを導入する前から企業には多くのデータがあります。それらのデータを改めて整理・保存するため、現在運用している社内システムと連携し、既存の社内データを活用できるのかが重要です。
社内ですでに活用されているデータやツールとの連携が可能かどうか確認をしたうえで導入を決めましょう。
BIツールは社内の限られた人たちが利用するだけでなく、誰でもデータを分析できるシステムであれば、より社内のデータ活用が進みます。そのため専門的な知識や分析をするスキルの無い人でも簡単にデータ分析・活用をすることができるかどうかが重要です。
ほかにもBIツールごとに得意な処理や分析方法が違うので、ツールの特徴から選ぶのも良いでしょう。
BIツールなどを使って社内データを活用する重要性やその方法についてはこちらの記事でより詳しくご紹介しています。
BIツールの価格は、機能やサービス内容によって大きく異なります。
高価なツールには多くの機能が搭載されていますが、その分複雑な仕様になるため運用の難易度が上がります。一方、安価なツールでは、機能が絞られている分、自社に必要な機能が不足している可能性があります。
自社のニーズに合った機能を持ち、かつ予算に見合ったBIツールを選定することが重要です。
よく知られているBIツールについて簡単に特徴などを紹介します。まずは、無料で使えるBIツールです。
Microsoft PowerBIはマイクロソフトが提供しているツールです。オンプレミス、クラウドに関わらずさまざまなデータを取り込むことができます。チームで共同作業をしたい場合は有料版が必要です。
Google Data StudioはGoogleが提供しているツールです。取り込んだデータを、そのままグラフや画像に可視化できるシンプルな構成をしています。
ゾーホージャパン株式会社が提供しているZoho Analyticsは、さまざまなデータを利用し、データを視覚的に分析できます。分析はドラッグ&ドロップで直感的に操作でき、AIに質問をすると答えを見つけてくれる機能もあります。
無料のツールはコストがかからない代わりに機能制限や、サポートが受けられないなどのデメリットがあります。専門知識やサポートがなければ、最適な運用は難しいでしょう。
有料ツールについても紹介します。
Tableauはグラフィックやインタラクティブ性にこだわったBIツールです。10万円台から導入可能で、導入のための時間も短いのが特徴です。
Dr.Sumは特許を取得した高速集計が魅力のBIツールです。基本的な設定はプログラミングなしで扱えるので、専門知識がない人でも扱えます。
MotionBoardはモバイルへの対応や地図上でのデータの表現が特徴のBIツールです。3Dマップも利用でき、どこで何が起きているのかが把握しやすくなっています。
ITの専門知識がなくてBIツールを使いこなせるか不安な人は、ASTERIA Warpのデータ連携がおすすめです。プログラミング不要のノーコード開発で利用でき、データを利用する現場目線でシステムを作ることができます。今回は実際の導入事例をご紹介します。
スマートフォン向けのゲームアプリの開発等を行っているG2 Studios株式会社は、プロジェクトごとで行っていたデータ分析業務を標準化するために、ASTERIA Warpを導入してBI基盤を構築しました。
データが大量であることと、プロジェクトごとにフォーマットが異なっていることが課題でしたが、各種システムとデータ連携することで分析にかかる工数を削減しました。
また、従来はデータへのアクセスが可能なのはエンジニアのみでしたが、データを自由に扱えるようになり、イベントなどの企画立案に役立てることもできました。
詳しい事例についてこちらの記事で詳しく紹介しています。
Q.B.B.ブランドで有名な食品メーカーの六甲バターは、手動で運用しているデータが多く、システム部門の負担が大きい上に処理に時間がかかる点が課題でした。
手作業で1時間かけて経費データの月次処理をしていましたが、BI連携し日時処理に変更しました。時間も約5分で完了するので、データ共有のタイムラグも少なくなり、状況の把握が行いやすくなりました。
詳しい事例についてはこちらの記事で紹介しています。
BIとはビジネス・インテリジェンスの略で、企業内のさまざまなシステム上にあるデータを活用することを指します。BIを活用すると企業のリアルタイムの状況がわかりやすくなり、企業の意思決定がしやすくなるのがメリットです。
データの収集・分析・加工はBIツールを使って行いますが、ITの専門知識がなくBIツールの導入に不安を感じる場合はASTERIA Warpのデータ連携を利用するのがおすすめです。ASTERIA Warpならプログラミング知識不要のノーコードで開発ができ、さまざまなBIツールとの連携が容易に行えます。
BIのより良い活用についてはこちらの資料でも紹介しておりますので、参考にしてください。
PM・SE・マーケティングなど多彩なバックグラウンドを持つ「データ連携」のプロフェッショナルが、専門領域を超えたチームワークで「データ活用」や「業務の自動化・効率化」をテーマにノウハウやWarp活用法などのお役立ち情報を発信していきます。
ASTERIA Warp製品の技術情報やTips、また情報交換の場として「ADNフォーラム」をご用意しています。
アステリア製品デベロッパー同士をつなげ、技術情報の共有やちょっとしたの疑問解決の場とすることを目的としたコミュニティです。