「TradeWaltz®」(以下、TW)は貿易業務の効率化、一元管理のみならず、様々な貿易関係者のシステムとデータを連携することで、貿易DXを実現することができる貿易プラットフォームです。
企業が持つ自社の貿易システムとTWの間でAPIを用いたデータ連携を行うことで、構造化データの活用により更なるDX推進が可能ですが、自社システムの改修コストなど課題もあります。
本記事ではTWと自社の貿易システムをASTERIA Warpで繋ぐことにより、連携コストの最小化と価値を最大化する方法を解説します。実際に弊社で作ったフローの紹介もしていますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
貿易取引を行う際には、モノを1つ輸出地から輸入地に運ぶにあたり、図のように多くの関係者の間を、郵送やFAX、メールや電話などの手段で、大量の紙や電子ファイル、テキストデータなど様々な形態の情報が飛び交っており、非常に非効率な運用になってしまっています。
「TradeWaltz®」(以下、TW)は全ての貿易関係者が利用できるシステムをSaaSで提供することにより、これまでアナログ形式で飛び交っていた情報をデジタル化することで、大幅な業務効率化に加えて、一元管理を可能とします。またデータの管理にブロックチェーン技術を用いることで、データの改ざんを防止し証跡管理も実現しています。
SaaSシステム経由でデータを共有・利活用が可能に!(業務効率44%上昇)
TWには貿易手続きがスタートする輸出者と輸入者の契約から、輸入地にモノが到着するまで全ての業務プロセスをデジタル化する機能を備えています。また、税関システム(NACCS)や日本商工会議所のシステムと連携することで輸出入許可書や原産地証明書の電子データでの授受も可能にしています。
デジタル化を進める際に取り扱うデータとして「構造化データ」「電子ファイル」の2種類が存在します。電子ファイルは各種帳票をPDFやwordなどの形で保存・保管し共有する形式であり、構造化データは一覧・検索・ソートなどの取り扱いが可能な形式です。情報を構造化データとして入力することで、例えば「価格」「商品名」など項目レベルの情報を一覧化したり、後続業務に流用したり、といったことが可能になります。このように、構造化データは関係者間で流通することが可能ですが、電子ファイル形式であると、後続のプロセスで自社システムへ連携する際に各項目の読み取りや入力が必要になってしまうため、貿易プロセス全体のDXを進めるためには構造化データでの連携が重要になります。
貿易取引情報を構造化データとしてTW経由で流通させるために、ユーザーがTWに入力をする方法は3つあります。1つはTWの画面(UI)にユーザーが手入力する形式です。これは手軽に始められる反面、ユーザーには情報量に応じた入力工数が発生するという課題があります。これを解決するためにTWでは「CSVアップロード」という形で、ユーザーの自社システムから出力されたCSVファイルをTWへ自動アップデートする仕組みを設けています。しかし、この形式でもユーザーのオペレーションの変更必要性やタイムリーなデータ反映などに課題が残ります。これらの課題を全て解消する形式が自社システムとTWの「API連携」になるのですが、自社システムの改修が必要となりコストの問題があります。このコストを最小化するための取り組みがASTERIA Warpの活用になりますので、次章以降で詳しく説明します。
トレードワルツとASTERIA社は貿易DXの推進に向けて、ASTERIA Warp活用を軸とした協業をしています。詳細は下記サイトをご確認ください。
メリットとして、下記を挙げることができます。
自社システムとTW間のデータ連携部分をASTERIA Warpに任せることで、自社システムへの改修範囲や影響を最小限に抑えることが可能です。同時に、自社システムの稼働状況による制約を受けづらくなるため、スケジュールの柔軟性が増し、連携構築の工期短縮にもつながります。
ノーコード開発によるメリットとして、自社内での開発作業(内製)が可能となります。
ASTERIA Warpは開発エンジニアの方からプログラミング経験のない非エンジニアの方にまでご利用いただけるノーコードツールですので、これを活用して内製化を推進すると、外部委託費を削減することができます。
また、現場の運用の変化に合わせて手軽に機能を修正できるため、修正に要する期間を削減することが可能となります。
ASTERIA Warpは小規模なデータ連携から大規模なデータ連携基盤まで幅広いニーズに対応できる柔軟性を持っています。
例えば、最初は自社基幹システムとTW間でCSVファイルによるデータ登録連携の機能の構築を行います。
(ASTERIA Warp Core: 基本機能を厳選したシンプルなエディションを使用)
その後、データ連携の利用範囲を拡大し、TWと自社基幹システムとの間でリアルタイム連携するといったような使い方が可能となります。
(ASTERIA Warp CoreからASTERIA Warp Core ++にアップグレード: リアルタイム連携機能を追加)
主要なクラウド、SaaSサービス含め、100種類以上の接続先に対応しており、多数の業務フローテンプレートも用意されています。これにより、自社で利用している様々なシステムや業務とのデータ連携をASTERIA Warpで行うことができ、サービス導入後すぐにデータ連携の機能開発を開始することが可能となります。
ASTERIA Warp × TradeWaltzのユースケースをご説明します。
貿易業務に関するシステム間全体連携図
最初に荷主会社側でTWへのデータ登録APIを開発。
社内システムに登録したデータをそのままTWにデータ連携することにより、データ登録業務の効率化を行うことができます。
次に乙仲会社側でTWからデータ取得を行うAPIを開発。
荷主会社から登録されたデータをリアルタイムでデータ取得を行うことにより、後続業務の作業開始リードタイムの短縮、及び取得データを後続業務に利活用することができます。
TWに蓄積された貿易データを自社データウェアハウスに保管するAPIを開発。
自社データと貿易データを突合するデータ分析基盤を構築することが可能となります。
今回の記事作成にあたり、TWとの接続を実現するためのASTERIA WarpでのフローをサンプルとしてTW社のメンバーで作成してみました。
あくまでもサンプルですので、各コンポーネントでの設定内容については個別にお問合せください。また実際に開発を行う際はより詳細な情報をQAやアステリア社のパートナー様のご支援をいただきながらサポートさせていただきます。
※本サンプルではSimpleMailコンポーネントが使われているため、Core+以上が必要となります。
今回作成したフローで行うのは、データ取得の一連の流れです。「TWへログインし、データを検索して結果をCSV保存しメールで送付」という操作を、ASTERIA WarpとAPIを組み合わせて行いました。
No. | コンポーネント種類 | コンポーネント名 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 開始 | Start | |
2 | コントロール | Mapper | |
3 | インターネット | REST | TradeWaltzのログインAPIをコール(Bearerのアクセストークンを取得) |
4 | コントロール | Mapper | |
5 | インターネット | REST | TradeWaltzの取引一覧検索APIをコール(Bearerのアクセストークンを使用) |
6a | コントロール | Mapper | |
6b | コントロール | Mapper | |
7 | インターネット | SimpleMail | |
8 | コントロール | EndResponse |
No. | コネクション | 備考 |
---|---|---|
1 | HTTP | 「URL」のプロパティにTradeWaltz APIのエンドポイントをセット |
2 | SMTP | SMTPの設定を行う |
無事メールが届き、取引一覧取得APIからデータを取得し加工されたcsvファイルが添付されていることが確認できました。
今回ご紹介したフローは一例で、「ログイン→データ検索→CSV保存→メール送付」という、TWの機能のごく一部を利用した連携でしたが、実際の導入時には、輸出・輸入の手続きに必要なデータを企業の貿易システムからTWへ連携することにより、物流業者への各種依頼、輸出入申告や原産地証明取得など多様な貿易オペレーションを電子化することができ、貿易DX実現による効率化・管理レベルの向上が可能です。また、貿易の取扱量が多くなればなるほど、構造化データでの流通・連携を通じた貿易DX実現のインパクトは非常に大きくなります。
TWと自社の貿易システムをASTERIA Warpで繋ぐことは勿論、TWの機能・サービスや貿易DXにご興味ある方は、弊社までお気軽にご相談ください!
株式会社トレードワルツは、貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」をSaaSとして運営・提供しています。「TradeWaltz」は企業が貿易取引に関わる情報を電子データで連携、一元的に管理できる仕組みで、国内で唯一、貿易取引関係者と産業横断的に情報連携が行える貿易プラットフォームです。株式会社トレードワルツとアステリア株式会社は、貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz®」を通じた貿易DX拡大に向け協業し、日本企業の貿易のデジタル化やDXを加速し、日本の貿易の未来に貢献していきます。「TradeWaltz®」にご興味があれば、お気軽にお問い合わせ下さい!
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