渋谷をビットバレイと呼んでいたときがありました。今でもそんな風に言う人がいるのかどうか、定かではありませんが、ITベンダ(IT利用企業ではありません)の集積地という意味では、もしかしたら渋谷よりも、川崎(~府中エリア)の方がシリコンバレイの性質に近いかもしれません。
湾の代りに多摩川があり、スタンフォードの代りに慶應義塾があります。富士通、東芝、NECがあり、Dellがあり、かつては(今も?)IBMの研修センタもありました。惜しむらくは、それらを中心にソフトウェアベンダが育っていないことでしょう。有名どころでは日立ソフトが脳裡に浮かぶ程度です。
そんな場所柄だからとういうわけでもないでしょうけれど、『NEC、神奈川データセンター開設から半年-プライベートクラウドの受注好調』とのこと。この記事と、『次のシリコンバレーはアイオワ州に? IT企業が熱視線の理由は』とを見比べて思うのは、ITエンジニアおよびユーザにとっての利便性。そして、川崎の可能性です。
アイオワに比べれば川崎の利便性は圧倒的に良い。
アイオワが大手ITサービスDCを呼び寄せている理由は、再生可能エネルギ比率の高さと、税制優遇策――なんとDC内IT設備の固定資産非課税!
川崎が真似をすれば、ギャンブル特区構想よりも確実で、世界に誇れる成果が得られそうです。
可能性といえば、次代の仮想化基盤技術として個人的にも注目しているDockerについて、『Joyentがクラウドプラットホーム上のエンタプライズ級のDockerサポートのために$15Mを調達』とのニュースが流れてきました。一ソフトウェアベンダが、これまでの総額$120Mに加え、シリーズEとしてこの額を調達できたことは、市場による期待の高さを窺わせます。
また、ネットワーク仮想化市場においては、『ミドクラ、ネットワーク仮想化ソフト「Midonet」をOSSとして公開』というニュースがあり、先月富士通との業務提携強化を発表したことなどを考え合わせると、このベンダも注目しておくべきなのかもしれません。日本発のベンチャ企業のはずなのに、いつの間にか本社がスイスに移っていて、HPを見ても「日本」が感じられないことを、世界を目指して「トンガッテル」と、良いように解釈できます。
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