ミャンマーに出張に行ってきました。
プレスリリース(「世界初となるマイクロファイナンスの勘定データ記録におけるプライベート・ブロックチェーンの実証実験に成功」)にも出ましたが、ブロックチェーンとASTERIA Warpの実証実験を行いました。
今回のネタはそんなところからです。
インドとタイの間に位置する雨季と乾季がある亜熱帯の国です。出張に行った5月末から6月初めは雨季のはじめにあたり、湿った空気で時々にわか雨があるような気候でした。
そんな国にある「BC Finance」という会社はマイクロファイナンスと呼ばれる貧困層を対象とした少額融資を行う金融機関です。
小さな銀行とも言えるこの機関のシステムは、預金口座と融資口座があり台帳管理されています。
今回はこのシステムをブロックチェーンで置き換えられるのかを検証するため、トランザクションデータをMicrosoft Azure上に作成したプライベートブロックチェーン「mijin」に入れてみました。
ビットコインから始まったブロックチェーンですので、コイン(お金)の取引は得意分野です。
しかし、預金や融資ではユーザー同士のやり取りではなく金融機関とユーザーのやり取りです。また利子が発生したりもします。
その表現方法やトランザクション以外のデータをどのように管理するか、要するにシステム設計が今回の肝のひとつでした。
また、実際に現地に行ってみるとその運用方法にも課題がありました。
取引の情報はリアルタイムではなく閉店後に順次入れていく方式ですし、月に1〜2回は入力ミスを原因とするDBのリストアがあるとのこと。
改ざんできないブロックチェーンでは一度記載した取引を取り消すことはできないので別の方法を検討する必要がありました。
そんなこんなの実証実験でしたが、無事にトランザクション情報の格納を完了し、設計方法や運用に関するノウハウも持ち帰ることができました。
また、今回利用した「mijinアダプター」の改善ポイントなども見えてきましたので、簡単に使えて実用的な機能が盛り込めそうです。
今回は以上です。
「プライベート・ブロックチェーンの実証実験」についてご興味のある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。
プレスリリースについてはこちらをご覧ください。
ASTERIA Warpシリーズ担当のシニアプロダクトマネージャー。ホワイトペーパーの執筆のほか、開発経験を活かしたASTERIA Warpを使ったデモ作成等を実施。
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