では、なぜ顧客戦略を立案するためのCRMが、日本企業にとって重要になってくるのだろうか。それは海外のITベンチャーが成功を収めている理由から読み解くことができる。日本企業は産業革命以降、工業化が進む過程での大量生産大量消費の時代には世界でも有数の発展を遂げてきた。ただしこの時代は、市場に製品を投入した当初は価値が高いものの、他社がそれに追いついて来るにしたがって相対的な価値が下落する“収益逓減の法則”時代であり、大企業の都合で大量にモノを生産してきた経緯がある。
しかし現在の情報化社会では、これまでとはビジネス構造が大きく変化している。情報は拡散すればするほど価値が高まり利益が増えていくという“収益逓増の法則(メトカーフの法則)”へと構造が変化し、“早い者勝ち”という先行者利益がより大きなものとなっている。それを実現するためには、多様化するニーズを的確に把握したうえで戦略を立案し、いち早く市場に投入することが成功するためには必要不可欠なのだ。Googleをはじめとした米国のIT企業は、オムニチャネル戦略やパーソナライゼーション戦略によって、顧客ではなく“個客”としてニーズを的確に把握し、個客に対して最適なアプローチを仕掛けることで大成功を収めている。これはまさに、顧客を理解して事業を運営していくというCRMのアプローチであり、顧客ニーズが多様化している今の時代を乗り切ることができる唯一の方法といっても過言ではないだろう。
だからこそ、きちんと自社の顧客を理解することが必要になってくるのだが、しっかりとしたCRM基盤が備わっていない日本の企業ではそれが難しい状況にあるといえる。
PM・SE・マーケティングなど多彩なバックグラウンドを持つ「データ連携」のプロフェッショナルが、専門領域を超えたチームワークで「データ活用」や「業務の自動化・効率化」をテーマにノウハウやWarp活用法などのお役立ち情報を発信していきます。
Related Posts
ASTERIA Warp製品の技術情報やTips、また情報交換の場として「ADNフォーラム」をご用意しています。
アステリア製品デベロッパー同士をつなげ、技術情報の共有やちょっとしたの疑問解決の場とすることを目的としたコミュニティです。