国内IaaSのベストベンダに選出されたNTTコムは、『「ビズホスティング・クラウド・エヌ」を最大50%値下げ』と発表。この価格改定はいわずもがな、AWSへの対抗策であり、国内トップの座を堅持するための足場固めだと推察されます。
外部データ転送機能が無料だといってもそれだけでは迫力に欠ける。キャリアだから当然だと言われかねない。ならばいっそ仮想サーバを国内最低価格にしてしまえ、ということだったのでしょうか。ユーザには朗報でも、ライバルたち――中でも際だった特色の無いサービス事業者にとっては凶報です。こうなるとわかっていたにしても。
海外事情に目を向ければ――
先週の発表を受けて、『SAPとIBMの協業拡大で見えてきたIT業界の対立構図』とされたように、もはや「クラウド」は、連携を軸にしたエンタープライズアプリケーションの奪い合いになっています。
サンフランシスコで参加者14万人以上という驚異的なイベントを開いたSalesforce.comは、ビッグデータ時代を睨み、アナリティクスプラットフォームを加えて「6つのピースがすべて揃った」とし、クラウドのエンドポイントとなるモバイル用アプリ開発PaaS、そしてデスクトップ業務ソフトシェア90%以上の恩恵を受けようと、MSとのパートナーシップ強化を打ち出したようです。
イベントは、ゲストスピーカーであるヒラリー・クリントンやアル・ゴアの登壇もあり盛況で、「クラウドコンピューティングのパイオニア」としてはさすがです。OracleやIBMのシステム/サービスを思えば今回発表したプラットフォームに新味はないけれど、価格競争に明け暮れるIaaSベンダと一線を画していることは確かです。
IaaSとSaaSではそもそもターゲット(客層)が違う。といえばその通りかもしれません。
が、クラウドサービスベンダには総合力や連携力が求められつつあるため、そうも言っていられないでしょう。いずれ利用形態の垣根は取り払われます。
『AWS活用の先行事例に学ぼう』として、オンプレミス環境とクラウドを結ぶネットワークが一本では可用性に問題があることは知られていますが、――「ネットワークの多重化がトレンド」とも言っているので、エンタープライズ市場においてクラウドの本格的な利用は着々と進み、各サービスを適材適所に配備するようになるのも時間の問題ではないでしょうか。
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