SAP S/4 HANAとBusiness b-ridgeをASTERIA Warpでつないでみた!
ノーコードによるスピード業務改善を実現

SAP S/4 HANAとBusiness b-ridgeをASTERIA Warpでつないでみた!

こんにちは、ビジネスエンジニアリング株式会社の大竹と申します。
この記事では、基幹システム「SAP S/4 HANA」とサプライチェーン特化型ノーコード開発アプリプラットフォーム「Business b-ridge」をASTERIA Warpで連携する方法についてご紹介します。これまでオンプレミスの導入が中心だった基幹系システムがクラウドでも展開されるようになったことで、API連携による幅広いITサービスと連携できるようになりました。今回の内容はそうしたITサービスのAPI連携を考える上でも参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

Business b-ridge業務改善事例のご紹介

はじめに、連携方法を理解していただくため、ASTERIA Wrapの接続先であるBusiness b-ridgeの概要と機能について、業務改善(貿易業務)の事例からご説明します。

Business b-ridgeについて

Business b-ridgeはサプライチェーンの業務連携を効率化させるシステムの構築、運用、分析にオールインワンで対応するアプリプラットフォームです。

社内外の独自性が高い、複雑な業務システムがスピーディに構築でき、市場の変化やビジネスの成長に合わせた変更や改善にも対応します。また、ワークフローの履歴データから業務の滞留箇所を可視化・分析でき、サプライチェーンの継続的な業務改善を実現します。

貿易業務(改善前)

業務プロセス例

この事例では輸出業務の梱包準備、通関業務、請求処理における書類作成・管理のプロセスに次のような業務課題を抱えていました。

  • 貿易関連の書類作成が各担当者に委ねられているため、全体の進捗状況が分からない。
  • 関係者への記入依頼や確認、承認に時間がかかる。
  • 製品ごとに関連する貿易書類が一元管理できていない。

これらの課題解決に向けて、Business b-ridgeで業務システムをノーコードで構築し、次のような業務改善を実現しました。

貿易業務(Business b-ridgeで改善後)

改善された業務プロセス例

  • 各担当者が必要事項を入力すれば帳票が作成できるようにプロセスを標準化。
  • 帳票の作成プロセスを見える化し、各プロセスを自動で次担当者に通知することで確認・承認時間を短縮。
  • 関税法等コンプライアンスに準じた入力内容のチェックを自動化により転記ミスを防止。

ここからは、事例内での帳票作成に必要な受注情報をASTERIA WarpでSAP S/4 HANAから取得し、Business b-ridgeに登録するまでを解説します。

本業務改善事例のより詳細な解説はこちらからご覧いただけます。

連携の事前準備

SAP S/4 HANAの事前準備として、目的のデータをODataAP Iで外部から取得できるようにします。同じ要領でSAP S/4 HANA Cloudからもデータ連携することが可能です。

SAP S/4 HANA、SAP S/4 HANA CloudのODataAPIはこちらから確認できます。

ASTERIA WarpとBusiness b-ridgeの連携については、Business b-ridgeアダプターを使用します。本アダプターを使用することで、Business b-ridgeに連携するデータのマッピングを直観的に設定することができます。

Business b-ridgeの事前準備として、Business b-ridge運営に対してデータ登録するフォームの登録、WebAPIの利用申請が必要です。詳しくはBusiness b-ridgeのWebサイトからお問い合わせください。

今回は、SAP S/4 HANAの受注伝票データをBusiness b-ridgeへ連携します。SAP S/4 HANAへの接続はRESTコンポーネント、Business b-ridgeへの接続はBusiness b-ridge Putコンポーネントを使います。

SAP S/4 HANAからのデータ取得

最初にSAPからのデータ取得を設定します。
次にSAPのODataAPIに接続するためのhttpコネクションを設定します。

コネクションの作成

URLにODataAPIの接続先URLのルートを入力します。

ODataAPIの接続先URLのルートを入力

※そのほか、接続先のSAPの認証方式に合わせて、ユーザ/パスワード名(Basic認証の場合)や、サーバ証明書をフローサービスに設定します。

SAPからデータを取得するためのRESTコンポーネントを配置します。コネクション名に上記で設定したコネクションを指定し、パスにODataAPIのルート以降のURLを入力し(今回は「/sap/opu/odata/sap/API_SALES_ORDER_SRV/A_SalesOrder/」でSAPの受注伝票のデータを取得)し、HTTPメソッドにGETを指定します。

RESTコンポーネントの設定

RESTコンポーネントをダブルクリックし、「RESTのテスト」のダイアログを表示します。
「テスト実行」をクリックし、入力したパスでODataAPIを呼び出します。実行が正常終了の場合(ステータスコード200)、「XMLフィールド定義のインポート」で返却された型をフローデザイナーに取り込みます。

結果を確認

ストリームが取り込んだAPIのレスポンスの型になります。

ストリーム型フィールド名リスト

※そのほか、必要に応じ、URLパラメーターに取得するデータの抽出条件、ソート条件などを指定、送信ヘッダーに認証情報などを指定することが可能です。

Business b-ridgeへのデータ登録

これでSAPからデータを取得する設定は完了です。続けて、データをBusiness b-ridgeへ登録する処理を設定します。以下の設定の前にフローデザイナーに、Business b-ridgeアダプターのコンポーネントを取得しておきます。

Business b-ridgeに接続するためのBusiness b-ridgeコネクションを設定します。

Business b-ridgeコネクションを作成

データ登録するアプリのCompany Key、Project Key、Subscription Keyを入力します。これらのKeyはBusiness b-ridgeのWebAPI利用申請時に発行されます。

「Company Key」「Project Key」「Subscription Key」を入力

※Business b-ridgeのユーザテスト環境(UT環境)へ接続する場合は、詳細タブで「サンドボックスを使用」オプションを値「True」で設定します。

Business b-ridgeへデータを登録するためのBusiness b-ridge Putコンポーネントを配置します。このコンポーネントはマルチセセクトタブにあります。コネクション名に上記で設定したコネクションを指定し、実行する処理にInsertを指定します。

Business b-ridge Putコンポーネントを配置

Business b-ridge Putコンポーネントをダブルクリックします。Business b-ridge上に設定されたフォームの一覧が表示されます。また、フォーム名をクリックするとBusiness b-ridgeにてそのフォームに設定されたフィールド名の一覧が表示されます。データを登録する先のフォーム(テーブル)と登録するフィールド名を指定します。

テーブルとフィールドの設定

Business b-ridge Putコンポーネントへの入力ストリームが指定したフィールドになります。

指定したフィールド

これでBusiness b-ridgeへデータを登録する設定は完了です。最後に、SAPから取得したデータとBusiness b-ridgeへ登録するデータをマッパーコンポーネントでマッピングし、フローの終了コンポーネントを配置します。

マッパーコンポーネントでマッピング、フロー終了コンポーネント配置

マッパーコンポーネントの設定

マッパーコンポーネントの設定

必要に応じて説明書きを追記します。これで、SAP S/4 HANAの受注伝票データをBusiness b-ridgeへ連携するフローが完成しました。

説明書きを追記

このフローを実行するとSAPのデータがBusiness b-ridgeにI/Fされます。

フローを実行(SAPのデータがBusiness b-ridgeにI/Fされる様子)

まとめ

以上がASTERIA WarpによるSAP S/4 HANAとBusiness b-ridgeの連携方法です。

おわかりのようにASTERIA Warp とBusiness b-ridgeを組み合わせることで、SAP S/4 HANAに足りないサプライチェーン領域での社内外の業務連携を、システム構築から連携までノーコードで実現できます。基幹システムのレガシー化を改善したい方や、変更や改善に強いサプライチェーン基盤の構築をお考えの方に参考にしていただければ幸いです。

 



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著者:ビジネスエンジニアリング株式会社 大竹 雄

著者:
ビジネスエンジニアリング株式会社 大竹 雄

ビジネスエンジニアリング(株)に入社。SAPをはじめとした数多くのシステム導入プロジェクトにプロジェクトリーダー、PMとして従事。現在はB2BのSaaSであるBusiness b-ridgeでITコンサルタント・スクラムマスターを担当しています。

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