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経理業務をはじめとするバックオフィス部門でも業務改革やデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が認識されています。
経理業務は一般的に会社のお金の流れを記録、管理することで、経営状況を正確に把握するためにも、適切に行われることが不可欠です。特に財務分析では、決算資料やリアルタイムの財務状況が必要とされる場合もあるため、スピーディな対応が求められます。
業種や規模を問わず、企業は「現金出納管理」「売掛金買掛金の管理」「月次決算書作成」「予算実績管理」「給与計算・年末調整」「税務申告」といった日次、月次、年次の経理業務を効率化していくことが重要なテーマとなっています。
しかし、月末や年末、決算月などは業務が重なるため、経理部門は多忙を極めています。経理業務の効率化を阻害する課題には次のようなものがあります。
経理部門をはじめとするバックオフィス部門は、いわゆる間接部門として人員を最小限に抑えられがちです。少人数で業務を遂行しなければならないため、一人ひとりにかかる業務負荷は大きくなりやすい傾向があります。
慣れ親しんだ業務の進め方を変えることに抵抗があり、効率化が進まないことがあります。たとえば、IT化やツールの導入にはそれらの知識や操作を習得しなければならず、書面を使った目視確認など業務の進め方も多岐にわたるため、古い慣習から脱却しにくいのです。
経理業務の属人化も効率化を阻害する要因の一つです。経理業務には専門的なスキルを要求されることから、業務内容がブラックボックス化しやすく、担当者のやり方でないと業務が回らないという会社もあります。
また、属人化が進むと、業務内容が見えにくくなり、担当者以外の者では問題点を把握することが難しくなります。そのため、IT化や効率化が進みにくくなる側面があります。
設備投資のための予算確保も効率化を阻む要因の一つに挙げられます。効率化に必要なITツールやサービスの導入、費用が発生するためです。初期費用や月額費用といったコストに見合う効果が得られないと判断された場合、導入が進まないケースもあるでしょう。
こうした課題を解決することで次のようなメリットが得られます。
経理業務は、ミスが許されない緊張感の中、膨大な作業を少ない人員で回すことを余儀なくされています。煩雑な書類のやり取りや入力などの単純作業が効率化できれば、業務時間が短縮でき担当者の負担が軽減します。これにより、ルーティンワークから経営分析などより重要な業務に時間を割くことができるようになるメリットもあります。
業務時間の短縮により残業が減りコスト削減につながります。ITツール導入等により紙を減らすことができれば、用紙代や印刷代、郵送費や保管場所などのコスト削減効果も期待できます。
経理業務の作業量は決して少なくありません。人による入力作業などのミスをゼロにすることは不可能です。しかし、ITツールを導入すれば、入力や計算などの作業を自動化することにより人的ミスを防ぐことができるだけでなく、集計作業を大幅にスピード化することもできます。
経理業務効率化により、月次決算の早期化が実現でき、経営判断のスピード化に貢献することができます。また、経理のIT化が進むことにより、ツール上でデータを抽出したり、状況を分析したりすることも可能になるため、経営判断の際にも役立ちます。
ここからは経理業務をスムーズに行うための具体的な方法を解説します。「すでに経理システムを導入しているが、より効率化を高めたい」という方にも役立つ内容となっていますので、ぜひご参考ください。
経理業務を改善する第一歩は、現在の業務フローを詳細に確認することです。特に時間がかかる工程やミスが発生しやすい箇所を明らかにしましょう。例えば「請求書の処理や経費の払い出しに無駄が多い」といった情報をもとに、効率化を実現するための計画を進めます。業務フローを徹底的に見直し、時間の節約やエラー減少を目指しましょう。
電子的な記録は紙の書類と比較して保管・管理が容易で、情報共有も瞬時に行うことが可能となります。
そのため、経理業務で扱う紙の書類を減らし、プロセスをデジタル化することで、作業効率を大幅に向上させることが出来ます。具体的には、請求書や領収書の電子化やデジタル承認フローの導入が効果的です。
また、2024年1月から施行された電子帳簿保存法の改正においても、業務効率化や生産性の向上、紙の保管場所の確保にかかるコストの削減が目的の一つとされています。業務負荷の少ない改正電帳法への対応策をご紹介した動画は、以下から視聴いただくことができますのでご参考ください。
現金の取り扱いを減らすことは支払いプロセスを効率化し、財務の透明性を高める効果があります。例えば、
といった運用を導入しましょう。
これにより、経理処理の効率化はもちろん、経理システムとのデータ連携もスムーズに行えるようになり、業務全体の効率が向上します。
クラウド会計ソフトの導入により、毎日の取引記録から月次決算の処理まで、経理作業が大幅に楽になります。会計ソフトには自動仕訳機能や連携データの自動更新等、手作業を減らす多くの機能を備えています。
クラウド会計ソフトの例としては、次のようなものがあります。
クラウド会計ソフトを活用すれば、経理スタッフは時間を取られがちな入力作業から解放され、重要な業務により多くの時間を割くことが出来るようになります。
ITツールの自動化を活用すると、経理業務をさらに効率化することが可能です。
例えば経費精算システム「楽楽精算」を導入すれば、法人クレジットカードの利用履歴を自動でシステムに取り込むことが出来ます。また、自動仕訳や会計ソフトとの連携、振込データの自動生成などを行うため、経費処理の手間を大幅に軽減します。
ITツールの導入とあわせて、データ連携ツールによる各業務システム(サービス)との連携を進めることも重要です。連携することにより、データの多重入力を防ぐことができるほか、在庫管理ツールやSFA/CRMといったシステムと連携することで様々な分析が可能になるといった効果が期待できます。例えば「ASTERIA Warp」は、異なるシステムやサービス間のデータ連携をノーコードで行うことができる国内シェアもトップの製品なので安心して導入できるでしょう。
さらに、「ASTERIA Warp」にはクラウド会計ソフトとの連携をスムーズに行えるアダプター機能(「PCA会計DXアダプター」や「MFクラウド経費アダプター」など)が用意されています。これらのアダプターは、連携するための複雑なAPIの実装が不要で、ノーコードの簡単な設定で各種業務システムと連携が可能になります。
こうしたアダプターを活用することにより、経費精算サービス単体では実現できなかった会計システムとの仕訳データ連携や、人事システムとのマスター連携、給与システムとの経費データ連携などを容易に実現でき、さらなる業務改革に寄与することができます。
連携アダプターについてはこちらの記事がおすすめです。
朝日航洋株式会社様は以前から経費精算システム、基幹系会計システム、人事システムの間で各種マスターや仕訳データの連携をAPI経由で行う仕組みを開発、運用してきました。しかし、実行エラーといったトラブルがたびたび発生し、経理業務の遅延や情報システム担当者の作業負担が問題となっていました。そこで、経費精算システムを楽楽精算へとリプレースするタイミングで「ASTERIA Warp Core」を導入し、安定的にデータ連携を行える仕組みをスピーディに構築。
トラブル発生にともなう経理業務の遅延や作業負担もほとんどなくなり、人的負荷の削減と生産性向上に成功しています。
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「ASTERIA Warp」を活用することで、経理業務の効率化をはじめ、「データ」に関する課題を解決する仕組みをスピーディに構築することができます。
業務改革やDX実現に向け、ITツールの導入に加え、「ASTERIA Warp」によるノーコードでのデータ連携を検討してみてはいかがでしょうか。
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