SaaSの乱立を解消|データ連携でサイロと二重入力をなくす方法

SaaSの乱立を解消|データ連携でサイロと二重入力をなくす方法

クラウド化が進み、いまや多くの企業が数十のSaaSを使い分けています。便利な反面、部門ごとにばらばらに導入した結果、SaaSが増えすぎて管理しきれない「SaaS乱立(SaaSスプロール)」が新たな課題になっています。多くの企業が、SaaSのデータ連携に課題を感じています。問題の本質は「SaaSが多いこと」そのものより、それらがつながっておらずデータが分断されていることにあります。つまり、対処すべきは本数ではなく、SaaSが「つながっていない状態」そのものです。本記事では、SaaS乱立で何が起きるのか、その原因を整理したうえで、SaaSを無理に減らすのではなくデータ連携でつないで解消する考え方と進め方、注意点を、事例とあわせて解説します。

SaaSの乱立(スプロール)で何が起きているか

SaaS乱立の本当の問題は、サービスの数ではなく、各SaaSにデータが分断されて溜まり、業務全体がつながらなくなることにあります。 便利なSaaSを部門ごとに導入していくと、いつの間にか全社で数十のサービスが使われ、それぞれが独自にデータを抱え込みます。その結果、同じ情報が複数のSaaSに重複し、探すのに手間がかかり、二重入力も増えます。まずは、SaaS乱立が具体的にどんな弊害を生むのかを整理します。いずれも、SaaS単体では便利でも、全体として見ると効率を下げている状態です。

部門ごとの導入でSaaSが増え、分断される

SaaSは導入のハードルが低いため、部門やチームが必要に応じて個別に契約しがちです。全社的な調整なしに増えていくと、似た機能のツールが重複し、部門をまたいだデータのやり取りができない「分断」が進みます。営業はこのSaaS、経理は別のSaaS、といった具合に情報が散らばり、全体像を把握する人がいなくなります。導入の手軽さが、裏で分断を生んでいるのです。この分断こそが、SaaS乱立の出発点になります。

データの重複・食い違い・二重入力

各SaaSが孤立していると、同じ顧客情報や取引データが複数のサービスに重複して存在します。片方だけ更新されて数字が食い違ったり、同じ情報を複数のSaaSへ手作業で入力する二重入力が発生したりします。こうしたずれは、報告や分析の信頼性を損ない、意思決定を誤らせる原因にもなります。SaaSが増えるほど、この重複と食い違いのリスクは膨らんでいきます。データがつながっていないことの代償が、ここに表れます。

コストとセキュリティ・管理の負担

使われていないSaaSや重複契約は、無駄なコストを生みます。さらに、利用状況の全体像が見えないと、アカウントの棚卸しや権限管理が行き届かず、セキュリティ上のリスクも高まります。契約・アカウント・データが分散するほど、情シス部門の管理負担は増大します。SaaS乱立は、現場の非効率だけでなく、コストとガバナンスの問題として経営にも影響します。放置するほど、見えないコストが積み上がっていきます。

SaaS乱立の根本原因はデータが「つながっていない」こと

SaaSの数を減らすことばかりに目が向きがちですが、根本原因は数ではなく、サービス間でデータがつながっていないことにあります。ここを取り違えると、ツールを統廃合しても業務の分断は残ります。実際、SaaSの本数を減らしても、残ったサービス同士がつながっていなければ、二重入力もデータの食い違いもなくなりません。数の問題ではなく「つながっていない」ことが本質だと捉えるのが、解消の第一歩です。

各SaaSがデータを抱え込みサイロ化する

SaaSはそれぞれが自分の中にデータを閉じ込めやすく、放っておくと部門ごとにデータが孤立する「サイロ化」が進みます。サイロ化した状態では、必要なデータがどこにあるか分からず、横断的な分析もできません。SaaSが増えるほどサイロの数も増え、業務全体の見通しが悪くなります。つまりSaaS乱立の弊害の多くは、このサイロ化に起因しています。数を絞るより先に、つなげる仕組みを持つことが解消の鍵になります。

SaaS乱立を解消する考え方

解消のアプローチは、大きく2つあります。「必要なSaaSは活かしつつ、データでつなぐ」ことと、「つなぎ方を一元管理する」こと。SaaSを無理に減らすより、この2つで分断とサイロを解消するほうが、現場の使い勝手を保ったまま効率化できます。現場が選んで使っているSaaSにはそれぞれ理由があり、一律の統廃合は反発や業務の停滞を招きがちです。ツールはそのままに、データの流れだけを整える——ここでは、その基本の考え方を2つの観点で示します。

SaaSを減らすのではなく「つないで活かす」

現場が便利に使っているSaaSを無理に廃止すると、かえって業務効率が落ちることがあります。大切なのは、各SaaSをなくすことではなく、それらの間でデータ連携を行い、必要なデータが自動で流れる状態をつくることです。SaaSはそのまま使いながら、データだけをつないで一元的に活かす——これがSaaS乱立解消の現実的な方向性です。ツールの数を競うのではなく、つながっているかどうかを基準に考えます。

点を線・面にする(ハブでつなぐ)

SaaS同士を1対1で個別につなぐと、サービスが増えるほど連携が複雑化します。そこで、中心にデータ連携の基盤(ハブ)を置き、各SaaSをそこへつなぐ形にすると、点在するSaaSが線・面としてつながります。ハブ型にすることで、SaaSを追加・変更しても影響を局所化でき、全体の見通しも保てます。増え続けるSaaSを「点」のままにせず、「面」として業務につなげる発想が重要です。これにより、SaaSが増えても管理が破綻しにくくなります。

SaaS乱立解消の進め方

考え方が固まったら、次の順で進めると失敗しにくくなります。いきなり全部をつなぐのではなく、現状把握から始め、効果の大きいところから着手します。SaaSが数十に及ぶ環境では、全体を一度に整理しようとすると手が止まってしまいます。まず現状を可視化し、痛みの大きい箇所から順に解消していく——無理のない段階的な進め方が、確実な成果につながります。次の3ステップで進めます。

利用中のSaaSとデータの流れを棚卸しする

まず、社内でどんなSaaSが使われ、どのデータがどこにあるかを棚卸しします。重複した機能のツールや、使われていない契約もこの段階で見えてきます。あわせて、同じデータがどのSaaS間で手作業でやり取りされているかを把握すると、つなぐべき経路が明確になります。現状の可視化が、解消のすべての出発点です。ここを省くと、どこから手を付けるべきか判断できません。

効果の大きい連携から自動化する

棚卸しで見つかった連携経路のうち、二重入力が多い・データの食い違いが起きやすい経路から優先して自動化します。一度に全SaaSをつなごうとせず、1経路ずつ確実に成果を出して広げるほうが、頓挫しにくく効果も見えやすくなります。小さく始めて横展開する進め方が、SaaS乱立の解消でも有効です。まず1つの連携で手応えを得ることが、次への推進力になります。

マスタをそろえ重複を防ぐ

SaaSごとに顧客コードや商品コードがばらばらだと、つないでも正しく突き合わせられません。連携の前に、キーとなるマスタの整合をとり、重複データを整理しておくことが大切です。マスタがそろっていれば、SaaS間の連携がスムーズに機能し、データの一貫性も保てます。つなぐ前の土台づくりが、解消の質を左右します。

SaaS乱立解消でつまずくポイント

SaaS連携は、進め方を誤ると新たな複雑さを生みます。せっかく乱立を解消しようとした連携が、作り方次第で「連携の乱立」という別の混乱を招くこともあります。運用に入ってからも管理しやすい状態を保つための注意点を、押さえておきます。乱立の解消は一度きりの作業ではなく、SaaSが増え続ける前提で「増えても破綻しない」つなぎ方を選ぶことが重要です。

個別APIの作り込みで新たな密結合を生まない

SaaSごとにAPIを個別に作り込んでつなぐと、サービスが増えるたびに開発と保守が重くなり、結局また管理しきれなくなります。個別の作り込みではなく、共通の基盤を介してつなぐことで、SaaSが増えても保守しやすい状態を保てます。乱立を解消するはずの連携が、新たな乱立(連携の乱立)を生まないよう、つなぎ方を一元化することが肝心です。増やすほど楽になる仕組みを目指します。

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よくある質問(FAQ)

Q. SaaS乱立(スプロール)とは何が問題なのですか?

A. サービスの数そのものより、各SaaSにデータが分断されて溜まり、業務全体がつながらなくなることが問題です。データの重複・食い違い・二重入力が増え、無駄なコストや管理・セキュリティの負担も高まります。

Q. SaaSの数を減らせば解決しますか?

A. 数を減らすだけでは、業務の分断は残りがちです。現場が便利に使っているSaaSは活かしつつ、データ連携でつないで必要な情報が自動で流れる状態をつくるほうが、使い勝手を保ったまま効率化できます。

Q. どうやってつなげばよいですか?

A. SaaS同士を1対1で個別につなぐと複雑化するため、中心にデータ連携の基盤(ハブ)を置き、各SaaSをそこへつなぐ形が有効です。ハブ型なら、SaaSを追加・変更しても影響を局所化でき、管理が破綻しにくくなります。

Q. 何から始めればよいですか?

A. まず利用中のSaaSとデータの流れを棚卸しし、二重入力や食い違いの多い経路を1つ選んで自動化します。マスタの整合をとってから、小さく始めて横展開するのが確実です。

まとめ

SaaS乱立(スプロール)の本質的な問題は、サービスの数ではなく、各SaaSにデータが分断されサイロ化していることにあります。解消の鍵は、SaaSを無理に減らすのではなく、データ連携でつないで必要な情報が自動で流れる状態をつくること。利用状況を棚卸しし、効果の大きい経路から、マスタをそろえて段階的に自動化するのが失敗しない進め方です。増え続けるSaaSを点のままにせず、線・面としてつなぎたいなら、データ連携基盤「ASTERIA Warp」をぜひ検討してみてください。

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執筆者:ASTERIA Warp チーム

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