デジタル技術の発展に伴い環境の変化が激しい昨今。企業戦略において重要な要素となるのが、さまざまなビジネス活動を通じて社内に蓄積されるデータの活用です。しかし、組織内に散在する膨大な量のデータをどう扱えばよいのか、どのように分析基盤を整備すればよいのか、頭を悩ませているご担当者様は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、データ分析基盤を構築する際のポイントを詳しく解説していきます。また、高機能ETLツールを導入してデータ活用を成功させた事例もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
データ活用には、大きく3つのフェーズがあります。スムーズなデータ活用を実現するために、まずはフェーズごとの課題について解説します。
データ分析の最初のステップは、社内外に散在しているデータを集めることです。
たとえば、顧客データはCRMシステムから、売上データはERPシステムから、そしてサイトのアクセスデータは分析ツールから取得することになるでしょう。多様なソースから必要なデータを正確に選び出すことも重要です。
さらに、データはそれぞれ形式が異なるため、分析に適した形へと統一する作業も欠かせません。データの転送方法も課題の一つです。特にリアルタイムでデータを転送する場合、遅延が発生しないような仕組みが求められます。
収集したデータを一か所にまとめます。サーバーやクラウドサービスを使ってデータを蓄積する場合、データ量や利用人数が増えるとともにストレージやライセンス費用も増大していく従量課金型のサービスが多い点には注意が必要です。
たとえば、ユーザーライセンス型BIツールは、ユーザー数が増えるほど費用も増加します。少人数での利用なら比較的コストを抑えられますが、多人数での使用を見込む場合、コストが大幅に増加するリスクがあります。
また、データの信頼性を高めるためには「データクレンジング」が不可欠です。データクレンジングとは、重複データを削除したり誤ったデータを修正したり、正確なデータセットを作る作業を指します。
たとえば、取引先の会社名が「株式会社〇〇」と表記されるか「(株)〇〇」と表記されるかなど、細かな違いを統一することも含まれます。
不正確なデータや無関係なデータが残っていると、分析結果の信頼性に悪影響を及ぼすため、データクレンジングは非常に重要なプロセスです。
データが整ったら、いよいよ分析と活用のフェーズです。
この段階で多くの企業が「分析スキル不足」の課題に直面するでしょう。
データ分析においては、適切な分析方法を選択して結果を正しく解釈するため、統計学の基礎知識やさまざまな分析方法への理解が必要になります。特にビジネスの現場では分析結果を基に重要な意思決定をすることが多いため、データ分析/活用の専門的な知識を持ち分析ツールを使いこなせる人材として、データサイエンティストを確保することが重要です。
しかし、データサイエンティストを新卒や中途で採用しようとしても需要が高いため獲得が難しいのが現状です。研修を通じて社内の人材にスキルを習得させる場合でも、実際に運用できるまでには時間がかかってしまいます。
さらに、分析結果をどのように現場に共有するかも重要な課題です。迅速な意思決定を支援するためには、誰でも理解しやすいレポート形式で結果を提示する必要があります。
また、現場からのフィードバックや要求に即座に対応できないとデータ収集が非効率になり、データ活用に悪影響を及ぼすリスクも考えられます。
ここまでに述べたデータの収集・蓄積・加工・分析における課題を解決するためには、データ分析基盤の構築が有効です。データ分析基盤を構築することで、データの収集・蓄積・加工・分析の工程を一貫して行うことが可能になり、より効率的かつ効果的なデータ活用を実現することができるでしょう。
データ分析にはさまざまな課題があり、基盤を構築する段階で慎重に検討しなければいけません。ここでは、データ活用を成功に導くために押さえておきたいポイントをご紹介します。
データ分析基盤を導入する際には、既存の業務フローやシステムが変わることで現場からの反発が起きやすいため、大幅な変更は避けるべきです。
上層部が新しいシステムやツールの導入を決定したとしても、実務担当者から「操作が難しい」「慣れるのに時間がかかる」といった不満が出るかもしれません。
また、業務フローの調整には時間と労力を要するため、通常業務が滞り労働時間が増加する原因にもなり得るでしょう。
このような問題を避けるためには、最小限の変更で運用できるシステムやツールを選ぶことが大切です。その点で、ETLツールを強くおすすめします。
ETLツールは、組織内のデータソースから抽出、変換、加工、格納する機能を備えています。特に、連携先が豊富なETLツールを選べば、現状の業務フローを維持しながらデータ活用を進めることが可能です。
データ活用を進めるためには、現場でのデータ入力が欠かせません。「営業チームがCRMシステムに顧客情報を入力する」「製造部門が生産データを記録する」など、各部門が日常業務の中でデータを蓄積していく必要があります。
そのため、関係者全員が使いやすく、現場のニーズに柔軟に対応できるツールやシステムを選定したほうがよいでしょう。
たとえば改善要望や追加機能のリクエストに素早く対応することで、システムの利用頻度が増加し、結果としてより多くのデータが集まるようになります。蓄積されたデータが増えることで、分析の精度が向上し、データ活用の効果もさらに高まるでしょう。
データ分析の結果を現場で有効活用するためには、レポートの柔軟性が非常に重要です。レポートの柔軟性とは、必要な情報を迅速かつ的確に抽出し、グラフやチャートなど視覚的に理解しやすい形式で提供することを意味します。
たとえば、営業部門が次の販売戦略を検討する際には、地域別の売上推移や顧客ごとの購買パターンをすぐに確認できるレポートが求められます。
ツールを選定する際には、データの専門家だけでなく現場の担当者も直感的に理解し、簡単に操作できるかどうかを確認しましょう。誰でも使いこなせるのであれば、分析結果を日々の業務に反映させることができ、業務の効率化や売り上げの拡大につながりやすくなります。
たとえば、BI機能を備えたETLツールは、データの統合・集計・分析をシンプルに実行することができます。各部門がニーズに合わせたレポートを作成し、迅速な意思決定が可能になるでしょう。
データ分析における課題を解決する手段として、ETLツールが注目を集めています。なかでも、多くの企業に採用されているのが、18年連続で国内シェアNo.1を誇る「ASTERIA Warp(アステリア ワープ)」です。
ここからは、ASTERIA Warpの特長、ASTERIA Warpを導入してデータ活用に成功した事例をご紹介します。
ASTERIA Warpは、100種類以上の豊富な接続アダプターと直感的な操作性を兼ね備えたETLツールです。
多種多様なデータソースに対応できるため、既存のデータ資産を最大限に活用することが可能です。また、プログラミング不要で、画面上のアイコンをドラッグ&ドロップのシンプルなマウス操作でつなげるだけで、簡単にデータ変換や処理を実現します。
たとえばAmazon Redshiftのようなデータベースへ迅速にデータを投入するため、大規模なデータの処理もスムーズに行えます。
さらに、TableauやExcelなど分析担当者が使いやすい形式で出力できるだけでなく、定期的な自動出力も可能です。これにより、現場の意思決定が迅速に進み、データ活用の効果が高まるでしょう。
ASTERIA Warpを活用してデータ分析基盤を構築する具体的な例として、Amazon RedshiftやTableauと連携するケースをご紹介します。
ASTERIA WarpがDB、Excel、CSV、クラウドから情報を取得し、Amazon S3やAmazon Redshiftと連携させます。取りまとめたデータはTableauの抽出ファイルやExcel、CSVといった形式で柔軟に出力できます。
加えて、「メールに添付して送信」、「各種システムのRDBに直接書き込む」といった設定も可能です。
実際にASTERIA Warpを導入して、データ活用を成功させた事例をご紹介します。
大日本印刷株式会社様は、電子書籍ストアや本の通販ストア、リアル書店を連携させたハイブリッド型総合書店「honto」を運営しています。
サービスの立ち上げに際して、他社に先駆けて市場に投入するため、厳しいスケジュールでの開発完了が求められました。そこで、短期間での開発が可能なASTERIA Warpを導入します。
ASTERIA Warpを活用することで約200種類にも及ぶ連携処理を迅速に開発し、スクラッチ開発と比較して工期を約1/2に短縮することができました。
事例の詳細は以下の記事からご覧いただけます。
医療業界向けにリサーチサービスを提供する株式会社アンテリオ様は、約4,000名が入力したデータを収集・分析し、顧客へ提供しています。
以前は、外部のSIerに委託してスクラッチ開発したシステムを使用していましたが、わずかな改変でも時間とコストがかかるという課題がありました。そこで、自社に専門のIT担当部門がない中でも扱いやすいツールを検討し、ASTERIA Warpを採用します。
ASTERIA Warpの導入により、データ変換・加工・分析はもちろん、設定変更も自社内で迅速に対応できるようになり、大量のデータ処理がスムーズに行えるようになりました。結果として、データ処理の時間が約1/2に短縮され、コスト削減と業務効率化が実現しました。
事例の詳細は以下の記事からご覧いただけます。
本記事では、データ活用における課題と、高機能ETLツールを活用したデータ分析基盤の構築ポイントについてご紹介しました。
データの収集から蓄積、分析に至るまでの各フェーズでの課題に対して、ETLツールは有効な解決策となります。特に「ASTERIA Warp」は使いやすさと柔軟性が特長であり、既存の業務フローを大きく変えることなく、スムーズにデータ分析基盤を構築できる点が魅力です。
迅速にデータ活用を実現し、ビジネスの競争力を高めたいとお考えでしたら、ぜひASTERIA Warpをご検討ください。
PM・SE・マーケティングなど多彩なバックグラウンドを持つ「データ連携」のプロフェッショナルが、専門領域を超えたチームワークで「データ活用」や「業務の自動化・効率化」をテーマにノウハウやWarp活用法などのお役立ち情報を発信していきます。
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