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データ連携基盤とは、異なる複数のシステムやサービス間で蓄積された異なる形式のデータを効率的に収集・変換・管理してやり取りを行うための基盤となる仕組みやシステムを指します。データ連携基盤を構築することで、データドリブンな経営を推進していくうえで後述するデータ連携における課題を解決します。
データ連携基盤が注目される背景として、例えば以下が挙げられます。
近年、ソーシャルメディアやクラウドサービスなどの登場によって企業が取り扱うデータ量が急速に増加しており、多くの問題や課題に対して適切な意思決定をするうえで、この膨大なデータを分析してビジネスに活用することの重要性が高まっています。
データ連携を推進する場合、「データフォーマットが統一されていない」「システムとの自動連携ができず手作業になっている」などの課題が生じます。データ連携基盤の構築はこれらの課題を解決します。
データ連携基盤を構築することで得られるメリットをご紹介します。
データ連携基盤を構築するメリットとして、データの品質が向上し、正確なデータを利用することができるようになります。データ連携基盤を導入していない場合、手作業で行う工程が多く存在し、人的ミスの可能性を高め、データの品質を低下させてしまう恐れがあります。データ連携基盤を構築することによって、データの加工・収集・変換・クレンジング・整形などビジネスでデータを利活用するために必要な作業工程を自動化し、データの信頼性を向上します。
また、業務で扱う基本的なデータ(マスターデータ)の信頼性が高まることで、各部署に蓄積されたデータの迅速な共有や確認作業の削減などの業務効率化、生産性の向上につながります。
複数のシステムにまたがるデータを統合して活用する場合、システム同士を直接連携する、システム間のデータ形式に直接手を加えるなどの方法が考えられます。しかし、これらの方法は必要なデータを取得する度に、障害リスクを抱えることになります。データ連携基盤を構築することで、それぞれの連携先のシステムの改修やシステムのデータに直接手を加える必要が無くなるため、システム障害のリスクを最小化することが可能です。
次にデータ連携基盤の主な構築方法をご紹介します。一般的に以下の2つに大別されます。
データ連携基盤となるシステムをゼロから開発する方法です。自社の要件に合わせた基盤を構築することができる一方、開発・運用スキルを保有している担当者の確保、開発期間の確保、開発コストの確保が必要となります。特殊な連携手段が必要なシステムを利用しているなど、他の方法で自社に合ったデータ連携基盤の構築を実現できない企業に向いています。
データ連携ツールを導入する方法です。ETLツール、EAIツール、RPAツール、iPaaSなどツールジャンルごとに特徴が異なります。自社で構築したいデータ連携基盤のイメージがデータ連携ツールの導入で賄える場合、スクラッチ開発と比較しても導入期間やコストを抑えることが可能です。
それぞれ別の記事で詳しく解説しています。
EAI(Enterprise Application Integration)は、企業内の各部門や業務に分散しているシステムを連携するツールです。バッチでもリアルタイムでも連携ができ、オンプレミスの社内システムからクラウドサービスまで幅広く連携が可能です。ただし、APIでの連携手段がないシステムとの連携には不向きで、ETLツールと比べると扱えるデータ量が若干少ないという点には注意が必要です。
ETLとは、データの抽出(Extract)・変換(Transform)・出力(Load)を意味します。各部門に分散しているデータを一箇所に集約し、変換・加工・出力を行います。DWH及びBIツールと一緒に使うことが多く、大量データの一括処理ができることが特徴です。
大規模なデータ分析には欠かせないツールですが、基本的にはデータをバッチ処理するため、リアルタイムでの更新が必要な場合には適していません。また、EAIツール同様に、APIのないシステムとの連携には適していないため、その点も考慮する必要があります。
RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウェアロボットを用いて業務を自動化するツールです。画面操作を自動化でき、人の作業を代行することで、業務効率を大幅に向上させます。
APIのないシステムでも、画面操作をエミュレーションし連携できます。手作業をそのまま自動化できるので既存システムの改修が必要なく手軽に始められます。一方、大量データ処理や複雑なデータ変換、画面の変更が頻繁に行われるシステムでは、都度停止する可能性があるため向いていません。また、デスクトップ型の場合、ロボットの一元管理が困難です。
iPaaS(アイパース)は「integration Platform as a Service」の略で、異なるシステムやサービスをクラウド上で簡単に連携できるツールです。データの移行や統合も行えるため、データ管理の効率化に繋がります。
クラウドサービス連携をクラウド上で簡単に作成できます。一から環境を構築する必要がなく、比較的安価に始められる点が特徴です。一方、社内環境にあるオンプレシステムやAPIのないシステムとの連携には不向きです。海外製iPaaSの場合、日本のクラウドサービスに対応していない場合も多いので注意が必要です。
データ連携基盤を構築する方法や、データ連携ツールの種類ごとに特徴を紹介しましたが、それぞれにメリット・デメリットが存在します。
データ連携基盤の構築を検討していても、デメリットがネックで躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな方におすすめしたいのが「ASTERIA Warp」です。
ASTERIA Warpは、Excelや、Salesforce、kintoneなど100種類以上の豊富な接続先により、簡単かつ柔軟な連携が可能です。さらに、プログラミング知識がなくても各社内システムと連携できるノーコードツールであるため、開発エンジニアはもちろんのことプログラムが未経験の方でも簡単に利用できます。これにより、スピーディーにデータ連携を実現し、業務の効率化を図ることができます。
この使いやすさが評価され、ASTERIA Warpはデータ連携ツールとして17年連続で国内シェアNo.1を獲得、さらにユーザーからの高評価をいただいています。
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※1:テクノ・システム・リサーチ「2023年ソフトウェアマーケティング総覧 EAI/ESB 市場編」による
※2:ITreview Grid Award 2024 Summerにて「データ連携ツール」部門で5年連続Leaderを受賞
データ連携基盤に関わる課題を迅速かつ効果的に解決したい方は、ぜひ「ASTERIA Warp」をご検討ください。
気軽に試せる無料評価版も提供されています。以下のページから詳細をご覧ください。
データ連携ツール「ASTERIA Warp」を活用し、データ連携基盤を構築した事例をご紹介します。
私たちの生活を支える歯磨き、歯ブラシ、洗剤、薬品などを提供する同社は、システム間の連携を図るために、市販のファイル転送・データ連携ソフトを活用していました。しかし、連携対象となるサーバーごとにソフトをインストールし、1対1で連携を実現するタイプの製品だったため、接続の組み合わせが膨大になり、どのサーバーでどういう変換処理をしているかが把握できなくなっていました。
そこで同社は既存システムを大幅に刷新し、新ITシステムの構築プロジェクトを遂行しました。新システム構築に当たり、掲げた要件の1つがシステム連携の標準化です。そこで、同社はASTERIA Warpを活用し、全社規模の共通連携基盤を構築しました。2013年1月現在、約250本(ファイル)の連携処理が行われており、ITシステム全体の刷新が完了した後には、最終的に1200本強のデータ変換を担う予定です。
東急不動産、東急コミュニティー、東急リバブル、東急ハンズなどを傘下に抱える同社。同グループでは業種・業態の異なる様々なサービスを展開していることから、各事業会社・事業部門がそれぞれの業務に最も適したパッケージソフトを選定しシステムを構築して来られました。またこれらのシステムと会計システムとの連携についても、連携の必要な部門が主導し手組みで開発していました。そこで会計システムのリプレースタイミングで会計システムと連携する約30システムとの連携を再構築することになり、約200本の処理をASTERA Warpで開発。会計システムとの連携基盤をASTERIA Warpで構築し一元管理を実現しています。
データ連携基盤の定義から求められている背景、メリット、構築方法、事例と網羅的にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
データ連携基盤を構築する際は、自社の要件に合わせて適切な構築方法を選定することが重要です。データ連携ツール「ASTERIA Warp」を活用したデータ連携事例集をご用意しておりますので、ご興味ある方はぜひダウンロードしてご覧ください。
ASTERIA Warp製品の技術情報やTips、また情報交換の場として「ADNフォーラム」をご用意しています。
アステリア製品デベロッパー同士をつなげ、技術情報の共有やちょっとしたの疑問解決の場とすることを目的としたコミュニティです。